山椒大夫の作品情報・感想・評価 - 2ページ目

「山椒大夫」に投稿された感想・評価

溝口健二監督の壮大なる平安絵巻であった。

安寿と厨子王の物語を軸にした物語であるが、人物配置・風景描写などに練りぬかれた感のある映像表現に感服した。 

特に印象的だったのは、波のように揺れるススキ野原の風景など。 

傑作。
CK3

CK3の感想・評価

3.9
名作、30年ぶりだろうか再見

計算され尽くした構図と宮沢一夫の巧みなカメラワークがもたらす映像演出は素晴らしい
佐渡の美しい海の情景がモノクロなのに色鮮やかと思ってしまうほど
安寿が入水するシーンがその水面の波紋までも神秘的で悲しく、涙をそそる。
今から約50年以上も前の映画ではあるが、時間を費やし撮影した本物の情景は時代を経ても色褪せない
ゴダールの名作を見たせいか、彼が最も敬愛する日本人監督である溝口健二の作品がふと見たくなった。

原作の安寿と厨子王丸でも小説の山椒大夫でも姉弟の関係なのに何故この作品だけ兄妹になっているのか、香川京子の年齢に合わせたにしても弟と通用する市川雷蔵とか長門裕之とかの役者はどうしても持って来られなかったとか、と考えたらその点は未だに惜しいと思えるけど、作品自体は雨月物語に続く宮川一夫の起用もあり映像が頗る美しくて素晴らしい。

途中結構胸糞悪い展開が続くから頻繁に見たくなる映画でもないけど、優美な自然の風景の数々が鮮烈に記憶に残って時折鑑賞欲求が湧き上がるから困る。
mar88

mar88の感想・評価

4.5
全く知らなかった作品。
原作は森鷗外。


後半に進むにつれその物語の完璧さもさることながら、セットや衣装も妥協を感じず、特に映像に驚く。
こちらも物語動揺、おそらく完璧に計算されたであろう美しい構図。

特にわたしは安寿が入水するシーン。
そして、祈る人。
入水後の池の波紋。

この流れが完璧すぎて、戻してもう一度見てしまった。



ジャン=リュック・ゴダールはインタビューで好きな映画監督を3人挙げてください」と言われた時「ミゾグチ、ミゾグチ、ミゾグチ」と答えたそうですね。
実際に「気狂いピエロ」のラストの海のシーンはこの「山椒大夫」のラストのオマージュということは結構有名な話なんですね。

しかし、わたしはさっき書いた安寿の入水シーンからの流れも「気狂いピエロ」の中にとてもよく似ているなぁと思ったシーンがあるのですがそれは違うのでしょうか?

それはどこにも書いていないようなので確かめる術はないのですが・・・
どなたかご存知でしたら教えてください。

というわけで、この「山椒大夫」をより美しい映像で観てみたくてBlu-rayが欲しくなってしまっている。また一つ「ほしいものリスト」に追加してしまった。

最近、中々映画を観る時間がとれず、ちょっとしたジレンマを抱えていますが、こんな傑作を観てしまうと、それがさらに強まりそうです。
tarouman

taroumanの感想・評価

3.5
池袋新文芸座。香川京子祭り

MM怒りのデスロードをこの間見たばかりで、山椒大夫王国がV8帝国に見えて仕方なかった。成人した厨子王が手先になっているところもシャリーズセロンちっくな展開を思い起こした。

長時間労働、サービス残業と山椒大夫王国はブラック企業の走りだが、この時代に働き方改革を提唱していたのは新鮮な驚き。

カメラワークは流石の名作。観ていてとっても気持ちよい。
因みに冒頭のショットで庭石のようなものを映して途中、もう一度そのショットが出てきたが、何か意味があるのか。

ラストシーンは分かっていても涙、涙、涙。
田中絹代は、彼女が辿った辛酸極めた人生をたった数分で観客にイメージさせる。素晴らしかった。

観終わってから振り返ると、水戸黄門的というか割合ご都合主義的な展開も目に付くが、観ている際さほど気にならなないのは、総合力のなせるところか。

テーマが根本的、普遍的なものでいろいろと含みを持たせる映画になっている。名作と呼ばれて当然の作品。
平安時代のセットの作り込みと映像がすごいと思う。名作。
若い映画監督志望の人が見たら「俺には無理」ってなりそうな圧倒的な作品。

「香川京子映画祭」@新文芸坐
今さらながら意識して見るとカメラワーク、長回しがスゴい

見てて気づかないような長回し

厨子王と安寿を残して田中絹代と浪花千栄子の乗った船が佐渡に向かって出るときの、船からのカメラがとても印象的

あっという間の125分

なるほど、荘園は私有地だから国守といえども手が出せないのか、というお勉強になった

津川雅彦が出てたらしく調べてみたら厨子王の少年時代とな
見るべきリストに長年入っていたものの、溝口への苦手意識から今頃の初鑑賞となったが、まさしくこの御時世、今の自分の気持ちにピタリとハマった。忘れられない作品になった。
nn

nnの感想・評価

3.9
-美しく悲しい物語
-慈悲の心
-波紋
-荘園や漁村の情景
-完璧な映像美 構図、光と影
-笛の音
名作。
素晴らしい映像美、普遍的なテーマ。なぜかタルコフスキーの僕村の水のシーンを思い出した。終始しめやかで儚くて綺麗で哀しかった。衣装、ほかの美術も、ちゃんと使い込まれている、黄ばみや荒い感じが再現されていてすばらしかった。
初めての溝口健二作品だったけど、観てよかった。