ロシアン・スナイパーの作品情報・感想・評価

ロシアン・スナイパー2015年製作の映画)

Bitva za Sevastopol

上映日:2015年10月31日

製作国:

上映時間:110分

3.3

あらすじ

1941年、ナチスドイツによるソ連侵攻が始まった。まだ大学生だったリュドミラは、非凡な射撃の才能を買われ、戦場に身を投じる。狙撃兵として次々と標的を仕留めるリュドミラは、やがて敵からは“死の女”と恐れられ、軍上層部には英雄として讃えられ、戦意高揚の道具として利用されてゆく。戦場で芽生えた恋、愛する人の死、そして新たな出逢い。その間も戦況は悪化し、10カ月におよぶ壮絶な攻防戦が開始された。

「ロシアン・スナイパー」に投稿された感想・評価

309人のナチを撃ち殺したソ連の女性スナイパー。それにしては地味な映画。厳格な軍人の父の下で育ち、大学に首席で合格するような秀才で、ルーズベルト夫人のお気に入りと話題に事欠かない主人公でありながらどうにも印象に残りづらい。ヒストリーチャンネルを見ているかのよう。上官や友人の兄貴の医者などとのロマンス要素もあるのだけれど素っ気ない。あまり女性性を強調しすぎず、男兵士と近い視線で見られるのは今の時代らしい映画かもしれないが第二次世界大戦ものとしてはやや物足りない。一応「死の女」として象徴化され除隊させられないことはあるものの。

興味深かったのは主人公以外にもソ連には女兵士が結構いること。女兵士の存在でYouTube動画が不評に見舞われたバトルフィールドの新作はソ連をメインにしていれば良かったのかもしれない。それでこの主人公、華々しい戦績を上げてて序盤ではほとんど表情を崩さない鉄の女でありながら体が大きい訳ではない。ルーズベルト夫人よりずっと背が低い。この意外性は男にもあって屈強な上官殿より臆病者と蔑まれる医者の方が頭一つデカい。実は見た目のマッチョイズムを否定しているのかもしれない。この平和主義の医者、好きな女を前線から退かせるために気骨のある姿を見せてて、英雄性は実は多くのファシストを殺した主人公より医者や友人の女性にあるのだと示す。そうして見ると印象も変わってきててなかなか深い所のある映画。
みかん

みかんの感想・評価

3.8
第二次世界大戦中、309人ものナチスドイツ兵を撃ち殺し、「死の女」と称された女性狙撃手の実話を基にした作品。

邦題がアメリカン・スナイパーのいかにも二番煎じなチープ感が出てしまってるのが勿体ないですが。。。
(原題は「セヴァストポリのために/セヴァストポリの戦い」みたいな感じになるようです。ちなみにセヴァストポリは戦略上の要衝でソ連軍はナチスドイツ軍にここの要塞に追い詰められて陥落されてしまいます。)

射撃競技の優秀な成績で一目置かれてたソ連の女子大生リュドミラ。

祖国ソ連のため狙撃兵として志願、戦場へ。

泥や血や涙にまみれながら、戦場での恋や別れ、戦争への憎しみや悲しみ、また人を撃ち殺し続けていくことを繰り返していくうちに、戦績を称賛されるのとはうらはらに心は辛さに耐えられなくなっていく。

セヴァストポリの危機から脱出後、戦場を離れたリュドミラのもとにホワイトハウスへの招待が届き、ルーズベルト大統領夫人と親交を深めていくことになる。

夫人と一緒に料理するシーンでは、フライパンを落とした音で砲弾を思い出し、とっさに包丁を構えてしまうなど、クールで309人も撃ち殺した英雄も、1人の普通の戦争で傷ついた女性である、ということが伝わってきてとても切なくなりました。

派手な戦闘シーンとか、スリル満点の命のやり取りとか、結ばれていく戦友との絆とか、いかにもなヒロイック戦争映画ではなく、淡々と時系列を交錯して語られる、恋愛ドラマ要素も入った作品でしたが、まず第二次世界大戦中にそんなすごい女性がいたんだ!というところから驚き、改めて戦争の悲惨さを知りました。
広野

