このレビューはネタバレを含みます
人生の挫折を抱えるボクサーたちの苦悩を繊細に描いた作品。
かつては有望なボクサーだったが、酒浸りになりながら肉体労働で何とか食べているタリー(ステイチー・キーチ)が、街の体育館で若いアーニー(ジェ…
フィルム・ノワールやハリウッドのシステムで映画を撮っていたヒューストンがアメリカン・ニューシネマのような代物を撮っていた。
寂れた街でボクサーくずれのタリーと若いボクサー、アーサーの2人の友情…
あまりにもいい。
勝者は周りの人に祝福されて明るい道を歩いて帰れるが、敗者は電気が消えていく道を歩くことになる。
ただ、勝っても負けても対して変わらない。酒を飲んで後輩に絡んで「ああはなりたくな…
誰もがFat Cityとは程遠く全編ブルージーで泣く。勝者になっても人生を上手く転がせないタリーと負けても堂々孤独に歩いて帰るルセロの対比。アーニーの未来だって明るいか分かったもんじゃない。誰もが何…
>>続きを読む【終わった人たち】
ジョン・ヒューストンのうらぶれた文学趣味、嗜好性が発揮されたボクシング映画の名編でジェフ・ブリッジスとステイシー・キーチが体当たりの名演技を疲労する。
寂れたBARで飲んだく…
70年代特有の閉塞感が、1人の男の先の見えない毎日とリンク。
リングから降りても、勝者と敗者に分かれ、片や光は当たらない。そして、そのまま敗北すら受け入れる感覚すら鈍る。
気づいた時には孤独であり、…
薄汚れた街角にたむろするオヤジ達。ぱっと見お洒落と思ってしまうがどんよりした空気と臭いが伝わって来るファーストカット。
若いボクサーの描写が絶妙だった。ブラッドとかキャロルキングが流れる車内で若い彼…
クッソ面白い。おっさんと若造のなんたらと見せかけて、とにかくおっさんの映画で素晴らしい。
まずそうな飯。うるさい人間。でもうるさくない奴といると、喋ることがない。世界は良し悪しなく無慈悲で、故に何が…
キーチとティレルが酒場で戯れ合うシーンの痛さ。頭突きでジュークボックス叩き割って「俺を信じて、君を信じる!」とか口ずさみながら肩で風を切って2人で外へ繰り出す。その浮かれぶりに戦慄。彼女であるキャン…
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