このレビューはネタバレを含みます
清作が再び出征すると決まり、お兼が思い詰めて、彼に何らかの事を起こすだろうと予期させる凄みのある顔つきが、じわじわと迫ってくる。
そして古い釘を掴んだまま、その場を離れ着物も乱れながら、なりふり構わ…
あばずれだとか女狐だとか
悪口と嫉妬が渦巻く村で
味方が母しかいなくても
生きていかなきゃならない現実
うるさい鐘を朝から鳴らす
真面目な男を好きになり
彼だけが私を見ていれば
強くなることが…
戦争と村社会に備わる愚かさと恐ろしさに対して唯1人で立ち向かう若尾文子が実に神々しい。本来そういう目的ではなかったにしろ清作に孤独である人間の気持ちを心底理解させた流れにも痺れた。独りで突き進む勇気…
>>続きを読む何でこの2人は強く惹かれたのか、孤独が理由だけにしてはあんま理解できず、ただただ2人の情事を見させられる。淫売は一生淫売のレッテルが貼られてしまうし、何より自分がその負い目を感じながら生き続けないと…
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流石に時代が時代なので古さを感じる。
演技もきっと現代の方が自然なのかもしれない。
それを消しとばす若尾文子の存在感。
今の女優からは感じないものを感じる。
五寸釘を拾ってから目潰すまでの緊張感と…
人の孤独、男と女の愛情を深くえぐった名作と思う。私は後半に進みにつれて、じわじわと作品に埋没した。
増村保造監督らしいドロドロ感。そして、若尾文子の美貌がやはり素晴らしい。白黒ならではの美しさがあ…
病気の父と一家の生計を助けるため、老人(殿山泰司)の妾になったお兼(若尾文子)。
やがて老人は遺産を残して死に、残した遺産は家一軒を買ってさらに田んぼが買えるほどの大金。
ところが、お兼の父もまた他…