最後の家族の作品情報・感想・評価

最後の家族2016年製作の映画)

OSTATNIA RODZINA/The Last Family

製作国:

上映時間:123分

3.9

「最後の家族」に投稿された感想・評価

Hayaki

Hayakiの感想・評価

4.0
キッチンを破壊した後の家族の会話
ベクシンスキーの作品がダークで凄く良い
トマシュの気持ちが痛いほど分かる
シーンがいくつもあった
かなり良い。そう何度も見返したくなる作品ではないが、きっと胸の内で何度も思い返す。

エキセントリックというか精神異常の息子トマシュだが映画や音楽、ラジオに向き合っている瞬間の心底燃え上がる様に彼を愛おしく思わずにはいられない。

あの絵を描く彼の裏にはこんな悲劇があった=確かに辛い人生だけどおかげであの芸術が生まれた みたいな語り口でないのが良かった。
普通にひとりの人間、ある家族のただの物語である。

母の死を妻に告げ、妻の死を息子に告げ、息子の死を告げる相手は居らず一人老いていくのみ。生前妻がベクシンスキに洗濯の仕方を教える場面がつらかった。


映画で見ても、ネットで情報を確認しても、なぜかあの酷い人生の終わり方の印象が薄い。思い返してやっと思い出す。というのもトマシュの死で鈍痛がピークに達してしまって以降が生温い灰色といった感じ。
芽

芽の感想・評価

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ポーランド映画祭にて鑑賞。
ベクシンスキは個人的に随分前からずっと好きな画家だったので、彼の数奇な人生について、より理解をこの映画で深められて良かった。家族ひとりひとりに訪れる死の描き方が非常に現実的で、人の死にゆく先に何もないのなら、生きるとはいったい何なのか、と考えてしまう作品です。
Solaris8

Solaris8の感想・評価

4.2
12/2 ポーランド映画祭でフィクション映画「最後の家族」を観た後に、ドキュメンタリー作品「ベクシンスキー家の人々」を観てきた。

映画は画家である主人公が、ポーランド南東部の田舎町のサノクから、無機質なワルシャワの鉄筋コンクリートの集合団地に引っ越しした時期から始まる。ワルシャワはショパンが生まれた美しい街だが、雨が降る共産主義時代のような冷たい街として描かれている。

主人公はアパートで絵を描き、最愛の妻は、寝たきりの義母や母を献身的に介護する。息子は別のアパートに暮らすが、鬱病で切れやすく自殺願望を持っていて、自立出来ない。その家族の結末を淡々と描く。

ベクシンスキーは少年時代にナチスドイツのポーランド侵攻を経験したそうで、絵画作品は退廃的で「終焉の画家」と呼ばれるが、温和で家庭的な人だった。趣味はビデオカメラで撮影するのが好きな人で、家族で写した動画が多く残っている。

主人公の幼少時代は、息子と同じく鬱病だったそうで、主人公と妻は、自立出来ない息子に理解を示しながら、辛抱強く、面倒を見ようとしている。

映画の中で、息子や妻との関係を中心にコミカルに家族関係を描いているが、歳を重ねるに従って、家族の一人一人が順送りで欠けていく。

ベクシンスキーの家族の義母、母が亡くなり、最愛の妻を亡くし、1999年のクリスマスイブに鬱病の息子が自殺する。家族を一人ずつ見送る毎に鉛色のワルシャワの墓地の回想シーンが描かれるが、あるがままに見送る主人公が不憫だった。

息子が自殺しようとした頃の2000年をミレニアムと呼んだが鏡に写った物言わぬベクシンスキーが、世紀末思想を受け入れていたように思ってしまう。

最期は、映画「愚行録」の様な衝撃の滅多刺しのシーンで映画は終わってしまう。真実は小説よりも奇なりと云うが、ベクシンスキーの人生ほど映画らしい映画はないように思えた。
家族の死を重く捉えていないのが新鮮でよかった。
「飯できたぞー」ぐらいのテンションで「母さんが死んだぞー」って言ってたのが印象的。ヤバすぎだろ 笑

