芸者置屋の女性群像劇。といっても華やかなお座敷でなく、その裏側の日常(主に金策)にこそ矜持が見える。「玄人も素人も働いて食べて寝る」けれど、芸者は芸者の道がある。とはいえ、玄人にはもはや居場所がない…
>>続きを読む名女優が大集合で次々と現れる女優さんたちの演技を観ているのが楽しかった。ストーリーはあちらこちらへと視点が変わるので観ている方もふらふらと漂っていくように流れに身を任せるといった感じ。
杉村春子が山…
傾きかけた芸者置屋を舞台に、時代の流れの中で変わりゆく花柳界に生きる女性たちの姿を描く。
田中絹代演じる住込みの女中お春の目を通して描かれる花柳界の裏舞台。花柳界を題材としながら華やかなお座敷の様…
日常を切り取った"だけ"のように見えてちゃんと作品として面白くてすごい
『自分でもできるかも、と思わせるような仕事は実は作り手の腕がかなりある』という言葉はしばしば耳にするがそれを体現したような作品…
田中絹代が女中役というのは中々びっくりする話だが、女中の目線から見た一家の話だと捉えると、合点のいく話でした。
目立ったヤマもなければオチもないため、少々地味な作品だったと思います。特に印象に残る…
マージナルな存在の田中絹代だけが窺い知る置屋の諸相。見えざる領域をもたらす二階や、塀を隔て隣り合うそば屋といった空間造形が豊か。田中絹代が塀越しにそばを受け取るシーンめちゃ面白い。
氷を口に入れたま…
成瀬巳喜男の代表作のひとつ。
原作は幸田文。戦後間もない東京・新橋の芸者置屋を舞台に、芸者という伝統文化と、それに生きる女性たちの衰退を描く。
生活に困窮した未亡人・梨花(田中絹代)は、芸者置屋…
田中絹代は良い俳優だ…。杉村春子演じる年増芸者の軽快さと湿度を感じるコミカルな芝居が良い。杉村春子にしか出せない存在感。
ラストシーンの分断された二階構造は面白かった。男がいなくても女は生きていけま…