メイン州ベルファストの作品情報・感想・評価

メイン州ベルファスト1999年製作の映画)

BELFAST, MAINE

製作国:

上映時間:247分

4.3

「メイン州ベルファスト」に投稿された感想・評価

町が人体として撮られてる。全く関連のなさそうな個々の人間の営みは人体における様々な臓器。臓器たちが思い思いに動くことで人体としての町が生かされていることが分かる。
hardeight

hardeightの感想・評価

4.5
 冒頭の朝靄の中で朝日が映える波間にカモメが溶け込むショットなど神がかり的にシャープなカットが至るところに頻出し、一定の距離を常に確保しながら、生活者たちの内奥を余すことなく捉えようと接写する離れ技をやってみせる!
BB

BBの感想・評価

5.0
ジャクソンハイツを40本目とすると『メイン州ベルファスト』は、ワイズマンの30本目、20年前の作品。
南北戦争を経て、かつては商業的に栄えた町でもあったメイン州ベルファストだが、町の人々は歳をとり、強化されたメディカル・システムの中で生きている。工場の作業と同じく、彼らの生活の細かな様式や収入源、薬の種類や食事なんかも事細かに計測され診断、処置されてゆく。
上記は本作からかいまみえる世界のほんの一部。こうしたことだけに限らず、1999年のアメリカの田舎町のあれこれが、彼らの生活様式や仕事の様子からいくつもみえてくる。仕事(ワーキング)の風景、パブリックな空間のみを通して、彼らの表情や手つきからみえてくるもの、細部に宿るものをとらえ、私たちの内側にも或るアメリカの風景を構築することになる。ようやく見ることが出来たよ、メイン州ベルファスト。
誰かがワイズマンの集大成とか言ってたような言ってないような気がしたので見てみたけど、確かにこれ一本見たらワイズマンという監督がどんな映画を撮るのかが良くも悪くも理解できる作品となっていた。

というのも病院での問診や流れ作業の様子、授業に何処かの集会等ワイズマンがよく撮る題材を全部詰め込んだ内容になっており、これだけ凝縮したら4時間強の長さにもなると納得はできた。

しかし色々なものを撮り過ぎてテーマが読み取れなく(その雑多な模様がテーマなのかもしれないけど)、最終的には食傷気味になってしまったし、雑多であるが故に終わり方も全然見えなくて少しイライラもしてしまった。

そして自分が好き嫌いのはっきりしている性格もあり、興味のある箇所(最初の漁の場面とか動物の解体風景とか)と興味の無い箇所(人の喋りが長い場面とか)で温度差が激しくなってしまい、興味の無い場面が続くと退屈な気分にさせられ堪らなかった。

とはいえ長いが故に良いシーンも結構あったので、そこに関しては満足はできたかと思う。(でもそのシーンの為にもう一度全編見る気には絶対になれない作品)
かなり以前に1度観たことがあるが、正にこれも恐るべき傑作。ワイズマンの世界の風味を極限まで味あわせてくれる作品だ。この作家の、最もナチュラルで同時にマジカル、アプローチにリキがはいってないようで最も精緻に作り込まれた作品かもしれない。ひとつの地方都市における、漁や家内的工場の労働・絵画や演劇の創作・身体や心への診療での問いかけ・歴史や文学の授業・施設や教会の人々の無気力?等を写し取ってゆくが、ドキュメンタリーとしてはあり得ないような場・サイズ・角度を当て並べ続けてのあらゆる細部・工程への突っ込み・沿い・その持続・構築がなされている。必ずしも、ストレートに伝わり全体を掴みやすい素材を並べてるわけではなくて、脇の歪みが奇妙に沈殿し集約された物ばかりを並べている。その選択は作者が心得切ったもので、一見、細部に入り込み過ぎるか、感覚的に偏った人達にこそ接近するので公・全体・本質を外しまくってるようにも見える。しかし、現在のあり方を超えて、個人・社会の過去・歴史の、本当の姿、ありのままの空気や匂いの全体、そのちっぽけさ、その唯一無二さ、その真実が浮かび上がって来るのだ。ここには語りの効率、テーマへの接近など、殆ど無意味となる。印象をひといろに染め上げることをとことん拒否している。社会通念を真にor挑発的に破壊しているのか、映画、表現だけしか著されない、かつ、最も貴重な時とこころが記録されていく、歴史観や認識パターンが書き替えられてくような、内的スリリングさをおぼえてゆく。その際、その内容が信憑性あるかないかは二の次ともなる。問題はそのあり方なのだ。
一応、上映終了後のトークの時間に打ち込んだ。でないと、ゲストが撮影現場にいた人ならともかく、批評家・評論家の話には例外なく寝込んでしまう(初邦スーパー打込みの貴重な番組~仕事とカブるので数回行った位だが~での文芸座の大寺さんの話では寝込む迄10分を要さない、20時半迄には床につくのが過半の生活のせいもあるが、対策として講演中は下向いて自分用の読書きに集中することに。発表時では仕事の調整は無理の、新企画の情報が洩れ来るを側耳立てつつ)。今日も高尚話に感興は湧かづも、最後に、日仏の坂本さんがこの作家とC・イーストウッドの比較検討したかったと仰ったのには、興味ひかれた。意外な並べ方、商業映画ど真ん中と全く外れたポジションの二人だ。飾り気のないスタイル、どんな題材にも無心・予防線無しでのスタンスのことか、あるいは同年生まれの現役バリバリという事で(’30生まれの文化人・有名人はきら星の如くで、映像制作に限ってもジグモンド・Jフランコ・牛山・Rドナー・武満らが目に入り、俊英監督もこの二人と同格かそれ以上の存在として、ゴダール・深作・シャブロル・熊井・フランケンハイマー・山下・西村・浦山らの名を、簡単に思い付くことができるので、拡げても。) ? どれも語り合う事でもない、私の発想にはない、これは聴いてみたかった。
いけ

