クレアのカメラの作品情報・感想・評価

クレアのカメラ2017年製作の映画)

빌링블록/Claire's Camera/클레어의 카메라

上映日:2018年07月14日

製作国:

上映時間:69分

あらすじ

マニ(キム・ミニ)は、韓国の映画会社の社員として、カンヌ映画祭に来ている。女社長ナム(チャン・ミヒ)からの信頼も厚い有能なベテラン社員だ。映画祭も真っ只中、社長からカフェに誘われたマニは、唐突に不誠実だといわれ、仕事を辞めて帰国してくれと言い渡される。マニは、滞在していたアパートも追い出され、予定の帰国日を変更することもできず、一人カンヌに残ることにした。  音楽教師をしているフランス人女性ク…

マニ(キム・ミニ)は、韓国の映画会社の社員として、カンヌ映画祭に来ている。女社長ナム(チャン・ミヒ)からの信頼も厚い有能なベテラン社員だ。映画祭も真っ只中、社長からカフェに誘われたマニは、唐突に不誠実だといわれ、仕事を辞めて帰国してくれと言い渡される。マニは、滞在していたアパートも追い出され、予定の帰国日を変更することもできず、一人カンヌに残ることにした。  音楽教師をしているフランス人女性クレアは、カンヌ映画祭に初めてやってきた。趣味はカメラ。それも自分が一度シャッターを切った相手はもう別人になるという自説を持つ、不思議なオーラを放つ女性だった。   カンヌに来た早々、クレアは韓国人の映画監督ソ(チョン・ジニョン)と知り合う。気があった二人は、製作会社のナム社長と三人で食事をすることになった。二人をカメラに収めたクレアはカメラの自説を披露して、一人先に店を出ていく。  明日は映画の公式上映だ。ナム社長は、ソ監督が自分よりずっと若いマニと火遊びしたことをもっと責めたいところ、クールな対応をしたつもり。だが、クレアが店を出ると、したたか酔い始めたソ監督はナム社長に男女の関係を清算したいと切り出し始める。  海岸沿いをぶらついていたマニは、食事を終えてふらふら歩いてきたクレアと出会う。意気投合し、マニはクレアが撮った写真を見せてもらう。そこには意外な人物が映っていた。それはソ監督とナム社長だった。ようやく理不尽な解雇の原因が分かったマニは、クレアと一緒に首を言い渡されたカフェへ向かう。一部始終を聞いたクレアはカメラを取り出し、マニに向かって同じ場所でシャッターを切った。  そしてカンヌ映画祭最終日。すべての仕事を終え、映画祭期間中の事務所の備品をテキパキとパッキングしているのはマニだ。どうやら元の仕事に戻ったらしい。となると、あのクレアのカメラは本に・・・・・・。

「クレアのカメラ」に投稿された感想・評価

のん

のんの感想・評価

2.5

初ホン・サンス。

これはきっとホン・サンス作品が好きな人向けじゃないのかなってセンス。

イザベル・ユペールが何故か一瞬喪黒福造に見えたりしたのは面白かった。偉大なり。

作品自体は退屈もしないながら特に面白くも無かったなぁ。中年男が嫉妬で女の服装に文句言うシーンは痛い。
mikazuki44

mikazuki44の感想・評価

3.4
ユペ様出てるだけで星一つ増える感じ。
キムミニとユペ様ずっと観てたいだけの映画やけどまたまただらしない映画監督が酷い。
結果、女は強くたくましく、
男はじめじめ弱々。

クレアが変えた人生をよくするのも悪くするのも、自分次第ってこと

キムミニやっぱり好きや
2016年カンヌ映画祭の合間にわずか9日間でサクッと撮った気軽さがホン・サンスのお茶目さを際立たせているというか、その軽やかさが可愛い小品。

パリから来た音楽教師演じるイザベル・ユペールとキム・ミニ、ホン・サンスの分身たるチョン・ジニョン(「夜の〜」の映画監督よりルックス的にはホン・サンスに近くてより可笑しみが増す)の交歓が愉しい。女社長をも交えた女の本音と建前が垣間見えるやり取りも可笑しく。

