フルスタリョフ、車を!の作品情報・感想・評価

「フルスタリョフ、車を!」に投稿された感想・評価

K2

K2の感想・評価

4.8
"外国人がカマられた!"

出処の分からないエネルギーで混沌さと闇の深さを極め、その中に真髄を魅せてくるロシア名画の代表作。

当時カンヌ審査委員長だったM.スコセッシ<「何が何だかわからないが、すごいパワーだ」
MAAI

MAAIの感想・評価

5.0
異様な傑作。スターリン死亡前夜の狂乱と死後の荒涼、といった感じ。

このレビューはネタバレを含みます

こんな途方もない前衛映画を国家規模で作るロシアという国はいったい何なのだろうか。

『神々のたそがれ』もそうだったけどアレクセイ・ゲルマンの映画が白黒じゃないと全く機能しないというのがよく分かるし、大量の脇役、エキストラの使い方は前人未到の領域だと思う。アメリカや日本とは格段にレベルが違う。

こういう大作をハリウッドでやったら『タイタニック』とか『クレオパトラ』みたいになるのに、ほとんど真逆の方向性に向かってしまうのがロシア映画の凄さだと思う。

結局、金持ちのスターリンもどきの主人公(罪なきユダヤ人)は最後には本物のスターリン=国家権力に利用され追放される。ラストで主人公を乗せた機関車が走っていく無常観たるやこの世のものとは思えない。ここに来て人類史が全て帳消しになるという決定的瞬間(暗澹たるもの)が映されているようでキツい。
私は一体何を見せられているのだろうという得体の知れない強烈さ。
これでもかと画面のあらゆる部分が動きまくっててそれは気持ちいい。でも140分間集中力は持たせることはできなかった。
この作品を最初に見たときは映画に意味を求めていたため結局何がしたかったのかわからず二時間半が空虚に思えたのだけど、映像を純粋に楽しむようになった今となってはなんとも愚かしい見方だったのかと我ながら呆れてしまう

これはタル・ベーラの作品にも言えることだが、とにかく白黒映像の魔力がただただ凄まじく、加えてこの作品は登場人物も怒り狂ったりおかしな言動をする者ばかりで理解の余地がほとんどないのだけど、理解しようとせずただ身を委ねて感じれば、これほど強烈なものはない

映像が魅力的な作品は、時折もう一度見たくてたまらない禁断症状に襲われがちだが、この作品はまさにそうで劇薬的映像表現は何度見ても刺激的だしその度映像のやばさに戦慄すら覚えてしまう

とにかく映像全振りで麻薬的中毒性のあるこの衝撃の作品は間違いなくアレクセイ・ゲルマンの最高傑作で、カンヌで審査員を務めたスコセッシもその凄さに圧倒されたらしいが、その癖何も賞を与えなかったのには異議を唱えたく、アンゲロプロスやクロードミレールはともかくヴィンターベアやジョン・ブアマンよりこの世紀の傑作に何かしらの賞を与えた方が有意義だったのではないかも小一時間問い詰めたい
ち

ちの感想・評価

4.9
人物は絶えずまくし立て、発狂し、怒号と罵声と唾を吐き捨てる。暴力は留まることを知らず、カメラは箍が外れたかのように揺れ動く。映像の暴力を前に、我々はただ、どうにか画面に食らいつこうとする。映画の地獄は確かにここにある。20世紀を清算せんとする映画的試みの結実を観た、というより観てしまった。
レンタルDVD
画面に映っているものか、カメラは絶えず動いているが、何が起きているのかわからない。画面に映っている人物が誰なのかもわからなければ、いつ作られた映画なのかもわからないが、時々、ガバっと傘が開く。
極端に劇伴の少ない映画なんだけど、唾を吐くやつや咳をしてるやつが大量に配置されてるのは、おそらくヒューマンビートボックスのつもりだな。喧騒の中に生まれたリズムみたいなものがあるから、字幕を追ったところで何を喋ってるのかもわからないが、生理的な心地良さが残るんじゃないか。
ウエダ

ウエダの感想・評価

4.4
頭のおかしいロシア人がハチャメチャやってるってだけでもう面白い。変態。
カメラ手前の芝居とアホみたいな長回し、全てはタイミングの連鎖。絵も人も猥雑である事の力強さが最期まで生きてる。ロシアンジョークのおカマ掘られは爆笑。
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