いけの感想・評価

4.5
編集のキレが見事に機能する。悪意のモンタージュに慄きながらも、いつもより多い車が走る場所から場所への繋ぎ。

ドーナツ屋がなぜか好みなのだが、全体的にやや長い。街全体を捉えるというのは、他のワイズマン作品に比べて射程が広いためか?あとベルファストは田舎だがワイズマンは都会を撮るほうがなんとなく良い気がする。ワイズマンのカメラが自然を撮るのには冷淡すぎる気がしてならない…

セールスマンの死の伏線回収
ryosuke

ryosukeの感想・評価

3.8
やはり四時間集中が続くという訳にはいかなかったな。 冒頭の海のカット割りを見て最後まで集中切らさないでいけるかと思ったがまあやっぱりダレた。 人が喋っているシーンよりは、何か作業をしているシーンや機械が駆動しているシーンの方が好み。
合間合間に風景のショットや通過する車のショットを細かく挟んでテンポをつける。
ジャガイモや魚を処理していく過程が楽しい。
イワシの缶詰め工場では、流れてくる魚の一匹だけにピントを合わせることで、まるで泳いでいるかのように見えるショットがあり面白かった。
イワシの缶詰め工場から海へと滑らかにイメージが連鎖する。
漁船の入港や日没をフレーミングを細かく変えて編集する映像も楽しい。
狼の射殺は結構ショッキングであった。
演劇の練習は熱があり意外と引き込まれた。
裁判所がめちゃくちゃ流れ作業なのも印象的。 軽犯罪だと大して深刻さが無いもんだな。
「セールスマンの死」という言葉が二度登場したり、最初の方に登場した家族関係に問題を抱えている女性が最後に再び出てくるなど、題材はバラバラではなく関連をもってまとめられている。
コインランドリーを蹴りつける女性や、食品の模型をかじって泣きそうになる子供などクスッと笑える描写も。
「白鯨」ちょっと読みたくなった。
南北戦争おじさんも印象的だった。ワイズマン映画見てるとアメリカ人ってやっぱり合衆国とその歴史好きだなと思う。当たり前だけど。
もうすぐお迎えがくるとあっけらかんと述べる老女や、息も絶え絶えで介護を受ける老人の姿が印象に残った。
ラストは州議会同様祈りで締める。
マ

マの感想・評価

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罠にかけた狼を撃ち殺したり、狐の皮剥いだ後に剥製展に来た子連れを映したりとかやっぱ編集が素晴らしい。あとは缶詰工場のおばちゃんの手際の良さとメルヴィルの講義が印象的
tmr0420

tmr0420の感想・評価

3.5
缶詰工場の場面、水色のポロシャツ着たおばちゃんの周囲より1.5倍ぐらい早い動きのグルーヴ感。ドーナツやら芋含めて工場系の場面はどれも良かった。天竜区シリーズも想起。コインランドリーに前蹴りかますおばちゃん。メルヴィルについての高校講義は結構レベル高め。最後にミラーの『セールスマンの死』に言及するところで前半の劇団の練習光景へとつながる。
漁を映すところからはじまっている点を含めた、本作の19cアメリカ文学との関わりについてはMOMAから出ていた論集でアンドリュー・ドルバンコが何か書いていたような記憶。メルヴィル講義の話は映画観てないのになぜか覚えてたので当該論考になんか書いてあったのだろう。
The Best of Documentary Film in History!
編集されたリズムが、ドキュメンタリーの効能において完璧に作用している。
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