地上より永遠にの作品情報・感想・評価

「地上より永遠に」に投稿された感想・評価

上官がそのまた上官の奥さんと不倫している陸軍の部隊に転属してきたプルーさんは、執拗にボクシング部の勧誘を受けるが断固拒否して陰湿なイジメを受け始める

波打ち際寝そべりチュウはミスったら鼻に思いっきり海水入ってくるから気をつけて!
戦争映画と思ったら、最前線の場面は出てこない。軍隊内の陰湿ないじめを告発する社会派映画かといえば、また違ってくる。

物語は二組の男女の恋愛模様である。舞台は太平洋戦争直前のハワイ・オアフ島にあるスコフィールド米軍基地。そこにラッパ手のプルーが赴任してくる。中隊長のホームズは拳闘の経験があるプルーを勧誘するが、ある事件からプルーは拒む。その日から、彼は軍隊内でのしごきに遭う。唯一の味方はイタリア系のマジオであり、売春婦のロリーンとも親しくなる。
一方、曹長のウォーデンはホームズの妻であるカレンと逢瀬を重ねていた。ウォーデンはカレンに将校になれと迫られる。

監督のフレッド・ジンネマンは軍隊内の不条理にメロドラマの要素を挿入している。彼は過剰な演出に頼らない。登場人物の背景も克明に描かれているし、二組の男女の二項対立も上手く対比されている。

やはり目を惹くのは、プルーを演じたモンゴメリー・クリフトだ。要領は悪いが信念を貫く兵士をクリフトは端正なルックスと痩身な肉体で熱演する。ハリウッドの華やかな生活を嫌い、異端児と言われたが、信念を貫く姿も重なる。因みに、マジオ役のフランク・シナトラは当時歌手としてスランプに陥っていたが、本作をきっかけに演技派俳優として開花する。
drgns

drgnsの感想・評価

3.2
戦争映画かと思ってたけど、どちらかといえば基地内の人間関係と、メイン2人の恋愛模様が中心に描かれていました。パワハラ、喧嘩、営倉送りなどでゴタゴタするけど、真珠湾攻撃までは恋愛できるくらいの割とのどかな日常の情景が続く。ハワイの美しい海や自然が映るけど如何せん白黒で‥女優さんも綺麗だし、カラーならどんなにか素敵だろうと思いました。
色んな要素が詰め込まれてるけど、描写自体は結構あっさり。最後まで煮え切らない感じがちょっと珍しい気がする。
青山

青山の感想・評価

3.8

1941年のハワイの米軍基地。
転任してきた主人公のプルーウィットは、拳闘部に入ることを断ったために部隊の中でイジメに遭う。しかし、彼は持ち前の強情さでそれに耐えながら友人のマジオや恋人のロリーンらと日々を過ごしていた。
一方、プルーウィットの理解者である軍曹のウォーデンは部隊長の妻カレンと不倫をしていたが......。

真珠湾攻撃の直前のハワイの米軍基地を舞台にした群像劇です。
調べてみたら原作は文庫で4巻の大長編らしく、それを2時間の映画にに押し込めてるわけですが、盛りだくさんでありながら一つの物語として分かりやすくまとまっています。

どうしても真珠湾のイメージがある本作ですが、描かれているのは普遍的な集団の醜さや信念や恋愛についてなのです。

主人公のプルーウィットがいじめられながらも頑固に意志を貫いていくというところなど、理不尽とそれに抵抗する人々の姿が物語の中心に置かれます。
男臭い感じのプルーウィットが意志を貫く姿ももちろんカッコいいんですが、彼の友達のちょっと三枚目なマジオくんがクソ野郎と戦うところは応援したくなっちゃいますね。
これは別に戦中だからとか軍隊だからという話ではなく、普遍的に世の中の理不尽とそれに屈しないということについての話なので、今見ても色褪せない名作と呼んで良いでしょう。まぁ褪せようにも元々色無いですけど。

そして一方、恋愛映画としては主人公の若い情熱と軍曹のオトナな不倫とで、一作で二度美味しくなってます。
主人公の側の話だと、有給もらって会いにいったら彼女が冷たかったシーンがすごく分かりみが強かったです。めったに取れない休みを前々から楽しみにしてたのに......というのは、怒りとも悲しみともちょっと違って、もはや青天の霹靂みたいな絶望的な気分ですよね。ここ別に特に重要なシーンでもないんですけど、こういうリアルな感情をさらっと描けちゃうのが上手いなあ、と。

また、不倫カップルの方にしても、これを見て「不倫はいけない!」と言う人はほぼいないだろうという説得力のある不倫(なんじゃそりゃ)でありまして......。結局不倫にしたって恋愛なんてケースバイケースの極み乙女なわけですから、当人の事情も知らずに叩くのはよくないなと藍色な気持ちになりましたね。
で、彼らの方ではジャケ写にもなってる名場面・"浜辺キス"があるわけですが、これがとても美しかったです。映画の名場面って往々にしてこういう全体の流れの中では別に重要でもないシーンだったりしますよね。
ただ、それでもやっぱり私は本作の名シーンにはあのラッパの方を推したいと思いますですよ。あれは......。

