ブラック・フライデー(原題)の作品情報・感想・評価

『ブラック・フライデー(原題)』に投稿された感想・評価

てるる

てるるの感想・評価

3.8
ネトフリのナワさん出演作3本一気見。

色んなインド映画で触れられるヒンドゥー教とイスラム教の対立。
それがエスカレートして起きた暴動。
暴力の連鎖で起きた最悪のテロ事件。

実際に起きた同時多発爆破テロを基にした映画ではあるけど、冒頭のテロップで
・実際の事件を基に脚色
・特定の人や団体を批判する意図はない
(うろ覚えだけどそんな感じ)
と出るんだけど…

これはもうとんでもない負の連鎖。
最初にイスラム教徒を襲った過激派ヒンドゥー教徒。
その報復で計画・実行されたテロ。

警察は犯人逮捕のために誤認逮捕や拷問を当たり前のように行い、口を割らせるために家族までも脅したり。

しかもその拷問シーンが毎度赤い照明の部屋で行われるから画質の悪さも相まってちょっと怖い。

ちなみにラナさんは尋問を受ける若者のうちの1人で出演。
出番はほんとに数分といった感じ。

しかし警察も杜撰で、せっかく捕まえた容疑者を手錠もかけないから2回も逃す。
だからその追跡シーンが長すぎ。

もちろんテロなんて起こしちゃいけないけど、自分たちの家が焼かれ、愛する家族がレイプされ、それなのに真剣に捜査されないのなら怒りが積もり積もるのは当たり前。

しかしテロの首謀者一族はドバイでのうのうと暮らして、下っ端実行犯たちは見捨てられて右往左往するの何か物悲しかった。

これはその後起こった同時多発テロを描いた「ホテルムンバイ」でも同じで、下っ端を洗脳して命を懸けさせておきながら、自分は安全地帯でぬくぬく。
めちゃくちゃ腹立つ!

ヒンドゥー教徒とイスラム教徒の対立は、今も解決してない。

そういえば警察の中に名脇役ムラリ・シャルマがいたー!
この人の顔は1度見たら忘れられない。
配信終了してしまい、
途中までしか見れず。
画質が荒すぎた。
早くDVD化して欲しい。
VHSみたいな画質や極端なカラーフィルターの使い方があいまって奇跡体験アンビリーバボーの再現VTRみたいに見えてしまって映画として見られなかった。
くりふ

くりふの感想・評価

4.0
【トカゲの尻尾にゃ毒がある】

Netflixにて。後回しにして忘れていたら、配信終了が迫ってきたので、見ました。

1993 年のボンベイ爆破事件を、実在の人物を借りて物語る。実行犯らと現場捜査陣との攻防中心に足で追い、ザラザラタッチに仕立てた見応えアリ作。

制作はもう20年近く前になるんですね。それでも事件からは10年が過ぎており、ムンバイのロケ撮影では携帯電話が写らないようにするのが大変だったとか。

五章立てで、元々TVのミニシリーズとして企画されたそう。確かに、章別に分けて見た方が状況把握はしやすい。が、最後で再度“一石を投じる”この構成には映画として納得。

まず驚いたのは、ええ!インド警察がこんなマジメに仕事しとる!ってとこ。感動!(笑)

次に、あのナワさんが、こんないぢめられ役してたんか!ってとこ。でも、下っ端だけど映画をガイドする重要な役なんですよね。彼の驚くべき記憶力(笑)が、実行犯から見た事件の全体像をサラッとおさらいしてくれる。一度じゃ覚えられぬが問題なし。後で効いてくるから。

事件後、実行犯らの砂を噛むようにジリジリした潜伏日記が、焦りと人間味にあふれ惹き込まれる。ちゃんと映画的花火も上がる。個人的前半ベストは、豪足容疑者との「あれほど本気で走るのは五輪か警察の追跡」と言われる徹底チェイス。思わず苦笑が出るレベル。

後半ポイントは、バードシャー(皇帝の意)くんの憂鬱ロードムービー。インド各地を点々とするが、初めからゴールは予想ついてしまう哀しみ。演じたアディティアさん、最近では『スーパー30』が中々強烈だったが、本作の時から、真っ直ぐな存在感があったんだね。

捜査を指揮するラケーシュ副長官の抑えた葛藤も、ちゃんと要所に挟まれ効いている。実在の人物だけど、あの重圧は大変なものだったでしょう。バードシャーくんやマスコミへ放つ決め台詞に、頷くこと何度も。

監督の、対象への距離感を、かなり適切に感じます。だから最後まで面白く飽きない。所詮やっているコトは自業自得なのだけれど、その点はわかる、との共感視点を忘れない。

犯行の指揮者が、実行者を大切にしなかったコトが、綻びを大きくしたんですね。犯罪者にも愛が必要なのだと勉強になります(笑)。トカゲさん 切った尻尾に 追いかけられ。

が、主犯二名は現在も捕まっておらず、バックにかの国があった…とすることにイヤな説得力が。一方、終盤で自首したあの人は、2015年に処刑されたそうでうわ、不条理な明暗!

