ジョアン・ジルベルトを探しての作品情報・感想・評価(ネタバレなし)

ジョアン・ジルベルトを探して2018年製作の映画)

Where Are You, João Gilberto?

上映日:2019年08月24日

製作国:

上映時間:111分

3.4

あらすじ

「ジョアン・ジルベルトを探して」に投稿された感想・評価

MM

MMの感想・評価

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ボサノヴァの創始者”ジョアン・ジルベルト”その人を探す旅に出るドキュメンタリー風の映画。

神戸アートビレッジセンターで上映されてたので観に行こうと思ってたんだけど、結局見逃してしまったのでDVDを購入した。

僕にとって、Bossa Novaという音楽はジョアン・ジルベルトとアントニオ・カルロス・ジョビン二人のことだと思っているんだけれど、特にジョアン・ジルベルトは表現者として惹かれるものがある。

とにかく「独り」なのだ。

基本的にギター一本で弾き語るスタイル。
最小限に研ぎ澄まされた表現。
しかしそこにはとてつもなく広い世界が広がっていて、とても豊かなリズムやメロディが溢れている。
それとポルトガル語なので歌詞はわからないんだけれど、聴いてるだけで詩情に溢れた詩が紡がれている(気がしている)。
特に祖国ブラジルのことを歌っている歌が多いのは、日本に住んでいる自分からすると、羨ましいなと思う。
(日本で日本のことを歌うって、なんか右よりな感じになっちゃうのが不自然。そういう意味でも清志郎が「君が代」歌ったり、HISで「日本の人」という歌を書いたりするのは愛があるなと感じる)

ジョビンは作曲家として偉大。数々の名曲を世に放っている彼だが、あまり目立たない、ちょっと暗い楽曲が結構ある。
その暗さが凄まじくて、人生の底を知り尽くしているかのような凄みがあるの。
これはこれで、じっくりと検証してみたいところではある。

学生時代に作品を作りながら(特に美術作品は一人で作ることが多いので)、一人で表現することについて考えを巡らせていた時期がある。

音楽では、クラシックではラヴェルやドビュッシーのピアノソロの曲を聴き漁ったり、ジャズでもセロニアス・モンクのソロピアノとかよく聴いてた。
他にも落語も一人で作る表現だし、文学もそうだな。
そういう一人で作る表現にこだわって観ていた時期があるんだけれど、その中でもジョアン・ジルベルトの存在は自分の中でかなり大きいものだった。

自分は一人で何ができるんだろう?と不安になる時、こういった先達の仕事を心の糧にしている。

残念ながら、この映画の公開前にそのジョアンは亡くなってしまったんだけれど、神話として語り継がれることになるのかな〜なんて…。

一度、生で観たかったな。
ボサノヴァの神様と呼ばれるジョアン・ジルベルトを追うドキュメンタリー。
観る前は、本人インタビューのある音楽映画みたいに思ってたんだけど、予想外に推理小説みたいな展開があって引きこまれた。
ライブ映像も流れて、実際に聞いてみたかったな〜と思うけど、亡くなってしまったからもう生では聞けないなあ。
この映画を観ると、彼がどんな人だったのか、謎めいてる部分も含めて人間的な魅力がグッと身近に迫ってくる。
もっと知りたくなるな〜。
xyuchanx

xyuchanxの感想・評価

3.4
彼を理解できると思うな。

1957年、その男は居候していた姉の家のバスルームで、ギター1本と自らの歌だけで成立するミニマルかつポータブルな音楽を産み出した。

サンバのリズムと繊細なコードワークをギターだけで紡ぎだすバチーダを発明しボサノバを作りだした男、ジョアン・ジウベルト。2008年以降、表舞台には一切現れず隠遁生活を続けている。

あの伝説の来日公演で、観客たちが"まさかお亡くなりになったのでは?"とザワついたステージ上での瞑想シーンが忘れられない。僕もひょっとして?って思ったもんな😁


この映画は、原作本を書き終えてすぐ40歳で亡くなったドイツ人作家マーク・フィッシャーの足跡をたどり、彼と同じようにジョアンを探しさまようストーリー。

旧知のミュージシャン達も、もう45年会ってないとか、15年無駄にしたとかのたまう。元嫁のミウシャや、床屋、料理人たちも彼の居所については口を固く閉ざし、協力的に見えつつも、取り次ごうとはしない。

