「誰かに頼らずに生きていけないものかしら」
「乱れる」の時よりもキャリアと経験を積んだ加山雄三の無表情棒演技が後半になるにつれて人間味を増していくのが良い。
編集の巧みさと、俳優陣の円熟した演技合…
成瀬巳喜男の遺作である。
交通死亡事故の加害者の男と、被害者の妻との、禁断の恋愛を描いた作品。
とてもインモラルな題材だが、そこをあえて誠実な愛を貫く姿を通じて、人を愛する事とは何かを訴えかけてい…
事故が過失だった点や、ひどい転勤など、同情からの発展可能性要素はあるけど、それ以上に男の人が謎すぎて入り込む余地がない。
拒否する理由が社会通念的なものに変わっていくプロセスを理解できなかった。…
成瀬巳喜男の偉大さは言うまでもないが、これは酷いと思ったなー。
この二人が結ばれるかどうかで葛藤するのはいい。
が、どうして二人が惹かれ合うのかの必然性が壊滅的に理解できない。理解できなさを形而上…
司葉子も加山雄三も、生真面目さが滲み出ているから良い。無器用に、真面目に悩み苦しんでいるからこそ切ない。
十和田の短い夏の如く、一瞬だけ燃え上がった悲恋。ラストへの展開のさせ方はあまりに残酷・・・…
軽やかな足取りで旦那との待ち合わせに向かうシーンから一点、葬儀にて座布団から立ち上がれないほどの重力に抑えつけられる司洋子。なんとも恐ろしい映画だよ。
義兄が「俺だったら払わないな。」と言った月賦…
このレビューはネタバレを含みます
成瀬巳喜男が最後に監督した映画。切ない大人のメロドラマは泣けるとは違う、胸に沁み入る味わい。
ワシントン勤務が近い外務官僚の妻は現在、妊娠3ヶ月。しかし、夫は車に跳ねられ急死、この後、子供は死産と…