このレビューはネタバレを含みます
最小限の台詞と音楽で、ショットの力だけでこれほど物語を表現できるのか。90年以上前の作品に感動できることに驚いた。狂気の演技はまったく古びていない。
終盤の私刑に関するディスカッションは、始祖にし…
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とんでもなく恐ろしい映画だった。
第二次世界大戦直前、そしてホロコーストへ突き進んでいく直前のドイツ社会を描いているわけだから、とにかく暗い。
そして、連続殺人犯が世間を騒がせているわけだから、…
カメラを少ししか動かせないだろう時代に迫力があった。監督トーキー初作品だそう。
朗読に無声動画がついているようで見始めは字幕を追うのに忙しかった。
階段と口笛が怖さを増幅。
葉巻の煙でどんどん白くな…
ビルから人々が出てくるところはリュミエール兄弟のオマージュなのかな?
ショットの構図や切り替わり方が綿密に練られていて良かった!
冒頭だけ春の映画の授業で観せてもらっててこれか!ってなった
暗闇…
面白かった。凄くいい。
セリフ以外の音が少ないので、集中力は必要ですが、後半凄く好みな方向に行った。
人が人を裁く上で完全に排除することが出来ない感情の部分。法律という盾がなければ、彼はどうなっ…
1918年ドイツのWW1敗戦、1928年世界恐慌による不安定な国内情勢がベースにあって、本作の制作年1931年は1933年から始まるナチスドイツの人種政策の前という微妙な時期。
ラング自身も主演の…
少女がボール遊びをしているシーンがそのまま最近頻繁している誘拐殺人のニュースを伝える掲示を写して、そこに犯人の影が写り、彼が少女に話しかける。たった数秒のショットで一気に引き込まれる。そしてしばらく…
>>続きを読む『M』は90年以上前の映画でありながら、その描写は現代の社会にも通じる。とりわけ、終盤の民衆裁判の構図は、SNS上で特定の人物を感情に任せて過剰に糾弾する現在の風潮と驚くほど重なって見えた。一人の人…
>>続きを読むフリッツ・ラングのトーキー初期作
筆跡学など当時の捜査方法が見受けられる
エイゼンシュテイン同様にそれまで映像のみで語りを行っていた作家が音を導入すると、サイレントの映像的文法が残る
警官隊が摘…