今年最後のレビューはこの作品。
日本4大公害病のひとつとして広く知られながらも、その後の対応をめぐっていまだ解決には至らない水俣病問題を、3部構成全372分に渡って映し出すドキュメンタリー映画。
本作を鑑賞したのは今年の7月。
滋賀で行われたイベント『みっけ!水俣∞びわ湖』の開催地の一つ、今年一月に滋賀の長浜で開館した宮前シネマにて。
https://www.chunichi.co.jp/article/903639
https://www.chunichi.co.jp/article/888882
映画鑑賞だけでなく食事会やパネル展もあり、様々な人と交流できたのでとても有意義な時間を過ごせた。
まさかチッソの工場が守山にもあって、滋賀も水俣問題と繋がっていたとは。
本編の最後に映る熊本の海が、いつも見ている琵琶湖の風景とほとんど変わらなくて驚いたのを覚えている。
上映会の最後には、映画館の支配人が今年5月に行われた水俣病団体と環境省の懇談会でマイクが切られた騒動にも触れていて、終わりの見えない水俣問題について考えさせられたのと同時に、それに向き合い続ける人々の生き様に深く感動した。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240516/k10014451521000.html
ただ、実際に水俣問題に向き合っていた当事者とっては、6時間という圧倒的スケールも一瞬のことでしかなく、本作は水俣病の全てを描けている訳ではない。
本作を見ただけで水俣病を完全に理解した気でいるのは、それも問題である。
今思うと、本作は水俣病だけではなく社会が問題を封じ込もうとしてなけなしの政策を行った結果、更に苦しむ人達がいるということに焦点を当てた作品ではなかったか。
社会が本質を見極めることができず、外側からしか問題を解決しようとしないので、結果的に腐ったものに蓋という形となる。
これは個人的な話になるが、実は『みっけ!水俣∞びわ湖』が行われた地元滋賀が現にそうなりつつある。
あまり公になっていないので詳細は避けるが、将来的に大事になるのは避けられない。
どう転んでも滋賀は負担を抱える羽目になる。
もしそうなれば地元住民への被害は甚大だ。
(何のことなのかは下のリンクを見て察してほしい)
https://diamond.jp/articles/-/317991
https://merkmal-biz.jp/post/59942
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/1265975
https://www.pref.shiga.lg.jp/ippan/kendoseibi/koutsu/12433.html
当事者の声は小さいが外側の声は大きく、彼らが政策を決めてしまうので当事者が損をする。
今それを凄く実感している。
将来問題が表面化した時にどうすればいいか。
水俣問題に立ち向かっていった人達のように自分も声を上げていきたい。
今年のベスト10はこんな感じでした。
①シビルウォー アメリカ最後の日(IMAX)
②水俣曼荼羅(みっけ!水俣∞びわ湖 宮前シネマ上映会)
③ジョーカー フォリアドゥ
④エイリアン ロムルス(4DX)
⑤ゴジラ×コング 新たなる帝国(4DX)
⑥落下の解剖学
⑦ソウルの春
⑧柳ヶ瀬ブルース(ロイヤル劇場 リマスター上映)
⑨FINAL FANTASY VII ADVENT CHILDREN COMPLETE 4K(劇場プレミアム上映)
⑩ソニック×シャドウ TOKYO MISSION
今年の映画はクオリティが高かったなという印象。
レビューの質も上げれたので満足だ。
来年はどうなるのか分からないけど、諦めずに進んでいこう。
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