砂の城の作品情報・感想・評価

「砂の城」に投稿された感想・評価

背のひょろりと高いニコラス・ホルトは身長190cm。それだけじゃない。『M.M. 怒りのデスロード』のウォーボーイズたちのひとりニュークスを見事に演じて印象に残ったけど、一見弱々しいけど内に秘めたものがあるなんていう、微妙な表情もこなす。

イラク戦争の帰還兵が脚本を書いた『砂の城』は、じっさいの出来事をもとにしているけれど、ニコラス・ホルトがうまいぐあいに感情移入先を提供してくれる。ぼくらは、学費稼ぎために止むを得ず入隊した新入りマット/ホルトとともに戦場に入り、逃げ出したくなる気持ちを共有しながらも、戦場の事件に翻弄されてゆく。

そう。兵士にとって戦場は訳のわからない「事件」の連続。銃撃シーンがそうだ。空気を切り裂く銃弾がキュンと跳ねるとき、狙撃手はどこにいるのかわからない。わからないままに身を隠し、わからないままに反撃しながら、相手を探す。そう、事件はとつぜんに、わけもなく、そこに立ち現れる。

マット/ホルトはその目撃者だが、物語の作者であり、スターであるという特権的な立場にあって、事件を目撃することになる。だから感情移入できる。ぼくらは勝ち馬に乗った時に、安心してくつろぎながら銃撃戦を楽しめるわけだ。けれども同時に、まわりで次々と、事件に巻き込まれて命を落とす仲間たちを目撃しなければならない。安心しながらの動揺。まさにベンヤミンが映画という芸術にみた機能。

みずからが壊した水道施設を、みずから修復し、みずから砂にしみこませた水を、みずから汲みだして運ばなければならない。まるでシジフォスの苦役。だからこそ「砂の城」というタイトル。それはまさに、組んでも組んでも砂漠に吸い取られている水は、作っても作っても崩れ落ちてゆく砂の城だってこと。

その水と砂に触れたかのような感覚こそが、この映画の映画的なくつろぎのなかの動揺の本質であり、この感覚から政治が始まる。それこそは、ベンヤミンが「感覚の学の政治化(美学の政治化)」と呼んだものなのではなかっただろうか。
リリコ

リリコの感想・評価

3.5

このレビューはネタバレを含みます

このクオリティーでオリジナル作品なんすか…Netflixすげー
wahe1zu493

wahe1zu493の感想・評価

3.0
やるせない。
Beautiful goddamn day.がすごく残る。
戦場はいつだって不条理だ。

水の供給を元通りにしに、イラク辺境の村落にやってきた米陸軍のとある歩兵部隊に困難に次ぐ困難が降りかかる。

なんと脚本は実際に派兵された本人が実体験に基づき執筆したようです。その主人公をニコラス・ホルトが演じているので、すでに出で立ちから苦労人らしさがビリビリ伝わってきます。途中から合流する特殊部隊の指揮官をヘンリー・カヴィルが演じています。今作では珍しく坊主頭で美味しい役になりきっています。

なんていうか装備が古いですね。戦争映画というよりは味のあるドキュメントドラマといった趣の作品に仕上がっています。
やるせない。気持ちが伝わってくる。

思いが晴らすことができない。
天気は晴れている。

まったくいい天気だ。
快晴の画はない。

今の自分のやるせない気持ちと同調して
熱くなるものがある。
戦争ものは苦手だけどニコラスホルト目当てに鑑賞。水運びという一見地味なミッションに、実話?と思ったけどそうでもない模様。メインはアメリカ兵だけど、敵にも両立というかアメリカアメリカしていなくて、オークルさんの素直さ?素朴さに好感。ただ戦争のやるせなさ、行き場のない怒り、非日常さを訴えてる映画。水がないと作れない砂の城、建てても建てても崩れる砂の城。タイトルがいいと思いました。それにしても戦争映画はどのシーンを見ても嫌な予感しかしない。(全部伏線に思える)
Shogo

Shogoの感想・評価

4.4
戦争が悪い、恐ろしい、というのは経験した人しかわからないのかなと。最後残ろうとするオークルにグッときた。
青の

青のの感想・評価

3.5
『ディア・ハンター』でのロシアンルーレット。
『地獄の黙示録』ならワルキューレの騎行。
あるいは『ジャーヘッド』での「お願いです一発だけ撃たせて下さい!」だったり。
『フルメタル・ジャケット』なら「パパのピーがシーツの染みになってママのピーに残って出来たカスがお前だ!」とか。
そして、リアルならばイラク兵の丸焦げ死体のそばでサムズアップ写真を撮る米兵とか。

共通しているのは
「俺こんなクソみたいなトコで何やってんだ」
なんて言っていたものが
「まだ帰りたくありません」
となってしまうこと。

戦争映画はいかにリアルであるかをその重きに置いているだろうが、今作も頑張っていると思う。
大作ではないが頑張っている。
ただ、やはり米兵達の徒労感と捨て駒な扱いを見てウンザリする。
そんな物を僕らは何故好んで見てしまうのか?


僕ら本当は戦争が好きなのかもしれない。
honoka

honokaの感想・評価

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単純な戦争映画じゃなくてぐっときた。
ヘンリー兄さんヒゲモジャすぎて気づかんかった(笑)
ひじい

ひじいの感想・評価

3.8
学費を稼ぐため、なんとなく入隊しイラク戦争に参加した主人公
わざと怪我をして帰ろうとするやる気のなさ。

あっさり手の怪我も治り与えられた任務は水運び。余裕だなとぶっこいていたが。。

砂漠をハンヴィーに護衛されたタンクローリーが走るシーンはあのマッドな映画に似ている。主人公も何やら「what a lovely day!!」とか言い出しそうな雰囲気。。。
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