午前十時の28作品目は「麥秋」。
英訳は「Early Summer」ですが初夏と麦秋は違う。
麦が育つと、一面が実りの色である黄金色に染まる。
風が吹くと、さわさわと稲より軽い音を立てる。
「秋」…
28歳、独身。紀子と同じ境遇のせいか、沁みました。
「あたし、40にもなってまだ一人でブラブラしているような男の人ってあんまり信用できないの。子供ぐらいある人の方が却って信頼できると思うのよ」
…
小津作品をスクリーンで。
それだけでも素晴らしいことです。
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家族の物語。
「いまが良い時なのかもしれないね〜」っという、家族を想う老夫婦の言葉が響きます。
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いまの時代だと、
セクハラ、パワハ…
午前十時の映画祭
昭和26年野鎌倉に住む三世代の家庭のお話。
学者の父親、医者の息子、専務秘書の娘と、ある意味エリートといえばエリートなお家なのかな。両親のことはお父さまお母さま呼びで、そのわりに…
この世の幸せは長くは続かない。
出兵、結婚そして隠居と、みんな、向こうへ行ってしまう。
これが今生の別れかもしれないと紀子は涙するから、私は感動する。
なぜなら、彼らはあの戦争を生き延びた人らなの…
家族という地獄、婚姻という地獄。
結婚こそが至上の幸せであり、未婚者はならず者であり、結婚に際する取り決めは当事者の意思と無関係に進むのが当たり前。そんな価値観をベースとして人物は動き、物語は進ん…