「それから」や「夜の〜」にあったある種の苦味というか塩味は控えめかな。
それでも、クレアのカメラが「写真に撮られると人は変わる」と言説しているのは、まさしく映画の事をインスパイアしている訳で。そうすると、実は現実を反映していると思っていたホン・サンスとキム・ミニのコラボレーションの連作こそが、要は映画の方こそが、ふたりの現実の関係に影響と変化を及ぼしていると示唆しているようでその捻りというか視点の転換には唸らされた。

あと、クレアの亡くなった恋人は「夜の〜」に出て来た子供のためのピアノ曲を作っていた彼なのかなぁ、とか。彼はハンブルクだけれど。
k

kの感想・評価

3.5
社長が可愛いということしか分からなかった‥

小品であるが故に、誰が見てもすぐにホン・サンスの映画だと分かるものを見れる喜びのようなものを感じている自分に気づいた。えっ、ここで終わるんや、ええやん。と思えることすら嬉しかった。ミニマルミュージックではないけれど、ちょっとした変化を楽しめる領域に到達した感。
とえ

とえの感想・評価

4.0
69分のとても短い作品だったけど
面白かったなぁ

映画会社で働いているマニ(キム・ミニ)は、カンヌ映画祭に出張中に会社をクビになってしまう
帰国の飛行機まですることがなくなってしまったマニは、カンヌを観光
その間にフランス人のクレア(イザベル・ユペール)と知り合い、友達になる

異国の地で知り合った人と親しくなる彼らを見ていると
人と人との出会いには、化学反応があるなぁと思った
その化学反応にも、良い結果と悪い結果がある

マニと映画監督と社長の3人の出会いは、悪質な毒ガスが出て、周りに悪影響を及ぼしちゃうような悪い化学反応

そこへ、クレアを投入すると
「私が写真を撮ると人生が変わるわよ」
の言葉の通り、彼らの人生が変わり始める

マニと社長にとって、クレアとの出会いは、良い化学反応だったけれど
映画監督にとって、クレアとの出会いは悪い結果をもたらすことになる

そんな彼らから見えてくるのは
女性たちのたくましさである

出張先でいきなりクビになるなんて、ちょっと立ち直れないと思うけど
マニはどんどん外に出て、フランス人と友達になり、前を向いて生活をしている

社長もまた、たとえ男に捨てられても、あっという間に吹っ切って、仕事に邁進する

ところが、優柔不断なダメ男の映画監督は、クレアと出会う前以上に未練タラタラに生きていくことになる

そこで思うのは、確かに人との出会いは人生に化学反応をもたらすけれど、本人が前向きか、後ろ向きかで、化学反応の結果も変わってくるということ

クレアとの出会いは、
前向きに生きていこうとする彼女たちに
前向きな反応をもたらしたけれど
いつも、過去に未練がある映画監督には、後ろ向きな反応が出てしまったのだ

このキム・ミニとホン・サンス監督の4連作には、毎回、監督の分身となる優柔不断なダメ男が出てくる
それに対してキム・ミニは、いつもイキイキと輝き、最後に希望を感じさせる終わり方をしてきた

毎回、そこに二人の関係性が投影されていて面白い
そして、毎回「しっかりしろ、ホン・サンス!!」と思うのだ(笑)

