サイクリストの作品情報・感想・評価

「サイクリスト」に投稿された感想・評価

全てのイラン人が見たとかなんだとか。自転車を漕ぎ始める前に途中で寝た。これは見直した方がいいのか?自転車を漕ぎ始める前ではつまらなかったが。
マフマルバフ監督作品。病気の妻の治療費を稼ぐ為に、アフガン人の男が見世物となって1週間寝ずに自転車を漕ぎ続けるというストーリー。

主人公は殆ど喋らない上に、自転車はずっと同じ場所をぐるぐると回り続けているため動きも少ない。にも関わらず、彼の周囲の人々の思惑や行動がしっかりとドラマを生み出し、観ていて飽きることないストーリーとなっていた。

今までに観た他のマフマルバフ作品にしては衝撃は少なかったかも。しかし、ストーリーが分かりやすいので、マフマルバフ監督の作品を観たことのない人にオススメしやすい。結末が印象的でその後の展開が非常に気になった。
中国の自転車サーカスを観ていて思い出し。

マフマルバフ作品は10本足らずしか観ていませんが、どれも傑・秀作揃いですね。
元長距離自転車チャンピオンのアフガン難民の主人公は、妻の入院費のために一週間寝ずに走り続ける。
入金が確認されると受付からナースセンターへ連絡がいってはじめて、吸引器や点滴などを設置する無慈悲な病院。
それまでは、入院患者がどんなに苦しもうとフルシカト…(;´Д`)
走り続ける主人公の魂の走りは、彼の(アフガニスタンの)これまでのそしてこれからの生き様を見せながら、観ている我々にとてつもない勇気と希望を与えてくれる。
ラスト、トランス状態になったかのように走り続ける映像が忘れがたい☆彡
あーや

あーやの感想・評価

5.0

このレビューはネタバレを含みます

キアちゃんの「クローズアップ」でオマージュされていた映画、マフマルバフ監督の「サイクリスト」を観ました。イラン映画すごい。こんな映画があったなんて・・!
重病の奥さんの入院費を稼ぐために見世物として1週間自転車に乗り続ける男。
本作は彼の7日間をひたすら映すだけです。ただくるくると広場を無言で自転車に乗り漕ぎ続ける男。(そういえば思い返すと入院中の奥さんも喋らなかった。周囲の喧騒から一線を画した境地に2人は存在していたのかもしれない)
ところが自転車をこぐ彼の周囲は騒々しい。
彼が完走することに賭けた男達、彼が転けることに賭けた男達、ひたすら父を励ます息子、自転車を倒そうとする怪しい男達、勝負を終わらせようとする医者、その医者を眠らせる看護婦、毎日アフガニスタンの日雇い労働者を募る男、占い師のシングルマザー、青空床屋。
そんな人間たちが集まりガヤガヤ騒ぐ中を父親はただ黙々と漕ぎ続けるだけだ。1度夜中にパタッと寝てしまうが、そんな事なんでもない。彼を支える人がとっさに身代わりになる瞬間はドキドキしつつも見守ってしまいました。ズルをしたのではなく、それは唯一の救いにしか見えない。4日目の朝を迎え、5日目になり、6日目には雨が降り、ついに7日目。勝負はついた。だが彼はまだ漕ぎ続けている。もう何のために漕ぎ続けているのか誰にも分からない。でも彼は止まらない。素足でペダルを漕ぎ続ける。観衆たちが彼を称えて叫ぼうとも喚こうとも、息子が必死に止めようとしても彼は自転車を漕ぎ続ける。
そして唐突に文様のようなペルシャ文字のエンディングロールが独特な民族音楽と共に流れる中、私は鳥肌が立っていた。映画と現の境など関係なく、現実に今でも走ってそうなラストだった。めちゃくちゃ興奮して面白いのかというと少し違う。でも強烈。唯一無二の作品。すごい。イラン映画半端ない。
Tyga

Tygaの感想・評価

3.2
ただ自転車を漕ぎ続けるだけの人をこれほど応援したくなる映画は他にない気がする。

まだ荒削りな感じは強いし、中途半端な演出もあるが、映画の中にあるメッセージの純度がとても高い。

イランの全国民が一度は観たと言われる理由はわかる気がする。
oqmr

oqmrの感想・評価

-
正直言って表現として面白い部分は本当に少ない。だけど「寝たいけど漕がないといけない」という至ってシンプルな感情はものすごく高い純度で描かれている。「この人を見よ!」的な伝える気持ちの強さ。政治的な社会的なガッツを感じる。
hitomi

hitomiの感想・評価

3.8

このレビューはネタバレを含みます

「すべてのイラン人が見た」と言われる程、イランで大ヒットした作品。とても良くわかる。
家族のため”一週間自転車に乗り続ける”という無謀な賭けにでたナシム。そんな過酷な状況の中でも家族を思いやる優しさと、
最後にはアフガン難民の誇りをかけて走る彼の姿が胸を打つ。時間がきても同じ場所をぐるぐる走り続ける彼の姿は、まさしくアフガン難民の象徴。彼らの苦しみはきっと終わることはない。
ただ自転車に乗っているだけなのに緊張感がある映画。所々中途半端ではあるが、なんとか観れる。
モフセン•マフマルバフの映画で絵の具で青く塗った手を青空にかざすラストシーンが心に残っているのですが、この映画だったかも知れません。