ひとりぼっちの青春の作品情報・感想・評価

「ひとりぼっちの青春」に投稿された感想・評価

残酷青春映画。

毎日ひたすら1000時間以上もダンス踊らされて最後まで残ったペアにだけ賞金が出る鬼畜系ダンス大会。
TSUTAYAに取り寄せてもらった。円盤プレミア価格付き過ぎやろ!
そして「何を思ってのこの邦題?!」って思う映画でもある。
消費される者と消費する者に分けられた不況時代の物語。

モロにニューシネマ。
映画表現における「より邪悪なもの」を知った今となっては思ったよりもパンチは弱かったが、別に邪悪でないとは思わなかった。
と言うか、ギグ・ヤング演じる司会進行のロッキーが、オスカー受賞しただけあって過去に類を見ないほど邪悪なキャラだった。
邪悪な商業至上主義者。観客もナチュラルに消費する側だから誰も何も、ダンスマラソンの惨状に何も言わず、そして惨状を求める。
ダンスマラソンは20~30年代にはガチで流行っていたらしい…アメリカマジで病んでたな。

さっきも言ったがモロにニューシネマらしい、観終わったあと絶妙に溜飲が下がらない映画。
鬱映画とまではいかなくとも、途中で唐突に数回挟まれるフラッシュバックが、いかにもそうであることを物語る。

スタローンは多分狙っていないだろうけど、この映画に登場するロッキーという邪悪なキャラと同じ名前のキャラによって、この7年後にニューシネマが完全に息の根を止められるのは絶妙な皮肉だと勝手に思っておく。
hinemos

hinemosの感想・評価

-
昔マラソンダンスというタイトルでTV放映してた気がするのだけど
Kir

Kirの感想・評価

2.0

このレビューはネタバレを含みます

耐久ダンス大会に出た男女の話。

フォンダ娘を初めて見たけど、パパ譲りなのか、なかなか味がある演技をされる。キッと怒った顔はほぼ一緒。

展開は何この映画な感じなんだけど、途中からグイグイ引き込んでくるから流石の監督の演出。

後はやっぱりニューシネマ。

使うものと使われるもの。動けなくなった使われるものは何故生きていけないのか。何故そうなってしまうのか。

本当にこういう大会がありそうな映画。

人生で大切なものは自由〜♪
backpacker

backpackerの感想・評価

4.0
「廃馬は殺される」

ーーー【あらすじ】ーーー
1932年、世界恐慌の嵐吹き荒れるアメリカ。
行くあてなく歩いていた失業者の青年ロバートは、ハリウッド近くの海岸沿いの町にたどり着く。
その町のダンスホールでは、賞金1500ドルをかけた、若いカップルが参加できるダンス・マラソン大会が開催されるそうだ。
そんなダンス・マラソン大会、ひょんなことからパートナー不在となった女性グロリアに捕まり、急遽参加することになったロバート。
いつ終わるとも知れぬ過酷な大会、1時間、10時間、100時間、1000時間と過ぎ、疲弊の果てに脱落する参加者たち。
そして、ロバートとグロリアを打ちのめす救いの無い真相。
その時グロリアは、ロバートにある"お願い事"をするのだった……。
ーーーーーーーーーーーー

ホレス・マッコイの小説『彼らは廃馬を撃つ』を原作とした映画『ひとりぼっちの青春』は、1969年製作の、アメリカン・ニューシネマの一作です。

「さあさあ、"運命のダンス"にようこそ。果てしなく続くダンスは始まったばかり。踊って踊っていつまで続くか。
最後の素晴らしい1カップルが残った時ー
最後のふたりがよろめきつまずきー
絶望の海を超えて勝利にたどり着くまで。
累々たる屍を乗り越えてたったひと組だけがー
1500ドルの賞金を獲得する。
頑張れ!運命は誰の手に、幸運と名声を手に入れるのは1カップルだけ。
諦め、疲れ果て、敗北する者 失格!
大変だ、このご時世と同じ。
偉大なるフーバーは言った"繁栄はすぐそこだ"と。
だが、この不況を見よ。
これが我々の声だ。さあ行こう!」

