小柄のエピソードがどこまでも人を食ってていい(笑)
広太郎が駈けていく道は希望に向かうのか、儚さが待っているのか。幼なじみの女郎との心中を失敗した彼の姉が女郎に売られ、それを救えるかどうかという流…
展開が読めないというか、百聞は一見にしかずというか。
ラストが特にそうだが、テンポがよく余韻が残る。
わかりやすい善人悪人の出てこない、しかし難解ではない世界観、底流に流れる感覚は普遍的なものがある…
障子に手をやり、俯く原節子の横顔。奥の庭には、粉雪が降り積もっている。
このワン・シーンで、まだ発声もままならない当時16歳の原節子の壊れてしまいそうな、見つめるだけで涙が止まらなくなる美しさのそ…
今まで見た中で恐らく最古の?ヤクザ・人情映画であったと思う。
今作監督時、山中貞雄は弱冠26歳であるし、原節子は16歳。彼女が出演している映画でフィルムが現存している最古の作品だそうである。
音…
山中貞雄作。庶民、武士、商人、殿様、それぞれが自由や不自由を味わいながら同じ世界を生きている。講談、歌舞伎をベースとした人情話だが、無駄を削ぎ落としたストーリーテリングと美しい撮影が連発され、目が退…
>>続きを読む苦しい。優しいんだか冷たいんだか。でも人情ってそんなもんだよな。嫉妬するあの人がとても人間らしくて憎らしいのに嫌いになれない。これが女の性なのか。不安定なようで原節子のあの声が妙に落ち着く。聞き慣れ…
>>続きを読む『百萬両の壺』が絵づくりとその配し方が特段際立つ作品であったのに対し、この『河内山宗俊』は脚本と役者が際立つように思った。
15歳の原節子はソフトフォーカスで聖性を帯びる。敵同士だった宗俊と市之丞…