フィリピンの難工事に携わった浪花男の苛烈な半生を物凄いスピード感で見せる、織田作之助原作の映画化。
ここに明治~敗戦までの帝国政治の批判を見るのは容易いけれど、寧ろ死の影に憑かれつつ、それでも走ろう…
フィリピンで道路建設をしていたベンケットのたぁさんが突然街に帰ってきて車夫になり、娘と孫娘を育てる姿をコミカルに描きます。鬱陶しいわがまま粋がり親父を観てると痛々しい気持ちになりますね。こうなるまい…
>>続きを読む川島雄三監督の観る
明治末フィリピンで困難と言
われた道路工事終えて大阪に
戻った他吉。一夜だけのお鶴
が幼い娘と暮らしてるの知り
脚本 八住利雄
明治から昭和戦後まで大阪天王寺長屋で
暮らす…
次々と起こる悲劇を淡白に描きながら主人公の佐渡島他吉がバイタリティで乗り越えていく前半とそんな他吉が時代に置いていかれる哀愁を帯びた後半。明治〜昭和の揺れる時代背景を踏まえながら他吉という強烈なキャ…
>>続きを読む人間臭いおじさん、その周りの人、その周りの風景に、昔ながらの愛すべき大阪と変わっていく時代のドキュメンタリー味を感じた。
キツめに思える関西弁と喋り方と熱量、時代特有の音質の悪さで、本当に何を言っ…
現在にも通ずる古臭さを否定しつつ、その中の愛まで描き出す。
めんどくさいから世相に合わせた御涙頂戴にしているのではなく、多様な価値観を肯定する上で、“価値観を狭める”価値観を否定するのは多様性なのか…
老害に至る愛。そこはかとなく『無法松の一生』の変奏。「一人だけええ気持ちになって」と称される一本気男の自信、勝ち気、パターナリズムが歳月を経て衰弱した身体に相容れなくなりと。身を粉にしての不器用な愛…
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