忍びの者 続・霧隠才蔵の作品情報・感想・評価

「忍びの者 続・霧隠才蔵」に投稿された感想・評価

mitakosama

mitakosamaの感想・評価

3.0
スカパーにて。
前作で大坂夏の陣での豊臣側の敗退。霧隠才蔵による真田幸村を連れての逃走まだが描かれた。今作はその続編。

服部半蔵の追っ手を逃れ薩摩の島津家に身を寄せた幸村。
手漕ぎ船での追っ手を水中戦で撃退する才蔵など序盤から見せてくれる。

反家康で島津藩も幸村を受け入れるが、島津藩内にも家康のスパイが入り込んでいて諜報戦の面白さが映える。
火縄銃のため種子島に渡る才蔵。この辺の描写が妙にオリエンタルで良い。
唯一のポルトガルとの交流があった種子島だけありランプとかが妙に異国感が漂い素敵。
淡い恋愛劇に進むと思われたがくノ一の復讐劇だったり色々感傷的。

島津家も幸村を庇えなくなってきて、幸村亡き後は才蔵が単身乗り込み家康の暗殺に成功。だが徳川家は既に安泰していた。喜び才蔵が悲しい。

歴史的エピソードとの絡みがあまり無い、ラストの大合戦シーンが無い、家康の死因が食中毒でないなど、気になる点はあるが忍びの者の悲哀に満ちた物語構成だと思う。
「忍びの者」シリーズ5作目。霧隠才蔵編としては2作目で、前作の正式な後編。大阪夏の陣が終わってから家康の死に至るまでの期間、生き延びた真田幸村の下で打倒徳川に暗躍する才蔵(市川雷蔵)の活躍が描かれる。

前半の薩摩への逃亡劇、中盤の種子島のトロピカルな雰囲気、終盤の駿府城屋根裏で展開する忍者戦、全編通じてなかなか見応えがある。

そしてラスト、既に徳川政権は盤石となり忍者の存在意義が消失しているにも関わらず、それに抗うように「使命(実際は、もはや使命は消滅しており、才蔵の個人行動に過ぎない)を果たした!」と叫ぶ才蔵の姿には、時代に取り残されても前時代を引きずったまま回転し続けなくてはならない歯車のような、空しさや虚ろさが漂う。そうした忍者の悲哀を描いているという点では、シリーズ随一。
シリーズのコンセプトである「リアルな忍術合戦」「社会的弱者である忍びの惨さ」を最も的確に表現できたのはこれでしょう。
森での苦無の投げ合いの緊張感が良い。
大局に全く影響を与えられないと言われても戦うしか道のない才蔵、ラストの物悲しさ。