生きてる意味について息子と母親が話してるところもめちゃくちゃ良かった。

@ポーランド映画祭

このレビューはネタバレを含みます

ひとことで言うと悲喜劇。
ベクシンスキー画集の解説文にベクシンスキーの絵画は遠い未来を描いてる~とあったのですが、ベクシンスキーの絵は科学が進み過ぎて人工生命や人工知能による第三次大戦・第四次大戦後の遠未来の風景で、明らかに突然変異種の生物のミイラや雲つくような巨人の死体、半分生物のような戦車や爆撃機等々、生物・細菌兵器による壊滅的な最終戦争が起きて全ての文明が滅び去った後の静寂。

同じ様に闇の世界を描く画家としてギーガーが「暗黒の宇宙」だとするとベクシンスキーは「暗黒の未来」

『darkstar・HRギーガーの世界』で見たギーガーの晩年(今思うと)の生活は自らの作品で埋めつくされた「ギーガーハウス」でまるで隠者か魔術師の様に黒づくめの格好で奥さんや多くのファンたちに囲まれ、また創作に没頭にする幸せなモノだったのに対して『最後の家族』に見るベクシンスキーの晩年は同じ世界的・天才的アーティストながら何故こんなにも違うのだろうと思うほど辛いものでした。

浮世離れした異界の住人の様なギーガーと、見た目は普通の勤め人・家庭人にしか見えないベクシンスキー。

妻の死と長年鬱病に苦しんだ息子の自殺、そして自分も長年パトロンだった友人の息子に金を無心(それも日本円でたった1万だとか)され断った為に全身滅多刺しにされて殺されると言う信じ難い最後。

しかしそこに至るまでの日々が何処かのほほんとしていて、ベクシンスキーの描く異界、家族との日常、やがて訪れる悲劇が三位一体となり何とも言えない不思議な空気を醸し出していました。

東京都写真美術館、ポーランド映画祭にて。
ポーランド映画祭@広島市映像文化ライブラリー

終焉の画家ベクシンスキーとその家族の物語。(1975年~2005年頃のポーランドでの話)

この人物について何も知らずに観たので、ラストとか「納得いかねぇ~」って感じだったんですけど、ほとんど実話なんですってね。これが伝記映画だったってこと、帰ってから気付きました。

あとあの鬱病の一人息子役を演じてた俳優、「イーダ」「幸せのありか」のダヴィド・オグロドニクだったなんて!おととしのオレ旬主演男優賞に選ばせてもらった俳優なのに、それにも気が付かなかった。一体何を観てきたんだ俺は…
ポーランド映画祭にて

上映前にポーランドやベクシンスキについてある程度の紹介があったので難はなく観れた。それがないと理解が難しいかも。

生活風景が淡々と描かれているため妙にリアリティがあり、1人ずつ家族が減っていく切なさに迫られた。
ただ、その描写があまりに淡々としすぎていてこういった映画に不慣れな僕には少々キツかった。
有酸素

有酸素の感想・評価

3.7
「終焉の画家」ズジスワフ・ベクシンスキー。画家としてより家族の一員としての彼とその家族の当たり前の日常が少しずつ消えゆく物悲しさ。移りゆく時代が進化する電子機器で表される。ポーランド映画祭2016
いち麦

いち麦の感想・評価

4.0
ポーランド映画祭2016にて鑑賞。
個性的な作風の画家一家の実話ベース。集合団地の別室に離れて暮らす息子。殆どが圧迫感すら感じさせる閉鎖的な室内シーン。家族の関係を録画し続ける奇妙な姿。家族が徐々に“衰弱”していく様が痛々しい。
D.オグロドニクが、自閉的で精神を病んだ難しい役処のトマシュを不思議な愛おしさまで誘う味のあるキャラクターとして魅せる…素晴らしい演技に拍手。
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