酔画仙の作品情報・感想・評価

酔画仙2002年製作の映画)

취화선/STROKES OF FIRE

製作国:

上映時間:119分

ジャンル:

3.6

「酔画仙」に投稿された感想・評価

韓国時代劇面白い熱と、「チェ・ミンシク好きなら観とくべき」と勧められたので、レンタルで鑑賞。面白く、勉強になった。もっと歴史について知っていたらより楽しめるかも。

19世紀、朝鮮王朝末期に、孤児から身を起こし、絵師を志して、宮廷画家となったスンオプの物語。ちょうど日本が大陸に進出し始めた時期で、日本人や軍隊が登場したりという場面もある。なので、時代劇とはいえ、あまり大昔のハナシではない(無知な私はゆえに少し混乱)。

ミンシクの若さにちょっと感動するが、でも若いとはいえ相応に見えるかというとさにあらず。苦労した天才ゆえの独特な豪胆さと破天荒な感じ、また、強烈な身分差別に出くわした場での屈辱に耐える表情など、ほんとに表現が巧みで、名優怪優というに相応しいパフォーマンスが堪能できる。
どこまでを本人が演じてるのかわからないが、墨絵ならどはのライブ感あふれる筆さばきの鮮やかさや、絵の解説に当たるような台詞なども、やまと絵や水墨画に興味しんしんな私としてはとても楽しめた。ちょっと前に観た女性絵師の『美人図』に比べると、対象が限られてるんだけど、解説はより学術的な知識が付加されているとも思った。

スンオプを巡る女性たちとのエロティックな交歓は、思ったより控えめ、というか、それに流される感じではなかった。でも韓国時代劇で絵師というと、もうまんまエロでしょう、というピンクマークが点灯してしまう笑。
今作の官能シーンは、なんだか理系な感じがした。というのも、耽溺するというより、ぶつける、処理する、みたいな勢いだから。ユ・ホジュン、ソン・イェジンなどの美女が登場して楽しませてくれるけど、個人的にはキム・ヨジンの、威勢がよくて姉御肌で好色な女性像が面白かった。働きもせず、ヤってもくれず、箪笥も買ってくれないなら出てけ、と箒で叩いて追い出すような女性。ちょっとウケました、

ともかく細かいことはさておき、なかなか勉強になったのはまちがいない。スンオプが実際にどんな絵師だったのか掘り返してみたい。
ニシ

ニシの感想・評価

3.8
1人の芸術家の物語だが、深い深い哲学を感じた。
最後は驚きだけど、宇宙の根源に帰る事を表現したのかな。。
カント

カントの感想・評価

3.8
孤児から宮廷画家にまで登りつめた朝鮮王朝19世紀の伝説の画家、張承業(チャン・スンオプ)の生涯を描く史劇。

韓流宮廷ドラマ「イ・サン」を見てた方なら図画署(トファソ)の雰囲気をご存知でしょう。

スンオプの生きた時代は、朝鮮王朝末期、内憂外患で国が傾いていた時代。
日本では明治政府が樹立して朝鮮(満州)を統治しようと動き出した頃。
※残念ながら日本の学校では、この辺の近代史って勉強しません。明後日(2015-8-14)安倍総理が「侵略」の文言を入れた談話の発表に注目したい所。

孤児スンオプは幼少の頃に画才を見出され、キム先生のお世話になる。
ある日、スンオプの部屋に有った画を見たイ通訳官は、びっくりする!!
中国明代の名画「水仙梅雀図」がスンオプの部屋に有る!
聞けば、たった一度だけ見た名画を寸分違わず模写した物だった。

スンオプは本格的な勉強の為、ヘサン先生へ弟子入り。
「帰去来図」を描くものの故事の真の意味を理解していない、と叱責をうける。
スンオプは小学しか学んでいないので学が足りない。
※小学、中庸、大学は韓流時代劇ファンには、お馴染みのアレ。
※帰去来図のように中国圏の画のモチーフは故事に寄る所が多い。竹林七賢や寒山十得もそんな感じ?欧州の受胎告知や、日本の富士山図の様なモノか。

スンオプは妓生の笙奏者メヒャン(ユ・ホジョン)と出会う。
※私、ユ・ホジョンの若き日の美貌にウットリ!

その後、別の妓生と暮らすが…まさかの大女優キム・ヨジン!
※チャングムでもイ・サンでも活躍してる大女優。

南画や文人画って「お宝鑑定団」によく出てきますね。王堂、竹田、文晃、鉄斎、芋銭あたりがメジャー。
日本の生活様式は掛け軸を掛ける場所を排除してるので、益々廃れた文化になるでしょう。
ましてや韓国の古典画家に光が当たる事は少ないので、本作は意義深い映画です。
2015-8-12
R

Rの感想・評価

3.4
天賦の才を持って貧民の家族に生まれた実在の画家チャンスンオプが、その鬼才で宮廷画家にのぼりつめるまでが、終盤にかけて描かれる。朝鮮の歴史、スンオプの出会う様々な人々、彼らがスンオプに与えた影響などをかなり広範に描こうとしてるんだけど、約2時間という短さの割りにはちょっと盛り過ぎ。どれも深入りできず。ただひとつ、色々ありながらも、スンオプの画に対する妥協のなさと、酒と女と自由がスンオプの才を助長したことはしっかりと感じたよ。見どころは、書画の鮮やかさ。普段あまり目にすることのない画が、美しく映像におさめられてあり、筆が描きだす線とその色の濃淡で、何もない白紙に幽玄な世界があぶりだされていく様は魔法のよう。画には及ばないが、カメラの描きだす四季の美しさもまた、素晴らしい。とても色彩豊か。特に春に咲き誇る花々の黄の美しさ、冬に舞い散る雪の白は目を瞠る麗しさがある。まるで画のように遠近法の効いた印象的なロングショットも多いし。そんな美しさの中で描かれるスンオプの酒と女の放蕩生活は、かなり泥臭く、魅力があるとは到底言えないものだったが、演じていたチェミンシクはいい俳優だなと思った。ただ、御相手役のアンソンギの年をとったときのメイクがさすがに粗末すぎて唖然…。あんなあからさまにしわ書いちゃ学芸会笑