ガンディーの言葉「“目には目を”は世界を盲目にする」が引用され、その通りだと思うけれど、人間は神の創造物、とする信仰から離れぬ限り、宗教対立は延々と続くことでしょう。自分の神に背く物は破棄していい。ウクライナ侵攻を支持したロシア正教も根は同じかと。

古いせいか、映像はナゼか、懐かしのVHSレベル。が、それがマイナスにはならない映画。むしろ、このドキュメントタッチには、援護となっているのかも。

追いつ追われつ緊迫の中、心の落とし穴を節々開けながら、インドスパイスをしっかり効かせてあります。なかなか中身の詰まった映画体験でありました。

<2022.11.18記>
Baad

Baadの感想・評価

4.8
『ホテル・ムンバイ』をみた方は必見。11月18日に配信終了のインドのテロ映画の代表作の一つ。

インデンペンデンス映画界の巨匠、アヌラーグ・カシャプの出世作。

過去ログがありましたので再投稿します。
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インド映画272本目は最初のムンバイでの大規模テロの実録映画。

Netflixで早い時期に日本語化され配信されたもの、久しく見られなかったのですが、気がついたら新着映画として再配信されていました。その早い時期に日本語字幕付きで見ました。

インディーズ出身でスタイリッシュな映画を撮る名監督アヌラーグ・カシャップの初期の映画です。

1993年のムンバイ同時爆発事件についての原作もののセミドキュメンタリーで140分越えと長く、低予算でやや冗長ですが、ごく普通の住民の供述から組織的なテロが浮かび上がってくる過程が面白く、何故か何度も見たくなってしまいます。

ロケーションは予算の関係で実物使用、ゲリラ撮影が多用されているらしく、臨場感もかなりの物。

被害者の視点は少なく、ジャーナリストと加害者と捜査官目線。なので、普通の抵抗運動がテロに組織される過程は一見わかりやすく描かれてている。

最初はコミュナルな対立だったものが組織化され、結果コミュニティーを問わずインドでは今ではテロは忌むべきものという社会認識が出来ているらしいが、この事件はそれ以前の微妙な時代の話だけに生々しい。

これ見たら、貧しくて教育がないからテロに走る、という見方の愚かさがよくわかるとおもう。

低予算ながら、見るのに楽しいスタイリッシュさと、被写体への愛情が同時に感じられる今時だとあまりない撮り方。

インド映画のトップ100とか250には大抵含まれている必見の作品です。
撮られた時期の良さと、対象へのアプローチの良さが、今でも続く高評価の理由かな、と思いました。あと、背後にある国の影響を明白に描いたのもある層には受けるのかな?

映画の完成が2004年、公開予定が2005年だったものの裁判中だったので結審まで公開が差し止められ、2006年に公開。判決の多くは2007年に出ました。
その後一名を除き死刑判決は終身刑に変更。
その一名の死刑執行が2015年とのことです。

色々な意味で含みの多い映画なので、今でも見る価値はあるかと思いました。
(暴動からテロへ 2020/11/27記 一部訂正)

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付記:ドキュドラマなのに実名のまま映画を作っていることに関しては注意して見たほうが良いかもしれません。

この映画のテロの成り立ちの解釈は、その後多くの娯楽映画でも採用されていますが、バックにある国は名指しにしないのが礼儀、というのが暗黙の了解ようです。でも、それすらもこの映画では名前が出てますよね。

古い事件なので、実際の事件のデータにはなかなか辿り着かず気になって調べようとすると、結構もやもやします。
y

yの感想・評価

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いくつもの視点(証言)でストーリーが進んでいくので少し散漫。テロへの流れはよく分かる。

原因も結果も自分の信じる神様に委ねて、神様の意思を最優先させる思考や生き方。信仰を持たない自分にはなかなか理解できない。難しいし、不思議。自分で考えなくてもいいから楽かもとも思うけれど。
s0o0gle

s0o0gleの感想・評価

3.8
話としては良いんだけど、登場人物が多すぎて結構この人が誰で何したんだっけ?ってなる

結局誰が悪いのかよくわかんない感じにして終わらせてるのも上手だなって思った
natsumi

natsumiの感想・評価

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最近Netflixにアヌラーグ・カシャプ監督作品が一気に追加されてて嬉しい〜〜けどGangs of Wasseypurはなかった。実話を元にしてるけど、かなりドキュドラマっぽい。当時の事件を知る方にはかなり衝撃的だったらしいから歴史背景勉強して挑めば良かった。
ezu

ezuの感想・評価

3.7
キャリア初期のナワーズッディーン・シッディーキーが出ているからという下心で見るにはなかなかしんどい作品だった。
聴取シーンの見づらい真っ赤な画面はじめ、画面が示唆的で何かそういう意味があるんだろうなと思わせる。
レク

レクの感想・評価

3.6
"復讐は世界を盲目にする"
1993年に起きたボンベイ連続爆破事件を追う143分のセミドキュメンタリー映画。

ヒンドゥー教とイスラム教の2つのコミュニティの対立、警察とテロリスト、その中庸の視点から映し出すことで当時の背景と息の詰まる状況を窺い知ることができる。

同じくボンベイ(現ムンバイ)で実際に起こったテロ事件を描いた映画『ホテル・ムンバイ』のようなドラマチックなものは殆どなく、エンタメ性を排除したからこそ見えてくるインドのリアルな闇。
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