ジョアンは元来、マイペースで偏屈な人間であり、あの呟くような歌い方は大衆にウケるものではなかったはずだが、アントニオ・カルロス・ジョビンとヴィニシウス・ヂ・モライスとの出会いにも恵まれ、1958年「Chega De Saudade」で世界にボサノバ=”新しい潮流”を発信する。バスルームからほぼ世界に直結である。

歌姫アストラッド・ジルベルトとの結婚、スタン・ゲッツとの共演、劇中でも元嫁ミウシャと、娘ベベウ・ジルベルト、ジョアン・ドナート、ホベルト・メネスカル、ジョアン・ボスコ、カルロス・リラ、マルコス・ヴァーリまでが登場し、彼らの家などでジョアンとの繋がりを語ってくれている。ミュージシャンたちの家、とくにメネスカルの家がとても素敵でしたね。

ヴィニシウスとジョビンが隣同士の墓にはいってるなんて。そしてなんとあの日本ツアーも人づての手紙で実現したのだそうな。

あの電話、ホテルの部屋の前、なんとも煮えきらないのだけど、花のない主人公の薄い存在感もオツなもの😁


”果たせなかった想いが付き纏って離れない”

———

代表曲:
・想いあふれて / Chega De Saudade
・イパネマの娘 / The Girl From Ipanema
・デサフィナード / Desafinado
・フェリシダーヂ / A Felicidade
・静かな夜 / Corcovado

アルバムではダイレクトに彼の魅力が味わえる全編ギター弾き語りの「João voz e violão」がオススメ。2000年、カエターノ・ヴェローゾのプロデュース。

なお、この作品はボサノバを体系的に知れる内容にはなっていないので、ちゃんと当時の時代背景やボサノバの事も知りたいのであれば、この辺りの映画から見るほうが良いかもしれません。

「This is BOSSANOVA」
「ヴィニシウス 愛とボサノヴァの日々」
「アントニオ・カルロス・ジョビン 素晴らしきボサノヴァの世界」


Saudade
Ken

Kenの感想・評価

3.5
イパネマ・レブロン・コパカバーナが、リオが、ブラジルが懐かしい!!

嗚呼これが所謂 Saudade!!
ワンコ

ワンコの感想・評価

4.3
マーク・フィッシャーをたどる
映画が進むうち、この人は、ジョアン・ジルベルトに会う方法を探りながらも、実は、マーク・フィッシャーのたどった足跡を感じたいのではないかと思ってしまう。

ジョアン・ジルベルトに本当に会ったらどうなるだろうかと逡巡するあたりも、マーク・フィッシャーと同じようだ。

ジョアン・ジルベルトのボサノヴァはとても心地よい。映画に出てくるブラジル人たちが口ずさんでも、何か優しい感じだ。

劇中のボサノヴァを聴きながらも、やはり、何かを求めて、自分の前から、ふと消えてしまった友人を想い、そして、探しているように感じてしまう。
どこか、村上春樹さんの小説を読んでるような感じに近いかもしれない。

そういえば、先月、「スタン・ゲッツー音楽を生きるー」 ドナルド・L・マギン(著)という本が出版された。訳は村上春樹さん。タモリさんもネットで寄稿を寄せています。
スタン・ゲッツは、劇中でも紹介されるアルバム「ゲッツ/ジルベルト」をジョアン・ジルベルトと制作した世界的なジャズ テナー奏者。
ホバララは入ってないけど、ダウンロード出来るので、興味のある人は聴きてみて下さい、

ところで、ボサノヴァは、動物に例えると何?って質問が気になってるんですが、鳥ですか?
当然、魚ではないと思うけど…、ツグミかあ?
自分のイマジネーション力の無さに、ちょっと嫌気がさす(笑)。
ジョアンジルベルトの歌とブラジルの街の景色を眺めてるだけで充分。

