名優たちの演技を堪能する作品。
駒十郎とすみ子が
それぞれ向かいの屋根の下に
立ち、豪雨の中で罵り合うという
凄まじい絵のシーンがありましたね。
いつも思うのだけど、
この時代の名優と呼ばれる方々…
「昭和を生きた」と言えるような人間じゃないのでイメージでしかないけど、昭和の夏、昭和の男と女、昭和の人間臭さが凝縮されているような映画だった。
志摩半島の港町の風景、土砂降りの中での痴話喧嘩、浴衣…
志摩半島の漁村を舞台に、浮草のごとく流れゆく旅回りの役者駒十郎、彼との婚外子を育てる食堂の女将お芳、一座の看板女優であり駒十郎の連れ合いでもあるすみ子らが織りなす人間模様を描く。
嫉妬に狂ったすみ…
前作『彼岸花』で山本富士子を借りたお返しに松竹ではなく大映で製作されたという。脚本の野田高梧以外はカメラの宮川一夫をはじめほとんど大映スタッフで固めた本作は、小津らしくない異色作と称されることが多い…
>>続きを読む小津安二郎監督の映画は5本目だが、これまでの映画とは少し色合いが違った。
志摩半島の漁村に、馴染みの旅回り一座がやって来る。実は座長にはこの地で食堂を営む女性との間に息子がいた。そこで繰り広げられる…