このレビューはネタバレを含みます
○「ブードゥはどこへ行ったのかしら?」「水が導くままに、さ」(ご主人とメイドの会話)
セーヌ川に投身自殺を図った浮浪者ブードゥ(ミシェル・シモン)が、本屋を営む裕福な男に救われ、一宿一飯の恩に預か…
偽善と欺瞞に満ちたブルジョワ社会を風刺しているが、ルノワール自身が上流階級側で生きていたのがなんとも面白い。
ある家庭に異物が混じり、家族の本性が炙り出され次第に逸脱していく過程は、森田芳光の『家族…
一度放浪者の自由さを体験したらもう普通の家庭の窮屈さには耐えられないのかもしれない。川がきっかけで命を救われてまた、川がきっかけで彼の信念を見つける。欲のままに生きることを否定も肯定もしてないところ…
>>続きを読む全然素晴らしくない放浪者が、恩人の本屋の家族をかき回すジャン・ルノワール監督の痛快コメディ絵巻。
82分でテンポ良く展開するストーリー。
無礼な放浪者の全く先の読めない破天荒ぶりに、
いつのまにか…
ジャン・ルノワール初期の傑作
『ゲームの規則』がリバイバル上映前に観ました。
うん、面白い!
自殺を図り、セーヌ川に身を投げた浮浪者がブルジョワ階級の男に助けられ面倒を見られるが、浮浪者は…
日仏学院のジャン・ルノワール生誕130周年記念特集にて。
初めて観たけど、めちゃ面白い。
ミシェル・シモンは相変わらず怪演だし、出てるだけでハラハラする。
終始、ジャン・ルノワールの斬新な撮り…
【河童の川流れ】
ジャン・ルノワール監督×ミシェル・シモン主演の1932年の作品
〈あらすじ〉
セーヌ河に身を投げた老浮浪者ブーデュを本屋の主人が連れ帰る。しかし、ブーデュは居候の身でありながら…
終盤のシークエンスがとんでもない。ルノワールのフィルムに畏怖する。
そこを含めて川をここまで美しく捉えたフィルムはない。唯一無二にして、頂点。
浮浪者は生き延びたわけだが、そもそも生への執着はなく、…