狭いバスルームで練習するのを好んだ。そして問題をすり替えるのが得意というエピソードが印象に残った。

2004年?国際フォーラムで演奏を観た時はよくわかっていなかったが、ますます分からない笑
gori3

gori3の感想・評価

3.5
ボサノヴァの始祖を探し求めるドキュメンタリー。1ジャンルを築き上げる人はやはり普通ではないのだなとひしひしと感じさせられた。完全に変人…のように思えるが、それだけではないのだろうなぁ(;´д`)恐るべき人たらし。
oka

okaの感想・評価

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彼の日本公演には二度行くことができてとても嬉しかったのですが、いかにも社交的でなさそうだったり、エアコンが嫌いだったり、そんな人がどうして遠い外国でのコンサートなんていうことに同意したのかと思っていたら、当時70代だった彼と年の離れたファンの女性との間にお子さんが生まれていたというニュースをきいて、それで挑戦的なことをするような前向きな気持ちになったんだろうなと勝手に納得していたのですが。
この映画で十数年ぶりに彼の消息をきいてみたら、ほぼ引きこもりのような生活になってしまっていて、胸が痛くなりました。

映画は、彼に会いたくてブラジルの街を彷徨った挙句会えず、そのことを本に書きながらも出版直前に自殺してしまったドイツ人青年と、その本を手掛かりに映画を作ったフランス人監督の物語で、探せどもジョアンに近づいてるのかどうかも分からないし、劇中の言語も英語、フランス語、ポルトガル語が飛び交い、何もかもが混沌としてる中でぼんやりとしたラストを迎え、ジョアンジルベルトという人はほんとにいたんだろうかとすら思わされるような感じでした。
少し前に彼の訃報をきいていたので、そのことが却って彼の存在感を強くさせていたのがなんとも不思議でした…
桜坂劇場(¥900)月曜会員クラブ料金
You Tubeで、どんな曲が有名なのか予習。あまり、音楽に興味を持たない生活を送ってきた代償…。あー、聞こえてきた曲や頭の片隅にある曲。ちょうど沖縄に行く予定ができ、今日迄東京で見送っていた映画。
桜坂劇場は、上映前のマナー放映が無いのがある意味新鮮。終始、ビニール袋ガサゴソする人もいるし、映画終わっても爆睡している人もいた!まあ、本人を探す旅で、結局会えずじまいの展開だしなー。
でも、それがボサノヴァのほんわかした曲が何でもありっていう感じを醸し出す。
享年2019年7月6日、御冥福をお祈り致します。
日本で、一度だけ、ジョアン・ジルベルトの演奏を聴いたことがある。確か9月だったと思うが、まだ外気に暑さは残っているにもかかわらず、会場の冷房は、ジョアンの要望により切られていた。1時間半近く遅れて始まった演奏は、素晴らしいものであったが、途中20分ほど、ジョアンが固まってしまった。沈黙だけが支配する会場。ジョアンは眠っているのか、少しも動かない。その後、また演奏は再開されたが、やはり伝説通りの不思議な人間であることは、そのコンサートでも十分にうかがい知れた。

この作品は、このジョアン・ジルベルトを追ったドキュメンタリーだ。とは言っても、ジョアンにカメラが向けられるわけではない。2018年のリオでのコンサート以来、人前に姿を現すことがなくなった、彼を追いかけたドイツ人ジャーナリストの軌跡を追ったものだ。なぜジョアンでなくて、彼なのかといえば、彼、マーク・フィッシャーは、姿を消したジョアンを追いかけ(ついに会うことは叶わなかった)、その顛末を綴った著書を出版の直前、自ら命を絶ったのだ。監督のジョルジュ・ガショは、フィッシャーの著書を基に、彼がジョアン・ジルベルトを追いかけた軌跡を辿る。ジョアンの有力な関係者にまで会うが、果たして彼に会えるのか。そんなスリリングな興味とともに、冒頭の謎めいたホテルのドアのシーンが浮かび上がる。

もちろん、その間に、ジョアン・ジルベルの音楽の成り立ちや彼の生き方にまで、多くの関係者の証言で迫っていく。本人を追いかけたドキュメンタリーではないのだが、結果として、対象へと迫っていく手法は、なかなか巧みと言わざるを得ない。ボサノバの生まれたブラジルの風景なども楽しみながら、ジョアン探しの旅はなかなか楽しい。
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