手錠のまゝの脱獄の作品情報・感想・評価

「手錠のまゝの脱獄」に投稿された感想・評価

ニューヨーク派の第一人者であるスタンリー・クレイマー監督らしいアメリカ批評精神に満ちた風刺劇の傑作。

一種のロードムービーであり、脱獄した囚人二人の世界体験を通して語られる「欺瞞に満ちたアメリカ旅行」とも解釈出来る作品。

エンターテイメント性も忘れておらず度々登場する白人層の病的なまでにアメリカ的な価値基準に思わず哄笑を呼ぶ場面も多いが、結果的に黒人と白人の肌の違いを超えた友情に持ち込む辺りがこの監督の非凡さの一つでもある。

当時右傾化していたアメリカにメスを入れ若干シニカルな視点で紡いだ脱獄ものの逸品だと思う。
汗と泥で臭そうな絵面がgood 逃避行ものはこうでなくちゃならない。
ボーイズラブ嗜好者にはたまらない展開だろう。
これ自体も面白かったが、邦訳的作品だった『網走番外地』の列車シーンが石井輝男オリジナルだったことに感服。
人種差別の社会派ドラマとしての先駆者的存在の映画で、アメリカの公民権運動よりもずっと前に作られた映画。簡単に言うと、まだアメリカでは公然と人種差別が当たり前だった時代に作られた映画なので、今にして思えば実はすごい映画だったりする。
そして、白人と黒人が手錠でいっしょに行動を共にする姿は、完全に現代のアメリカ社会そのもので、作者からの強烈なメッセージが伝わってくる。ドラマ自体は古臭くなっているかもしれないけど、この映画は時代が進むにつれてどんどん鑑賞する価値が高くなっている。
そして観る者を煽らせる撮影技術のレベルの高さにセンスの良さ、そして脱走犯2人の演技力も見ものですよ。
いいドラマでした。胸糞だけど、どこにも行けない運命を負った、虐げられていた女性像ということか。手錠というモチーフを活かしたラストシーンは泣ける。
柿ピー

柿ピーの感想・評価

3.7
手錠。外したいのに外せない。罵り合い、差別、ケンカ。離れたいのに取れない手錠。逃避行の中で少しずつ気持ちが通い合い、何度も助けられる。とにかく助け合わなきゃならない状況だ。
では制約がなくなったときどうする?ある意味人生という旅にも通じる話。後半カレンの「手錠でつながってる!」のセリフがいい!見てみてください。
しかしこういう場面で現れる女性ってどうして邪魔くさく感じるんだろう。突如つまらなくなる。が、今回の話の運びは良かった(笑)
最後については言えないが、ラストシーンみてたら、逆の細かいことが気になってしまう。監獄や閉鎖的な集団でのリンチ、暴行はホントなくなって欲しいと思った。また感動とかハッピーな場面あっても、2人は犯罪者であること、被害者がいることがつい頭をよぎり、手放しで共感できない。でもいいたいことは伝わってきた。かなり人生に置き換えて考えられそう。良い映画だった。
さぼ

さぼの感想・評価

3.6
ちょっとした台詞、僅かな態度から黒人への差別が滲み出る。それが当時の日常だったんだろうけども。
今の感覚で観たら、ビリーの母が最悪な人間に見えるだろうけど、多分彼女みたいな人間は、掃いて捨てるほどいたんだろうな。

この映画を一回観て、『私はあなたの二グロではない』を観て、もう一回観る、というのをしたかった。
21世紀を生きている自分の視点は、大分白人に近いんだろうということが突き刺さる。
シナチQ

シナチQの感想・評価

4.3
二人三腕も相当大変なもの…でも囚人護送するなら足錠も着けとかんとね。
スタンリークレイマー監督にハズレなし!これ、暴力脱獄とかミッドナイトランの脱獄物、友情物の先駆け。黒人と白人の囚人が手錠で繋がれたまま脱獄。その間に出会う様様な人間。追う側、追われる側のキャラが人間臭い。シドニーポワチエ、トニーカーティスの対照的なキャラ。アクションも本人たちが命懸けで演じている。さりげなく人種差別が浮かび上がる脚本が本当に良く出来ている!重くなりそうな題材なのに軽快ですらある。ワンカットでリンチから庇う村人の過去が描かれる秀逸な演出。名作。

このレビューはネタバレを含みます

線路で鉄の鎖を切るのはこれかな?
そう思ったが違った。
当該プロットは「網走番外地」と「続・夕陽のガンマン」にあった。
あともうひとつ「ミッドナイトラン」にもあるようだ。昔みたので、内容覚えてない。もう一度見たい。
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