これは君の闘争だのネタバレレビュー・内容・結末

「これは君の闘争だ」に投稿されたネタバレ・内容・結末

ブラジルで起きていた学生運動の事も、そもそも、保守やリベラル等の言葉もしっかり理解出来ていない自分だけれど、当事者である3名によって語られる闘争は、熱量があり、映像のインパクトも凄かった。

政治は、どちらかに激しく傾くと揺り戻しが起こる事は歴史を見ても分かるけれど、それでもいつまで同じ事を繰り返すのか…と言うマルセラの言葉は重かったな。。

自分はどこまでも人任せな人間なので、彼らのような行動を起こせる気は正直しないけれど、何も知らないままでいるよりも、少しでも知る事が出来たのは良かった。

デモ活動とヒップホップ音楽の相性の良さを知った。
学生運動の話です。運動はざっくり三つに分けられます。①バスの賃上げ反対。②公立高校の閉鎖反対。③給食費の不正利用とか教育費の凍結とか。(この辺よく把握できませんでした)
①で彼らはデモ行進などで勝利を収めます。
②で彼らは学校の占拠や道路の封鎖で勝利を収めます。(マジで車道を封鎖します。封鎖のバリケードの間を通るバイクや自動車がいます。「仕事に行かせて!」と訴えるマダムもいます。彼らは必死で頑張っているのは分かるのですが「邪魔!」と思う大人たちの気持ちも正直分かります。しかし「邪魔!」と思わせることが彼らの狙いでした。詳しくは本編で)
③で政府は彼らに対し強硬手段に出ました。占拠している学校に押入り生徒たちを無理矢理引き摺り出したりします。①のときから催涙弾を打ちまくっていた軍警察でしたが、③ではより一層暴力的になったようです。
彼らの運動は順調に行っているように見えましたが、最終的に極右の人が大統領に当選して映画は終わります。現在ブラジルはどうなっているのでしょう。バスの賃上げや公立高校の閉鎖は今どうなっているのでしょう。
映画としては面白かったと思います。深刻なノリは少なく、失礼な話かもしれませんが学祭のように楽しげにすら見えました。
かつての日本の学生運動もこれくらいの規模だったのかなぁとぼんやり考えます。
2021年12月 イメージフォーラム

・ブラジル。バスの運賃値上げへの反対運動からはじまり、公立高校の予算削減から廃校への抵抗闘争を追ったドキュメンタリー映画。
・今作、印象的なのがサンプリング的な手法である。運賃の値上げ、公立高校の廃校。全く違う問題に見えて実は一続きの出来事に対し高校生たち手動に行われてきた反対運動を、今作は三人の人物のマイクリレー形式で視点を変えながら話していく。性別や人種、所属する団体など異なる三人が同じ活動について語ることは、それぞれのアイデンティティ的な視点から活動を見ることであって、同じ出来事であっても、視点が変わるごとに時間が何度もPLAY BACKされ、異なる視点からの証言が出てくる。時系列を動かし、スマホで撮影された映像やニュース映像、様々な形での映像を組み合わせた今作のサンプリング的な感覚が印象的であった。
・デモの中に音楽や詩、ダンスなどのユースカルチャーが含まれた活動自体がサンプリング的な感覚で繋がれることはとてもカッコ良いのだが、今作がサンプリングな事は、この作品を誰かの視点から描いた物語としてでは無く、様々なアイデンティティ、事情を抱えて暮らす人々の群像として、立場が違う人々がひとつの不正義に対し共闘して行ったものだとしてこれを描いている。結果として、反対運動に関わる様々なスタンスを見ることができるため、よりスクリーンの前にいる自分のスタンスとして反対運動、それが戦っている公共の市場化と向き合う感じになる。
・占拠した学校の中での共同生活が、ひとつの民主主義の在り方の模索になっているのが面白い。そこでの多様性の実践みたいな感じがとても印象に残った。
・冒頭、機動隊に頭を殴られ意識不明になった女性の映像が差し込まれる。その血を流した少女と回りに集まる生徒達の姿がショッキングであると同時に、救急車が到着するまでの実際の時間の長さが映画の長さの中にも組み込まれる。リアルに彼らが対峙している暴力のキツさが感じられる作品でもあった。
三人の高校生の語りをベースに当時の映像が流れます。警察は子供にも容赦なく暴力を振るい、先生は「私の仕事を取り上げないで」と学校を占拠する子供たちを非難します。彼らは学校を守るため、自らの権利を守るために、一瞬の油断も許さないデモを道路上で行い、時には逮捕され、時には救急車で運ばれます。とにかく熱い。画面越しに温度が感じられました。
デモの最中、仲間内で士気高揚のために鳴らされた太鼓に「催涙弾かと思った(うろ覚え)」との場面がありますが、彼らは楽器の音色を聴く以上に催涙弾の音を聞いているのだと思い知りました。

個人的な感想としては、大人は何も守ってくれない、私たちも戦うしかない、幸せな世界は待っているだけでは与えられないのだという感情が頭で渦巻き、エンドロールでは呆然としていました。

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