このレビューはネタバレを含みます
【自我の絶対化】
本作は私が16歳のとき、ユーロスペースで初めて観た増村保造作品だ。思った以上にB級映画的な雰囲気が強い。主演の若尾文子の怨念に満ちた眼差しが屈強で、鬼気迫るものがある。
驚愕の…
記録用
増村保造監督作品。新藤兼人脚本。
妾とて生きてきた女性が夫が亡くなったことにより村へ帰るが家族共々が村八分の扱いを受ける。
そこへ村の模範的青年である清作と出会い村人から酷い扱いを受けなが…
吉田絃二郎の同名小説を新藤兼人が脚色、増村保造が監督した。1965年公開。主演の若尾文子は当時31歳くらいであろうか、脂が乗って演技にも磨きがかかっている。かなりハードな役で彼女自身も「転機になった…
>>続きを読む開始5秒で悲劇だということが判明し開始10分で身内が2人死ぬ。エグ速度。「このまま世が明けなきゃええのに…。今死ねたら…幸せじゃ」のむさぼるような抱擁もグッとくるし、朝がきて若尾文子が目ギンギンにし…
>>続きを読む目暗になって、孤独を知り、1人残される女の辛さを知る。
そして、自分の目を突き刺した女房を許す。
全体志向から個人志向へまるっきり人格が転換していくために、盲目化という絶対的な身体変化を利用した脚…
夫を戦争にとられた女の愛と狂気と孤独。
下卑た村人達の容赦ない侮蔑に晒されながらも夫の帰りを待つお兼。とにかく見ていて胸糞が悪く不憫に思うと同時に、村社会や軍国主義の暗部を克明に描く本作の表現力に脱…
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綺麗事ではなく、真実の愛を観た。
何としてでも愛する人を放したくない者による常軌を逸脱した行動が、自分自身の欲だけではなく真実の愛へと導いたからだ。
老人の愛妾として長年囚われの身であったお兼(若…