最後の手助け
遠回りも悪くないと教えてくれる一作。
終始無音で、ささやかな会話と日常の景色が繰り返される。
表情の変化が乏しい主人公。ただ、意思は固い。
彼は、翌朝6時に自分の様子を確認してくれる…
穴で自分が死んだか他者に見に来てもらって、死んでいなかったら穴から引き上げるように、死んでいたら自分に砂をかけるように、依頼する主人公。
これはけっこう自分本位の依頼で、最初の青年に対する態度もけ…
主人公を始めとして登場人物のバックグラウンドや自殺するにあたってのいきさつがほとんど明かされず、読後感含めこちらに委ねられている感じが心地よかった。
ホマユン・エルシャディの怪演によって死にたい人の…
表情も話す内容もヤバい奴で人間味がないんだけど、爺さんとの出会いで人間らしさが滲み出てくるのが、この映画のテーマとマッチしてくる。
バディはもはや、究極のかまってちゃんまでもある。
話だけで繰り広…
夕日が沈みゆくあのシーンの余韻が良い。
雲の隙間から覗く丸いお月様の演出がとても良い。
最後に車に乗せたおじいさんの話が
じんわりと心に響く。
自殺をとめるというよりも
世界の美しさを語る。そんな…
(C)1997 Abbas Kiarostami