問答無用の名作。
家族なんて所詮は吹けば飛ぶ他人の寄せ集め。なのに一人で生きることはあまりに心細い。人間模様を腰を据えて描く山田太一脚本。物語の駒でなく清濁併せ持った人間としてそこに現れる手練れの俳…
老いた父より先に癌で死ぬ息子。死にそうな息子のために崩壊していた「家族」が再生する。死にゆく男のために離れ離れだった者たちが一堂に会し、家族を演じている。おそらく山田太一は家族という共同体を信じてい…
>>続きを読む◯山田太一×笠智衆三部作③。
◯笠智衆にしては珍しく息子との関係がメインになっている。妻を演じるのは杉村春子。『東京物語』では父娘役だったのに😢
◯死にゆく息子の最期をどうしてあげるか。偽りの「…
地元のタクシー運転手が雨戸を閉めてくれたり東京の病院から抜け出す冒険の中で別のタクシー運転手が車中で迎える朝にはしゃいだりするのも泣ける。小料理屋の狭い二階での生活を語る杉村春子、死期迫る息子に「多…
>>続きを読む今の季節にぴったりなドラマだと思って鑑賞したが、実際は晩夏頃の話だった。
闘病の末に死期を迎えた50代の息子(杉浦直樹)とその父親(笠智衆)。
杉浦直樹のキャラは『岸辺のアルバム』のその後みたいで…
長生きした甲斐も無く、自分の息子が 53 歳で余命 3 ヶ月の命だという。
山田太一の終焉 3 部作のラスト。
独り暮らしの父親
男を作り家を出た母親
離婚したいと願っている妻
各々事情があるが、み…
『ながらえば』では叶わなかったが、本作では病人を田舎に引き寄せることに成功する笠智衆。ほんと冒険みたいでわくわくもするんだけど、そのうまくいく感じ(悪く言えばご都合主義)が案外ドラマ的な抒情を損なっ…
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