メイン州ベルファストの作品情報・感想・評価

メイン州ベルファスト1999年製作の映画)

BELFAST, MAINE

製作国:

上映時間:247分

4.3

「メイン州ベルファスト」に投稿された感想・評価

Ryosuke

Ryosukeの感想・評価

3.8
やはり四時間集中が続くという訳にはいかなかったな。 冒頭の海のカット割りを見て最後まで集中切らさないでいけるかと思ったがまあやっぱりダレた。 人が喋っているシーンよりは、何か作業をしているシーンや機械が駆動しているシーンの方が好み。
合間合間に風景のショットや通過する車のショットを細かく挟んでテンポをつける。
ジャガイモや魚を処理していく過程が楽しい。
イワシの缶詰め工場では、流れてくる魚の一匹だけにピントを合わせることで、まるで泳いでいるかのように見えるショットがあり面白かった。
イワシの缶詰め工場から海へと滑らかにイメージが連鎖する。
漁船の入港や日没をフレーミングを細かく変えて編集する映像も楽しい。
狼の射殺は結構ショッキングであった。
演劇の練習は熱があり意外と引き込まれた。
裁判所がめちゃくちゃ流れ作業なのも印象的。 軽犯罪だと大して深刻さが無いもんだな。
「セールスマンの死」という言葉が二度登場したり、最初の方に登場した家族関係に問題を抱えている女性が最後に再び出てくるなど、題材はバラバラではなく関連をもってまとめられている。
コインランドリーを蹴りつける女性や、食品の模型をかじって泣きそうになる子供などクスッと笑える描写も。
「白鯨」ちょっと読みたくなった。
南北戦争おじさんも印象的だった。ワイズマン映画見てるとアメリカ人ってやっぱり合衆国とその歴史好きだなと思う。当たり前だけど。
もうすぐお迎えがくるとあっけらかんと述べる老女や、息も絶え絶えで介護を受ける老人の姿が印象に残った。
ラストは州議会同様祈りで締める。
紫色部

紫色部の感想・評価

4.0
2018.9.13 イメージフォーラム(16mm)

病院でのクロスカッティング、大型船が出港/入港するシーンでの異様なモンタージュ、イモのスイーツやらドーナツやら缶詰やらの製造工程を仕入れから出荷まで追っていくカットの繋ぎがブチ切れてて本当に最高。罠にかかった狼の脳天をブチ抜いて殺めるショット、軽く雑談を交わしながら狐の死骸を吊るして毛皮を脚から剥いでいくカットなどの後に、剥製にされた動物の展示を親子で見ているシーンを挿入する編集もヤバいです。ワイズマンのベスト盤的な趣もあるような?
罠にかけた狼を撃ち殺したり、狐の皮剥いだ後に剥製展に来た子連れを映したりとかやっぱ編集が素晴らしい。あとは缶詰工場のおばちゃんの手際の良さとメルヴィルの講義が印象的
tmr0420

tmr0420の感想・評価

3.5
缶詰工場の場面、水色のポロシャツ着たおばちゃんの周囲より1.5倍ぐらい早い動きのグルーヴ感。ドーナツやら芋含めて工場系の場面はどれも良かった。天竜区シリーズも想起。コインランドリーに前蹴りかますおばちゃん。メルヴィルについての高校講義は結構レベル高め。最後にミラーの『セールスマンの死』に言及するところで前半の劇団の練習光景へとつながる。
漁を映すところからはじまっている点を含めた、本作の19cアメリカ文学との関わりについてはMOMAから出ていた論集でアンドリュー・ドルバンコが何か書いていたような記憶。メルヴィル講義の話は映画観てないのになぜか覚えてたので当該論考になんか書いてあったのだろう。
The Best of Documentary Film in History!
編集されたリズムが、ドキュメンタリーの効能において完璧に作用している。
天カス

天カスの感想・評価

5.0
漁のシーン、船のシーンと魚の缶詰工場のシーンが印象的。
水漏れ洗濯機を蹴っ飛ばす。
『白鯨』の授業。
「セールスマンの死」。
撃ち抜かれるオオカミ。
皮を剥がれるキツネ。
ベルファストは狩猟が盛んなんですかね??

街のあらゆる要素全部載せ感があり、見応えがすごい。
AS

ASの感想・評価

4.6
ワイズマンによる地域コミュニティものの傑作。
早朝のロブスター漁・缶詰工場の製造ライン・狐の毛皮を剥ぐ作業・喜びや哀しみを共有する信者・流れ作業の如く罰金を科していく判事・高校の教育現場(メルヴィルの『白鯨』に関する言及が面白い!)・障害者向けの活動など、ベルファストに根差した人々のルーティーンを切り取りつつ、食事配給への依存・決して充実しているとは言い難い医療制度や保険制度・ストレス社会の中で浮き彫りになる家族間の軋轢や虐待といった問題提起もなされていく。
今作では笑顔の被写体が殆ど存在していない。現在から遡ること20年、当時の地方社会が立たされた絶望の淵を覗き込んだような、それこそ(作中で取り上げられていた)『セールスマンの死』を読んで感じた暗澹たる思いすら甦ってくる。
現在世界はワイズマンが提示した警告線を軽く踏み越えてしまってはいないだろうか
tokio

tokioの感想・評価

4.1
Rec.
❶18.09.03,シアター・イメージフォーラム(16mm)/フレデリック・ワイズマン特集
ワイズマン最高
ドキュメンタリーという言葉はワイズマンの為にある
ベストオブ港町
Nyenent

Nyenentの感想・評価

4.8
トータル4時間の映像が、あとになってじわ〜っと攻めてくる。人間が、ある土地で「生活する」、ということを視覚と聴覚から体感。「リアリティ」とはこのことか、と思う。「戦慄」、という言葉もある。とにかくはち密に計算された編集と映像に圧倒される。