上記台詞は、興行師の男・ロッキーが、大会開始の際に述べたアナウンスです。
この言葉には、物語の時代背景・参加者の現状・アメリカ人意識、それらが全て詰まっていると感じましたので、書き起こしております。

そんな台詞と物語のあらすじ、二つを書いた上でなんですが、本作を簡単に言えば、"過酷な不況の時代において、社会から爪弾きにされた若者が、儚い夢を追い求め散っていく"という物語です。

また、本作は、"過酷な不況の時代"という文言を除くor置き換えることで、どんな時代においても当て嵌まる普遍性を持った映画でもあります。
即ち、本作は、昔の映画であり、現代の映画であり、未来の映画でもあるのです。

素直な視点で、本作がアメリカン・ニューシネマ全盛期に製作された映画として見る場合は、年齢がローティーンくらいとか、アメリカの歴史・社会背景等を多少なり把握していないと、鑑賞しても「なんかよくわからんな?」となるかもしれませんので、お気をつけください。


未来なき若者たちが、賞金1500ドル、またの名を"希望"という飴に群がる蟻となり、観衆は若者達が蠢く姿を見て楽しむ。
観衆にとっては、若者は娯楽の対象であり、自分たちが愉悦を得る道具に過ぎないが、「選手を応援する」という形式が醜い本質を覆い隠す。

人間の汚い本性が赤裸々にされる本作の、何と汚いことでしょう。
実際「観客が喜ぶならなんだってやる」「他人の窮状を見て楽しむために、客は金を払ってやって来る」というロッキーのセリフは、大作主義のハリウッドが作る「客が喜ぶなら何でもいい」拝金的映画への批判・皮肉であり、現実は最低最悪の地獄だ!という訴えそのものなのであります。

斯様に風刺的な訴えの映画が、アメリカン・ニューシネマの時代には数多く作られています。
大抵は、自由や夢を追い求めた若者が散々な目にあい、打ちのめされ、最後には死ぬという形式をとります。
興行師ロッキーの繋がりで、シルヴェスター・スタローンの『ロッキー』を例に挙げますが、この映画の最初のシナリオでは、「ロッキーはアポロとの勝負に挑むのを辞めてしまう」という、敗北と挫折の終わり方でした。まさしく完全なアメリカン・ニューシネマだったわけです。

本作も、アメリカン・ニューシネマ期の時代の雰囲気が、それとなく伝わってくる、そんな作品として仕上がっていると同時に、テーマが普遍さを有しているが為に、どんな時代に見てもマッチする、絶望的な傑作となりました。

どんな時に見ても、気分を落ち込ませ、ゲンナリと滅入らせてくれる名作、ご興味ある方は是非ご覧ください。


「戦いは続く。素晴らしい若者達だ。
耐え 勝利を夢見る。
運命が時を刻む限り踊りは続く。
"マラソン"はどこまでもどこまでも…
どこまで続くのか。
声援を さあ 声援を…。」


〜以下、蛇足駄文〜
「馬を殺すシーンがよくわからない」という意見が散見されます。
私も原作小説を読んでいない身のため、見当違い、的外れな事を書いているかも知れませんし、他人の評を批判するつもりは無いのですが、こういった意見を見たことで、単純な驚きと、忘れていた初心に対する気付きを得ることができました。

どいういことかと言いますと
「えっ!?ほ、本当に全編しっかり見たんだよね?でも、意味がわからない?そ、そんなことあるぅ??」
という驚きの後、
「そうか、そりゃそうだよな。"同じ映画"を見ていても、"同じ映画"であるとは限らない、受け取り方は千差万別だもんな」
と、ハタと気づいた……というより思い出したわけです。

人それぞれの映画観がある。
大多数がわかっていても、自分には理解できないものもある。
皆んなが面白がるトレンド作品も、自分には合わない事がある。
そんな当たり前なことをいつのまにか失念している。

