執炎の作品情報・感想・評価

「執炎」に投稿された感想・評価

舞台装置としての陸橋が優秀すぎる。
列車!線路!俯瞰で映される村!
傘が落ちていくシーンとかたまらんっす。

夜のトンネルでずぶ濡れの浅岡ルリ子が村のおっちゃんの顔面をパンチするとこは怖いけど笑ってしまった。
Hero

Heroの感想・評価

4.6
闘う男と待つ女、戦争責任の所存を故意的に曖昧とし被害者としての立場を主張する、悪いのはあくまでも軍部であり我々日本人は過去と決別し新時代に向けて前に進もうと都合がいいにもほどがある論理を貫く1952年のGHQによる検閲終了後によくありがちな戦争に引き裂かれる男女を描いた悲恋モノではあるのだが、もう浅丘ルリ子の美しさとその狂女っぷりが突き抜けてる。プロット的には増村の『清作の妻』なんかが思い浮かぶが、想っていても夫の前ではそれを行動に移せない一歩下がって控えめなそれでいて内に隠す芯の強さと凜とした佇まい、イタリア留学を経て“情緒”という優美で他愛的な敗北と犠牲の上に成り立つ抑制された愛の美しさを日本の心を失ってしまった増村には描けない(でもこれを綺麗だとか美しいだとか思ってしまうのが日本の悪いところでもあり、それを主張するために敢えて粗野で利己的なあるがままの欲望を曝け出した増村が描く非現実的で超喜劇的な人間像も嫌いじゃない)これぞなもはや現代が失った古き佳き大和撫子の姿。それでも零れ落ちる夫への愛が能面付けての狂喜乱舞であり、オーバードーズな心神喪失とくりゃ泣きますよそりゃ。女と階段があれば映画が撮れるみたいな名言があったような気がするが、この作品を観ると女と線路があれば映画が撮れると言いたくなるほど多くの映画的意図を内包するその魅力をこれでもかと魅せつけられる、あの線路でのキスはエドワードヤン『カップルズ』の映画史上最高のキスに匹敵する。広まれこの映画。
okapy

okapyの感想・評価

4.4

このレビューはネタバレを含みます

何度も出てくる電車が通り過ぎるあたりの一連のシークエンスが美しすぎる。オヤジをぶん殴るシーンがちょっと違うかなぁと思ったけど、傘が飛ばされるシーンなんかは素晴らしすぎて涙が出る。線路と電車ってなんでこうも映画の中に入れ込むと本来それが持つ役割以上の大きな効果をもたらすのだろうか。僕自身が作品を評価するにあたって必要不可欠な演出と言わざるを得ないくらいそれらが映画に厚みをつける。線路や電車は映画のためにあるのか。時が経ったらもう一度見なければならない。
aMi

aMiの感想・評価

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課題作品として鑑賞

昔の邦画もいい
女性の美しさ儚さ強さ執着心…
色々考えさせられる
obao

obaoの感想・評価

3.7
@シネ・ヌーヴォ
えっ!浅丘ルリ子さんが…ヌードに…!!
最初の方で岩陰にかくれてから全裸で海に走る女性。まぁ、吹き替えでしょうね。と、思って観ていたのですが…小屋でのシーン、伊丹十三(当時は一三)の後ろに裸のルリ子さん…えっと!おっぱい見えてますよ!!
となれば、あの浜辺のシーンも山のシーンもルリ子さんなのかなと思ってしまいます(でも、それらは多分吹き替えでしょうね)。
蔵原監督特集にて女優さんを脱がさない監督なんだなと思っていました。が、まさかここで浅丘ルリ子さんがくるとは…ね。

本作は“浅丘ルリ子出演100本記念作品”。そして、芸術祭参加作品とあって、それらを意識したであろうすごく重厚なもの。日活らしくなく、東宝作品に思えました。

平家の末裔が住む部落の娘・浅丘ルリ子さんは、どこか昔話に出てきそうな感じの不思議な娘で、明治よりもっと昔の話のように思えたのですが、これは第二次大戦の話。愛に生きて愛に狂うルリ子は、美しき物の怪のように変貌して行く。

芦川いづみさんもいつもながら可愛らしく、餘部鉄橋でのロケも今では貴重なものなのですが、やっぱりあの裸身にすべて持って行かれました。
そして、変な関西弁も…関西人からすればすごく気になりました。

