最前線の作品情報・感想・評価

「最前線」に投稿された感想・評価

Gierck

Gierckの感想・評価

4.8
1957年アンソニー・マン作品。
本作においてもアンソニー・マンのシンボルでもある山を目指すという構造は変わらず、聳え立つ山の前に人物が対峙する印象的なショットがたびたび見られる上、最終的には下にいる方が勝つところも同じである。
必然的に山を目指して歩くことと停滞を繰り返すのであるが、アンソニー・マンの特徴でもある足を使った感情表現も本作でも際立っており、疲れきってぞろぞろと歩く足、地雷を警戒して緊張感を帯びた足、暗殺されるときの死を暗示する足などがそれにあたる。
また、疲れきった兵士がだらしなく座っているところを、ゆっくりと舐めますように動めくカメラが素晴らしく、あたかもジョセフ・ロージーのようでもあり、アンソニー・マンの新境地といえるショットであるように思う。
ことによるとアンソニー・マンの最高傑作と言えるかもしれない。
なんか昔ビデオの帯に「あの『プラトーン』を超えるリアリズム戦争映画!」なんていうキャッチコピーが書いてあって期待して観たのだが、到って普通の出来栄えだと感じた。😔
監督はアンソニー・マン。

主演したロバート・ライアンのカリスマ性が際立っている以外は特に見せ場に乏しい抑揚のない演出である。暇潰しに見るには丁度良い感じだけど。監督にとってもやっつけ仕事みたいな雰囲気が濃厚で、凄い傑作とはお世辞にも言えない。
蓮實重彦が絶賛しなければ誰からも見捨てられているB級ムービーでしかない。決して退屈はしなかったが。

斜面をあらゆる角度から撮った俯瞰映像とかそういう映像面での評価は出来たとしても、いかんせん内容が淡白なので特に印象に残らない作品。完成度の点でもアルドリッチの『攻撃』やキューブリックの『突撃』とは雲泥の差だったのが残念無念。😔
dude

dudeの感想・評価

3.8
進むにつれて身体の麻痺?が治っていくロバート・キースが異質。
アンソニー・マン監督作品。
1950年朝鮮戦争。味方軍が撤退し、ロバート・ライアン演じるベンスン中尉の部隊も、味方軍がいる456高地に撤退しようとするが・・・という話。

撤退していくのを割とたんたんと見せる。終盤の銃撃戦までは割と地味な印象。朝鮮兵達が草むらの中に潜んでいて、ベトナム戦争のベトコンみたいに描かれている。部隊の兵士は戦争慣れしておらず、落ち着かない行動を取る。

この時代の映画で火炎放射機を見るとは思わなかった。最後は戦争映画でお馴染みの亡くなった者達への慰霊。
aaabb

aaabbの感想・評価

-
スクリーンでいい画質でゆったりみたかった。伏兵ものって面白くなりやすく、お金もかからない。それはわかるけど、なぜ斜面なんだろう。適役のキャストを少なく抑える工夫なんだろうか。単純に面白いけど
たかや

たかやの感想・評価

5.0
むちゃくちゃ最高!傑作!
淡々と最前線を歩く姿を見てるだけの100分間がどうしてこうも興奮するのか。

カメラ位置もそうだが、カット割りが本当に気持ち良くて、アンソニー・マンは見せ方を分かり切っている。
朝鮮兵の強奪隊が待ち伏せしているところを見せる何気ないカットですら素晴らしい。そこから、急いで確認に向かう中尉の足だけを撮るのも上手い。

そしてモンタナのキャラクターの使い方もむちゃくちゃ面白い。
実力で同行するのを認めさせちゃうってのもいいし、中尉とは最後までお互いを認め合うものの犬猿の中ってのがまたいい。

そんな二人も、ラストは二人で一本のタバコを吸って「英雄になるには証人が必要だ」なんで言わせちゃうんだから、クソほどカッコいいわな。あと、大佐のタバコは忘れないな。

