★1989年に続き2回目の鑑賞★
中世の民衆芸能を原話として森鴎外が執筆した原作を映画化。そのような出典であるがため、正直、ストーリーは凄くおおざっぱで単純でご都合主義的なところも多い。
また…
各カットのあらゆる要素に抜け目がなく、作品世界に引き込まれて、あっという間にラストに辿り着いている。
そしてショットの引力が凄まじい。
物語の残酷さとは相反するように映像美が確立され、戸惑いを覚える…
映画を観始めてから、安寿と厨子王のお話しか…と気付く。
まあしっかり内容を覚えてなかったからいいんだけど…
そもそもこの小説タイトルはなぜ「山椒大夫」なんだろうね?
溝口健二の最高傑作と言われて…
とにかく美しい映画という前情報のみで観ましたが、想像していたよりもかなり陰鬱なストーリーでした。山椒大夫がまさか悪役の名前だとは。。
観る前は表紙からは静謐な美しさを何となく感じていましたが、観終…
【原作とは違いが】
溝口健二監督作品、1954年制作。
言わずと知れた、森鴎外の小説で有名な作品の映画化。ただしここでは安寿が妹、厨子王が兄に変更されている。
安寿を若かりし頃の香川京子が…
溝口はワンシーンワンショットっていうレッテルが馬鹿馬鹿しく思えるくらいにはここぞというタイミングで割っている。御触れを出し屋敷へ取り締まりに向かうシークエンスで、身分が改まった花柳喜章と進藤英太郎が…
>>続きを読むこれで溝口の有名作は大体観たけどいまいちハマらない
映像はとにかく美しいんだけど同年代で世界的評価が高いことで共通している黒澤や小津の作品ほどの魅力はない
美しさに全振りしてる感ある
ワンシーンワン…
溝口健二作品を初鑑賞。
森鴎外の名作短編小説を適度に脚色し、ドラマチックに仕上げた映画。
内容的にはかなり切なくて辛い作品ではあるものの、人情の美しさが鮮烈に描かれており、どこか清々しい印象すら…