というわけで、集団における人間の醜さを描いた映画でもあり、そんな中で頑張る主人公を描いたお仕事映画でもあり、切ない恋愛を描いたラブストーリーでもある、面白さ盛りだくさんな傑作でした。
Yuya

Yuyaの感想・評価

4.0
ジャケットは ランカスターの名シーンに持ってかれても
やっぱ この名画はモンゴメリー・クリフト!
若さ 信念 美学 そして愛 あらゆる葛藤の
全てを体現した演技は 彼の生き様さながら

映画史に燦々と輝き続ける名場面の数々の果て
あらゆる希望を打ち砕く悲劇のクライマックスは
日本人として 目を背けたくもあるんだよなぁ
sonozy

sonozyの感想・評価

3.5
1953年 フレッド・ジンネマン監督
原作はジェームズ・ジョーンズの同名のベストセラー小説
アカデミー賞で8部門受賞(作品賞、監督賞、助演男優賞、助演女優賞、脚本賞、撮影賞、録音賞、編集賞)
原題「From Here to Eternity」は、ラドヤード・キップリングの詩「上流出身の兵隊」から。
ー上流出身の兵士は浮かれ騒ぐ、地上より永遠に呪われたる、われらごとき兵士に憐れみをたれたまえ..ー
邦題の読み方は「地上(ここ)より永遠(とわ)に」

1941年夏のハワイ、オアフ島のスコフィールド米軍基地。
ラッパの名手で元ボクサーのプルーイット(愛称プルー: モンゴメリー・クリフト)が転属し、良識のありそうな曹長ウォーデン(バート・ランカスター)に迎えられる。
そこには友人の陽気なアンジェロ・マジオ(フランク・シナトラ)もいた。

責務を果たさず趣味のボクシングと女に夢中な隊長に嫌われ、理不尽なシゴキを受けるプルー。
酒場で何度も喧嘩となる営倉の係長(アーネスト・ボーグナイン)から、最後はその暴力の餌食となってしまうアンジェロ。
という、軍隊内の人間関係の醜さの中での、プルーとウォーデンの心の交流。

ウォーデンと、ホームズの浮気癖に嫌気がさしていた妻カレン(デボラ・カー)との不倫。
プルーと、兵士相手のクラブで働くロリーン(ドナ・リード)との駆け引き。
という2組のラブストーリーが絡む展開。

そして、のどかな日曜の朝食時間、日本軍による真珠湾攻撃が始まる。。
この零戦による奇襲シーンは日本人として何とも言えない気分になります.....

この手のクラシックな作品は、公開当時の鑑賞者になりきって(無理ですが。笑;)、登場人物の魅力を楽しむようにしてます。
このビジュアルにある、バート・ランカスターとデボラ・カーの海岸でのキスシーン。
いい男モンゴメリー・クリフトと、いい女ドナ・リード(助演女優賞)。
軽妙な演技のフランク・シナトラ(助演男優賞)。良かったです。
悪い作品ではない。むしろそれなりによく出来た群像劇だと思いますが、これがアカデミー8部門も受賞する作品かと言われると、ちょっと微妙かも。

確かに豪華で実力派俳優女優が名を連ねていて、各々の演技も流石。モノクロでも伝わってくるハワイの心地よさそうな風景。そして運命のパールハーバーへと持っていく物語の上手い運び方。

それぞれ登場人物を取り巻くドラマも面白味を感じましたが、アカデミー賞をほぼ独占するほど飛び抜けてるものは個人的に感じませんでしたね。なので点数はこのくらいかなぁと。

色々言いましたが、あの有名な波打ち際でのキスシーンは映画史上に残る名シーンと言われるに相応しい美しさでした。
古い作品なんで若い方には、つまらんかな?しかし、僕はモンゴメリークリフトやパートランカスターなどの俳優
フランキーシナトラは、実は、ゴッドファーザーで、映画プロデューサーのベッドに馬の生首を入れた時に、推してた落ち目の歌手やったとの話、興味深い。フランキーは、見事にこの作品でカムバックした。
アカデミー賞8部門受賞なのになぜかどこのサイトも評価が低かったので期待してなかったのですが、かなり好きな映画でした。トランペットのシーンと最後の締めくくりはお見事でした。憎たらしい役だったアーネスト・ボーグナインはデビュー作だったんですね。キャストも豪華でした。
初見。字幕。
一言でいえば情熱的な映画ではないでしょうか。有名な波打ち際でキスするシーンなんかはまさにそうですし、ストーリーや登場人物など全体的にそんな感じがします。

ハワイの米軍基地に転属してきた主人公の兵隊さん、この人は悪い言い方をすれば要領の悪い人。命令通りにしていればある程度平穏な軍隊生活を送れるにもかかわらず曲げることができない確固たる信念を持っているが故に上官に逆らい不遇な生活を送ることになる。守るべきプライドとは何なのかというのをこの兵隊さんから考えさせられます。

最終的にはむなしい最後を遂げてしまうことがつらいですね。情熱的であるということは言い換えれば要領の悪い、不幸な人になってしまう。そんなことのように思ってしまいます。
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