肉屋の作品情報・感想・評価

「肉屋」に投稿された感想・評価

SN

SNの感想・評価

4.6
結末に差し掛かっていくにつれて密度を増していく感じがたまらなくいい。ブレッソンやヒッチコックの色は強いが、ただの二番煎じで終わらないところにシャブロルの力量の高さがうかがい知れる。
t

tの感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

一見社交性があって口達者な肉屋の男が実は戦争体験のPTSDを持ち、女性に対してその屈折した感情を発露するという厄介さで、更に閉鎖的な田舎町、若き美人女教師と来たら面白いに決まっている。
ジャン・クロード・カッセルが花束に見立てた生肉を持って授業中のステファーヌ・オードランを訪ねるシーンのパンチたるや。豪雨の葬式の中1人だけ傘を差さずびしょ濡れになる刑事も◎。
女教師の顔面そのものが物質として迫ってくるラストへの落差に慄く。病院での死に際のキスによって、彼女にもまた男性を対象としてPTSDが受け継がれていく。
pika

pikaの感想・評価

4.0
火サスか!?2時間サスペンスか!?なベタなサスペンスドラマなのにこの面白さ。
サスペンスにしてはミステリアス感はなく超どシンプルなものではあるけれども、メインディッシュはそこじゃなく、サスペンスを軸にした心理ドラマ、いやロマンス映画なのでクライマックスで画面いっぱいに覆われた緊迫感から解き放たれる感情にウルルと胸が熱くなる。

「不貞の女」でもそうだったけどキャラクターの人柄を描くのが上手い。
音楽の存在感が凄いし演技もあるんだろうけど、端的にストーリーを展開させながら同時に細やかにキャラの人物像を散りばめることでドラマに臨場感やらリアリズムを生んでいて、冷静に見ていれば何もかもわかっちゃうようなベタな話ではあるけれど見ている間は全く冷静になどなれないくらいに引き込まれて瞬間瞬間のキャラクターの心理や感情そのものを味わうことが鑑賞の醍醐味になっている職人芸的な魅力が最高。

映画的な装飾というか、展開に無関係なシーンで抑揚つけたりテンポを生んだりしたくなるところをズバズバ切っていく潔さと、展開に必要なところを最小限に見せながらその瞬間だけでない前後の奥行きをも表現させきる脚本力と演出力が凄い。
「不貞の女」では演出力の方ばかりに気を取られたが、今作では台詞の端々が印象的だったり脚本の巧みさも目を引く。

些細な仕草が心理によって見え方が変わってくる、その動きや小物の使い方、見せ方がめちゃくちゃ上手い。
いつの間にやらFINの文字!とばかりに飽きる瞬間なくすいすい見ちゃえる面白さ。
シャブロル想像以上に面白くて興奮気味です。もっと見よ。
ジャン・ヤンヌの顔がいい
悲しい顔してる
プレゼントに羊肉
ありがとう、ステファヌ・オドラン
か

かの感想・評価

4.0
ひねくれたフランス映画らしからぬ飽きの来なさ。シンプルな設定ながら音楽が緊張感を煽る。癒えぬ傷を抱えた男女の心は、最後に重なったのか。
milagros

milagrosの感想・評価

4.1
これぞ映画だなあってかんじで、ライター1つの出し入れで物語がどんでんばってん揺れていく。陽光穏やかな前半部に不穏な音楽が流れる違和感から、驚きの結末へ。
白と赤の対比が素晴らしい。
シャブロルははじめてだったけど、とてもよかった。
さとう

さとうの感想・評価

4.0
カーペンターとアルジェントの中間あたりを感じた。演出はほとんどヒッチコックに近いなからも即興性があって豊かな仕上がりになっている
いずみ

いずみの感想・評価

4.2
超傑作。めちゃめちゃ怪奇的で怖い。怖すぎるけど奇妙な愛。シャブロルの映画は大体田舎町が舞台で、そこにいる閉鎖的な人間たちの閉鎖的な闇の心を暴いていく。若くして小学校の校長であるエレーヌは同僚の結婚式で肉屋で働いている男と出会う。結婚はしないのか、と聞かれ10年前に失恋したことがトラウマであると男に話す。男の誕生日にプレゼントしたライター。それが頻繁に街で起こる残虐な殺人事件の事件現場でエレーヌは男にプレゼントしたライターを見つけてしまう。一瞬恐怖に斧めくものの、疑惑であったことが判明。変わらず男は先生を求め、先生は男の奇妙な存在に虜になる。果たしてこれは愛なのか…と問われるが、要は愛情に飢え、血の匂いなや依存した男が女を求めるのではなく母親的な存在を求め、先生!先生!と毎晩のようにエレーヌに会っていたのだと思う。腕にだきたかったのはエレーヌではあるが、愛情だと思う。自殺した男を車に乗せ病院へ運ぶエレーヌはそれを悟って運ばれる男にキスをしたのだと思う。それを全て涙で消し、水とともに流そうとしてラストへ行き着いたのだと思った。超傑作。
roland

rolandの感想・評価

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これも男女を宙吊りにする。光と影、白と黒。一瞬後の明滅に主人公たちを落とし込む見せ方が絶妙に上手い。ヒッチコック、デパルマのような派手さはないのだが無表情が最も怖い。
adam

adamの感想・評価

3.9
死体発見とラストにかけての一瞬一瞬が凄みしかない。大人の恋物語と見せかけた卓越したホラーサスペンス?
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