文藝映画の美しさここにあり。
川端康成の原作も優しい物語だったように記憶しているが、映画として観ても落ち着く。ゆったりとした重厚なつくりとなっているが、全く飽きさせない。久しぶりに映画らしい映画を見…
川端康成原作の古都。作者は、執筆中長年常用していた睡眠薬を止めたため禁断症状になり入院。
その環境での執筆で、古都に何を書いたのか記憶を失いつつ、うつつなありさまで書いた。その結果、小さな恋物語を描…
川端康成原作「古都」を岩下志麻の主演一人二役で描いた作品。京都を舞台に偶然から育った環境の違う双子の姉妹が邂逅し、そして別れが訪れる。物悲しくて美しい作品。1964年のアカデミー賞外国語作品賞にもノ…
>>続きを読む 1963年 ”古 都” 原作川端康成 監督 中村登
(1963年度アカデミー外国語映画ノミネート)
ヒロイン・岩下志麻二役(姉.妹)一人は呉服問屋のお嬢様。実は捨て子だったのだが、かしこく美しい…
この作品もアカデミー賞ノミネート。Mr.アカデミーとは、中村登のことか!?成島東一郎、武満徹コンビ。随所に見せるショットは、物語より迫力がある。ナレーションが入ったりして物語の作りが粗い気もするが、…
>>続きを読むこのレビューはネタバレを含みます
川端康成の視点が興味深い。年を重ねた落ち着き払い、哀愁深く、至る所に作家川端康成の視座を感じた。しっとりとしている。
雪の描写、冒頭の離れ離れの菫の描写、祇園祭、時代祭、西陣の機織りの職人等、京都…
この映画に武満徹の音楽は不釣り合いだった。何か原作にない怪しいことが起こるのかと気が気でなかった。60年ほど前の京都の町中にはビルもなく瓦屋根がぎっしりと並んでおり、その後の改築で現在街並みの美しさ…
>>続きを読む松竹株式会社