流麗なカメラは当然凄いんだけど、何よりそうしたカメラワークを生み出すベースとなる役者の導線設計が粋すぎる。ガビーを捉えるカメラは基本的に長回しなんだけど、周りのエキストラなどが出てくる場面ではなかな…
>>続きを読むこのレビューはネタバレを含みます
簡単に言うと男を謎に魅力して破滅させる一人の女の生涯を描いた、遺作である歴史は女で作られるのプロトタイプ的作品になっており、その意味でマックス・オフュルスの原点とも言える内容は興味深かった。
そし…
先日観た『猫と庄造と二人のをんな』で香川京子が「マンボ・バカン」を口ずさんでいて、それが耳について離れない。本作のイタリア語が感応してしまって終始そのメロディーが脳内を駆け巡る。
最初にヴェネツィ…
これは円環構造に則り、最初に出てきた妹やロベールが最後にも登場していた。
関係を結んだ男の家庭や人生が破滅しても、責任を負えない女性、オフュルスの主人公像、やはり好き。もっと見たい。
ディートリヒ…
12/24@シネマヴェーラ渋谷
「世界の恋人」と渾名された人気女優が突然自殺を図り、手術台の上で過去を回想する。
運命の人との別れは全て電話越しで。
「映画の中でまた会える」
彼女とは全く受け…
手術台の上のガビーに覆いかぶさる麻酔ガスマスクの異様さ。「みんなの女性」という虚像の中に取り残される孤独を端的に表わす、「また会える、映画の中で」という台詞の絶望的な非対称性こそオフュルス女性映画の…
>>続きを読む父親の歪んだ教育、そしてその美貌ゆえに愛に翻弄され真っ当に人を愛することが出来なかったガビーの悲劇。一歩間違えれば白々しいメロドラマになるところを、オフュルス監督の演出により一流の人間ドラマに仕上が…
>>続きを読むイタリア映画らしいハイテンションなセリフの連発をオフュルス調の移動撮影(勿論ダンスシーンもある)で追いかけ続けることで異様な圧迫感が生まれている。
イザ・ミランダの自殺未遂を全関係者に知らせるシーン…