芸妓の道でしか生きられない姉妹の恨み節。
祇園でフリーランスのような形で芸妓をしている姉妹。情に厚く古風な姉はどう見ても芸妓に向いていない。いい着物さえ着れず、華やかな席には呼ばれない。店が潰れ金…
1936年、日本、ドラマ。
古風で義理人情に厚い姉・梅吉(梅村蓉子)と女学校出でミサンドリーな妹・おもちゃ(山田五十鈴)対称的な性格の姉妹が祇園で生きる女の人生のドラマ。
祇園に祇園甲部と祇園乙…
京都の祇園乙部を舞台として、古風で情に篤い姉と自尊心が強く打算的な妹という、対照的な二人の芸妓の生き様を描く。
梅村蓉子演じる姉は男を頼り、男に尽くし、男に捨てられる。
山田五十鈴演じる妹は男を恨…
男を嫌い男を上手く扱いなんとかこの祇園の世界をひっくり返して生きて行く覚悟のかっこよさと結局社会の構造として女は突き抜けることが出来ない悲哀に満ちていた。
ファーストカットのカメラからラスト付近の横…
溝口健二特有の驚くような長回しはこの頃はまだ控えめ。とはいえ、フーレム使いを見るに溝口の映画的才覚はさることながら、日本家屋の映画との相性の良さを感じた。義理に拘る姉と計算高く金を得ていく妹の対比。…
>>続きを読む流れるようで俗っぽい京言葉が美しい。男女とも大概にしないとしっぺ返しが来るし、誠実に生きていたってとばっちりを受けることもある。誰よりも大事にすべきは義理でもお金でもなく自分だろう。本作は本来90分…
>>続きを読む贅肉を削ぎ落として(監督の意図と関係なく削ぎ落とされたものが現存フィルムである可能性があるが)短くまとまった良作だと思うけど、他の溝口作品みたいに明日に一抹の希望があるわけでもなく、死んで終わりでも…
>>続きを読む人物たちは会話しながら、常に手元が動いている。多くはモノを扱っている。煙管に火をつける、傘の柄?で相手をつつく、酒を注ぐ(注ぐ方も受ける方も片手だ)、ビールのコップを下げる、手を合わせる、洗う…。つ…
>>続きを読む©松竹 大谷