どうでもいいけど、中学生の頃にドッグタグのネックレスしてたのを思い出した。何も分かってなかったな。まぁ今も分かってないけど。
イワシ

イワシの感想・評価

5.0
アルドリッチ『攻撃』やシーゲル『突撃隊』を思わせる、朝鮮戦争の極限状況の小隊を描いたアンソニー・マンの傑作戦争映画。戦闘シーンもさることながら、地雷原の森の中で、地面にゆっくりとナイフを突き刺したり、地雷を覆い隠している木の葉をていねいにのける手つきに最もどきどきした。絶対に触れてはいけないものにぎりぎりで触ろうとする動作は、官能的にすらみえる。黒人兵のジェームズ・エドワーズがヘルメットを花で飾るシーンの美しさ、ロバート・ライアンとアルド・レイが制圧した高台でピクニックのように朝食をとるシーンの穏やかさががなんとも素晴らしい。
アンソニーマンのタバコの煙、藪の煙

 2009年10月27日 18時58分

 
1957年作、アンソニーマン監督。
本作ずーっと探していた作品。某有名評論家推薦の映画でDVD化していて、購入しようか迷っていた。

昔「リュミエール」というビデオレーベルで一連の見たい作品がいろいろでていました。

これでほぼばれるのですが、そのラインナップの中にあったようなないような本作。

他作品は、ルビッチ「生きるべきか死ぬべきか」、「奥様は魔女」等発売されていました。

白、赤、黒の三色のカラージャッケットのビデオでかなりのレアビデオでした。

ある日近所ビデオ屋の汚い棚、戦争映画コーナーを目をレーザービームのように検索していたらありました。こういう時なんとも嬉しい気持ちに包まれます。(チッサイ自己満足、探し当てた喜び) 



1950年代付近の朝鮮戦争のさなか。壊滅的な部隊を指揮するロバートライアン扮するある師団の物語。

ジープは転び、物資ものこりわずか。

見ればさっきまで戦闘していた兵士はいつのまにか横たえる朝鮮半島のどこかのアメリカ軍が部隊。


必死の無線通信の声が藪にかき消され、疲弊した兵士達の様々な顔が画面に次々にうつる。

冒頭のシーンでグーッと画面に引き込まれる。

力強いカッティングと兵士の顔と様子。

ロバート隊長もどこか疲れ気味。

投げやりなぎみな兵士にカツをいれながら、ドラマは進む。

そして、ある丘に行く命令をうける。隠れた敵に包囲される中、静かな行進がはじまる。

アンソニーマン監督、初期のジェームズスチュワートとの西部劇も見てみたくなった。

「グレンミラー物語」は高校の時、英語テキストに掲載されていて鑑賞。だが失念。
曲は覚えています、「茶色い小瓶」。あと後期の「エルシド」等の超大作も気になる。

やはり本作のようなミニマムでしょぼい予算でも、しっかりとした編集とカットセンスがある映画が大好きなんだという事を再認識。

本作とその某評論家さん教示の「拳銃魔」、
キューブリック監督10選にランクインされてるロバートワイズ監督「罠」
上記三本とても大好きな編集映画でございます。

エルマーバーンスタインの音楽。最小限に抑えられた音楽も素晴らしい。

ラストいきなり終結する物、足りない感じが少しありますが、ドラマの素晴らしいひきつけぐあいから開放された喜びと終了に驚く感じが心地良いです。

謎の軍人、敵の見えない襲来、彼らが旨そうに吸うタバコの煙はまるで彼らの生き急ぐ魂の煙のようです。

その煙をかき消す突発的な死の「煙」、藪の煙、爆風、砲火、砂ぼこり。

彼らのむなしい突撃はまさに最前線、「マンインザウォー」。

ロバートライアン「罠」に続きお気に入り俳優さん。ちょいウォールターマッソーに似てます。 

はたして彼らの生死の煙は風に消えるのでしょうか?

地味ですが、小品でナイス編集の素晴らしいカッツ戦争ものでございました。
世界で一番好きな映画監督の世界で一番好きな映画。いつ敵の襲来・地雷、砲火などの緊迫感、柔らかい木漏れ日の中を歩く歩兵隊、そしてマン特有の斜面。最高に面白い。
ゆく

ゆくの感想・評価

4.0
そりゃいまみると古いけど、演出がうまいのでなかなか観れます。
ベトナム戦争以前の朝鮮戦争が舞台の映画ですが、全編に虚しさがただよっててもの悲しい雰囲気がでてます。