広野の感想・評価

3.0
実在した女性スナイパーの話。
「硬質感のある美貌の持ち主」ってこういう人のことだろうなと、主役のユリア・ペレシルドを見てて思う。
ラブ多めで苦手という評価もあるけど、それもまた一面と思ったので私は好き。ロシアの厳しくも豊かな自然の中でスナイパーの任務をこなし、ひとりの女としても愛を見つけ…もう15分長くても観ていられた気がする。ロケ地がどこかは分からないけど。
すっ飛ばされた学生会議から終戦までの物語は、概要でいいから観たかった。
moco67

moco67の感想・評価

3.5
強く逞しい女性の物語。

こちらもプライム週末レンタルにて
飲みながら🍻観た作品。
これ邦題安直すぎない?
戦争の時代に生きた一人の女性の記録
戦争に翻弄されたと言ってもいい
平和だったら彼女にはもっと違う人生があった
英雄と見なされた人も一人の人間で
傷つきもするし悲しみもする
みんな去ってしまって
勲章ばかり手元に残り、心の傷は癒えない
szneco

sznecoの感想・評価

3.0
メドベージェワのエキシビションで知った。
祖国のため自ら才能差し出したパブリチェンコ。
笑うことも忘れ、極限状態を精神力で乗り越える女性スナイパー。
彼女を自身に重ね合わせたとすれば少し悲しい。
観ました。

彼女はなぜ狙撃兵として戦場へ行ったのか。
それは自分の意思なのか。
失ったものは多い。
生きがいとは?
私の人生にまた1人名を刻んだ。
リュドミラ・パヴリチェンコ
誰からも頼られるヒーローにも苦悩はある!

「死の女」や最強の女性スナイパーなどの肩書きは実際誇らしい物ではなく彼女がそのように呼ばれるまでには普通の人じゃ耐えれない悲しさを味わったのだと言うことを教えてくれた。

一般の学生からソ連の英雄と呼ばれるまで成長したリュドミラを演じた役者の演技には興味を惹かれた。

女性は強く、たくましいと教えてくれた1作。
Yukiko

Yukikoの感想・評価

4.3
2018年2月26日
『ロシアンスナイパー』 2016年ウクライナ・ロシア制作
監督、セルゲイ・モクリツキー。

リュドミラ・パヴリチェンコ
(1916年7月12日 ~ 1974年10月19日)
ソビエト連邦の女性軍人、狙撃手。
第二次世界大戦においてソビエト赤軍が登用した女性狙撃手
の中でも、309名射殺という飛び抜けた成績を残した史上
最高の女性スナイパー。
実在人物の映画である。

国立キエフ大学在学中の24歳、軍隊に入隊を希望し、優秀な
成績を修め、狙撃手としてオデッサ市の防衛の任務に就いた。
進攻するドイツ軍の前進を、その狙撃によって遅延させよ
との命令が下る。
その後、激戦の続くクリミア半島セヴァストポリに派遣された。
しかし、パヴリチェンコは砲撃により負傷、戦線を離脱する。
休養後、戦線復帰し、狙撃を続けるが、更に負傷。

そして、女子狙撃教育隊の教官に任命され、第2次世界大戦の
戦闘を離脱し、前線を離れる。
当時、同盟国になっていたアメリカに外交宣伝として行き、
ルーズベルト大統領夫人と親しくなる。


この映画で、冒頭にルーズベルト大統領夫人が車の中で
会話をし、親しい友人としてパヴリチェンコを紹介する
という話になっている。
そして過去に遡り、パヴリチェンコの話となるが、
随所、アメリカでのルーズベルト大統領夫人とパヴリチェンコ
の交流場面が間に挟まる。
過去と現代が時折行き来するが、チト煩わしくもあった。

ルーズベルト大統領夫人が、パヴリチェンコに「どんな時にも
笑顔よ」とアドバイスをした後、急に過去の映像になり、
パヴリチェンコが戦地のテントの中に飛び込んで来て、上官に
「3人撃ちました!」と満面の笑顔で報告する場面がある。

戦争なんだよね。
だから敵の人を殺すのは仕方ないのだけれど…

草や木や布でカムフラージュして、自分を無にし、ひたすら
狙撃のチャンスを探ってじっとしている場面は緊迫感大!!

上司とのほのかな愛、同僚との熱愛、友人の兄の静かな愛。

当時のソ連では、女子も戦争に従軍し、多くの女性狙撃手が
育ったとか。
しかし、大多数の方は亡くなり、2000人のスナイパーに対して
生き残ったのは500人とか。
ピョンチャン冬季オリンピック2018 フィギュアスケートエキシビションで、エフゲニア・メドベージェワ選手が演じた曲、Polina Gagarina が歌う Kukushka が心に残りました。映画『ロシアン・スナイパー』の歌とのことで観賞しました。劇中の印象的なシーンで流れます。第2次世界大戦中に309人ものナチス兵を倒したソ連の天才女性スナイパー、リュドミラ・パブリチェンコの実話を映画化した戦争ドラマ。
18才のメドベージェワ選手はどのような思いでオリンピックのエキシビションにこの曲を選曲したのだろうか。
123分の鑑賞後、そんなことを思いました。
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