"是非の初心忘るべからず"
"時々の初心忘るべからず"
"老後の初心忘るべからず"
折に触れて思い出す事が大切ですね。
なかなか見るのがキツイ映画だった。
ダンスマラソンって2〜3日位かと思ったら1ヶ月以上⁉︎そりゃ気も変になるよ。
ジェーン・フォンダはなぜ参加したんだろうとか、妊婦さんはさすがにまずいだろとか色々よぎってしまった。

鬼畜な主催者役のギグ・ヤングがアカデミー賞とゴールデングローブ賞の助演男優賞。それから女優志望の出場者役のスザンナ・ヨークが英アカデミー賞助演女優賞と脇を固めた俳優陣も評価が高い。

2021-492
半兵衛

半兵衛の感想・評価

4.2
大恐慌時代のアメリカを舞台に、男女一組でほとんど休憩せずにひたすらダンスして最期に残ったカップルが優勝という過酷なレースを参加した主人公たちを通して描かれる。1960年代末期というニューシネマ時代の作品のため作風は何となく予想はしていたものの、過酷なダンス大会でお客に動物やおもちゃ扱いで見られながら、衰弱して正常な思考が出来なくなりそれでも延々と踊り続ける登場人物たちの姿に見ているこちらまで神経が麻痺しそうな気分に陥る。そして主人公とヒロインが迎える悲痛というにはあまりにも悲しい結末は見終わったあと鬱状態になる。

あと途中で気づいたのだが、大金のため必死になって笑われ嘲られてもダンスをする主人公たちはコロナ下で社会が変貌しているにも関わらず正常なふりをして仕事をし続けている我々社会人という名の社畜とダブって仕様がなかった。正直大半の人は給料が減ったり、会社の内部事情や家庭の事情によって神経をすり減らしたりとそれどころではないのだが、それを認めたら普通の生活が崩壊するし他に仕事もないので敢えて今の仕事を表向きは何事もないように続けている人も多いはずのことを考えると、この映画の登場人物により一層共感し心が痛んでくる。それから途中どう見ても死んだりしている人が出てくるのに、大会が終わるのが嫌なので無視したりごまかしているのが社会の構図を見ているようで心苦しくなる。

ちなみにタイトルだと青春映画っぽい作風だけど、実際の映画は一ミリも青春要素がないので注意。むしろ明日のない大人たちという、少年少女が憧れないダメな人たちばかり。だからこそ成人したあと見るとその辛さがわかる。
mikoyan358

mikoyan358の感想・評価

2.5
無駄に感情移入させずにひりひりとした感情を徹底的に他人目線で描いた、一見するとロバート・アルトマンの映画かと思うようなシドニー・ポラック作品。賞金目当てにいつ終わるとも知れぬマラソンダンス大会に参加して徐々に阿鼻叫喚の姿を見せていく参加者+それを見て楽しむ観客というよくわからない世界観(笑)も、こうして何かにしがみつかねばならない後のない側とそれを笑っていられる側という社会の縮図を皮肉っているかのよう。何が正常なのか判別できなくなってくるような狂気のインフレにとどめをさすようなラストのあの言葉とかもあり、正直観るのは生涯一度で十分という感じ。
ゆん汰

ゆん汰の感想・評価

3.7
後味の悪い映画として有名な作品だったので鑑賞。これは確かに後味の悪い…
ダンスマラソン大会というちょっと日本ではよく分からないぶっ通しでダンスして残ったペアが優勝して賞金を得る為に行きずりの男女が大会に出るお話。

基本的に会話ベースなのと、時間の割に内容が薄いのが難点。ただラストに向かうにつれて物語自体の面白さも最高潮に。

あまり何度も見たい映画ではないけど、評価の良い理由はわかった。

このレビューはネタバレを含みます

謎のレースに謎の集団が参加して優勝の為に苦しんでて、一体これは何なんだろうと思いながら見ていたけど、よく考えたら上記の事柄は全て人生において合致するわけだし、優勝しても実は損をするだけで支援者が出ることこそ真の勝利っていう点も人生らしいから、映画として以上にその皮肉的なところが好きな作品。
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