【生誕90年 映画監督・蔵原惟繕】にて
砂場

砂場の感想・評価

4.3
監督:蔵原惟繕、主演:浅丘ルリ子、伊丹一三(十三)他
戦時中、最愛の夫が徴兵に!無事を祈る妻の強い愛情、、というと普通の映画っぽいけども浅丘ルリ子が演じると純粋な夫婦愛なのにインモラルな感じがするところが最高で最狂!
海や山を疾走する浅丘ルリ子のしなやかな動きと、蔵原惟繕のモダンなカメラワークが暗い話をスタイリッシュな印象にしている。何度も見返したい傑作だ。
傑作。

徴集兵として戦う夫を待つ妻の心情と、夫を失った後の妻の心情を包み隠さずこれほどまでにド直球に描いた作品はそうない。
海も山もそしてそれを覆い隠す雪も、悲しいぐらいに美しく映し出されています。
青二歳

青二歳の感想・評価

3.0

このレビューはネタバレを含みます

色んなところで高評価なので気になってレンタルしてみましたがハマらず残念。もう少し若い時に観たらたぶん好きだったと思う映画なんですが。素材や話の運びは“清作の妻”と似ていますし、浅丘ルリ子の狂気も見事でしたし。
【あらすじ】網元の息子と平家の落武者部落の娘が反対されながらも結婚。出兵した夫は負傷して帰還。妻の献身的なリハビリで治るもまた召集される夫。戦死の報を受け入れられない妻浅丘ルリ子の心神喪失ぶりがみどころ。という感じ。

平家の落武者て…昭和10年代でもまだ言われていたのか…?と冷めた目で見てしまうほど、やたら神秘的で説話のような演出。しかし…平家の落武者部落である浅丘ルリ子と網元の息子伊丹十三の二人が結婚を反対されるという以外に意味のない設定だと感じます。強いて言えば…“執炎”のタイトルに相応しく浅丘ルリ子の夫に対する情熱は狂おしいほどで、彼女の気質は一体なんなんだろうと躊躇ってしまうほど。もしかしたら、平家の落武者に由来する気高さとか神秘性をもって彼女の気質を説明しようとしているのかもしれません。
というのも、気になるのがこの部落に伝わる能楽です。平家ものの演目を毎年奉納しているらしく、意味ありげにもったいぶった演出がされています。家人あるいは部落で能舞台を奉納しているのか、どこか能楽の家に頼んで玄人に来てもらっているのかは分かりません。で、夫の出兵を拒んで夫に詰め寄る時に浅丘ルリ子が…なんか…狂おしく…舞う…という…
たぶんここが映画の山場のひとつなんだと思うんですけど、能楽に親しんでいる方にとっては違和感しか感じないと思うんですが如何なものでしょう。どこで着替えたのお前…と。面はひとりで付けられるものではないので、誰かにあててもらったんでしようか。まあひとりで付けたとして、浅丘ルリ子が子供の頃からシテ方に習っていたとして…うーんダメだここでもう挫ける。能楽イコール神秘的ってことなんでしょうかねえ。
ほか山と海の対比が目立ちます。能楽もここでは山の文化の雅やかな象徴のひとつなんですけど、落武者部落の娘は山の方が落ち着くらしいんですね。それでも網元の夫が出兵中は献身的に漁を手伝って、海の文化というか海側のコミュニティに馴染もう貢献しようと健気です。この辺もラストに通じていくんでしょうけれど…自分にはピンとこないというか、やり過ぎて“山”が謎すぎるミステリーゾーンに感じてしまう。夫のリハビリも山の中の小さな家で行うんですが、かつて源氏に復讐することを誓いながら傷を癒したという設定までついてくる。…もうシラけてしまうわ。

ただ浅丘ルリ子の熱演は素晴らしくてやり過ぎが似合う目力です、はい。たぶん能にハマる前の高校生くらいに観たら好きになれた気はします。伊丹十三も浅丘ルリ子に押されまくってなんとも言えないキャラクターでしたし…しかし今となってはこのもったいぶった海/山の集落の描写が余計で集中できませんでした…無念。やっぱり10代の頃にもっと色んな映画見とくべきだなあ。
xiaocui

xiaocuiの感想・評価

3.8
とても良い映画だった。
伊丹十三が小芝居すると西友のCMに見えてしまう。サービス精神旺盛な所が好きだ。
いづみちゃんはいづみさんになっていた。
芦川いづみ出演作品だからと軽い気持ちで見ていたんだけど、魅力的なカットが多くて見惚れてしまった。
やはりトンネルというのは映像栄えさせる力がある。
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