それに加えて今回は、イザベル・ユペールというスペシャルゲストが嬉しかった

なるほど、確かに彼女は「人の人生を変える」パワーを感じさせる人である
そのユペールと並んでいても、何の遜色もなく、友達役が自然なキム・ミニもすごいなと思った

人との出会いも大切だけど、自分自身が前を向いて生きることも大切だなぁと、しみじみ感じた作品だった
みら

みらの感想・評価

3.5
キムミニとユペールが「セールスなんて面白いわけがない!」と言ってたので会社辞めてきまーす!
ズームインアウトの使い方がいつもよりかなり適格に思われた

冒頭、オフィスのポスターで右側だけチラ見えする名前、自らホンサンスを登場させてしまうのかと思わせて微妙に違う名前

解雇通告シーン、感情の高ぶりに従って風の勢いや道路のノイズが高まっていくシンクロ

監督のキムミニへの説教シーン、声デカくて音割れてるのが良かった

キムミニとゆっぺの道路横断、ゲリラ撮影だろうがたまたま車にぶつかりそうになる所はスリルあった

非英語ネイティヴ同士の私でも聞き取れる会話が心地よかった
たまたまであったクレア。
彼女から会話を切り出し、お茶したり…
この独特のテンポが好み別れそう。
室長×監督×社長の世界にちょっと色付けした黄色のユペール。

なんだろうこの感じ…
ogate

ogateの感想・評価

3.7
限られた時間で撮るからこそ生まれた長回しとカメラを感じさせるズームは、大好物でした。
ホン・サンス×キム・ミニの4作連続上映コンプリート!
今回は「3人のアンヌ」に続いてイザベル・ユペール様ですよ!
この人、この歳でもほんとに美しくてチャーミング。
あのクリーム色のコートが似合うおばちゃんもなかなかいないですよ、まるで妖精。
素晴らし過ぎる。

2016年のカンヌ映画祭開催中に即興的に撮ったとのことで、カンヌの明るい浜辺や夜の路地が美しくてお洒落です。
いつもは韓国の庶民的な飲み屋や食堂など色気のない店で緑の瓶の焼酎をガブ飲みしてる感じですが、このキム・ミニシリーズはどれも洒落感出してますよね。

これまでの3作と同様に本作も公私混同してスッタモンダする話なんですね。
主人公のマニは映画配給会社に勤めていて、出張でカンヌ映画祭に来ている時に、突然女性社長に解雇されます。
クビになった理由もよくわからないまま、帰国する日までカンヌでブラブラして過ごすと、ポラロイドカメラで写真を撮るクレアというフランス人女性に出会い、そのクレアの写したポラロイド写真が、マニ、監督、社長を繋ぎ3人に変化をもたらすという話です。

今作も男のダメさ加減が良いです。
カフェで出会った美人のフランス人に声をかけ距離を縮めようとするんですけど、離れた席からクレアの席に移動した途端に話すことがなくなってしまう時の気まずさとか、その後の図書館で見つけた一編の詩をフランス語で読みたいから発音を教えてくれとクレアに頼んで教わる感じとか、側から見てると滑稽で軽薄な感じがするけど、もし素敵なフランス人と出会ったらそうしたくなる気持ちもわからんでもなかったりして。

マニがホットパンツ履いてたら、監督がその姿に激昂したりとか、ちっさ!と失笑したくなるけど、みっともなくても嫉妬したり独占したい感じとか抑えられずに感情的になるのもわかるし。
いい大人なのに恋に落ちるとそうなるみっともなさが滑稽だけど共感するし、そういうホン・サンスのツボの押さえ方がやっぱり好きだなと思うのです。

監督が、正直に生きて正直な映画を撮りたいとかなんとか、そんな感じの事を言うのは、キム・ミニを愛してしまって彼女で映画を撮りたいホン・サンスの正直な欲求そのもののように思いました。

公私混同した男女の三角関係に関わっておきながら終始第三者でい続けてたクレアの存在も不思議な感じで面白かったです。

本作では酔っ払わないけどキム・ミニの魅力はやはり健在。
座って何か書き物してる横からのショットでは、スラリとした全身を強調していて、浜辺にたたずんだり、窓辺でタバコを吸ったりテラスで外を眺めるバックショットの美しさも素晴らしいし、キム・ミニ愛がほとばしってました。

これからもグダグダな公私混同や男と女のややこしさ、恋に落ちるみっともなさと愛おしさを生々しく描いて欲しいです。
4作楽しませてもらいました!

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