夜の終りにの作品情報・感想・評価

「夜の終りに」に投稿された感想・評価

この世界のどこかにあるはずの、自分の肌で触れられない夜のことを、かろうじて、この限りあるフレームの中に収めてくれる。街の中ではなく、確固として存在させた部屋にのみ、彼女は見つかる。


この映画では、リアル感を味わうことができた。

最近の映画では、夜すぐにセックスをしてしまい、次のカットでは裸の2人が寝ている朝に変わっているというのが多い。

この映画では、ずっと喋り続ける2人を描いていた。
途中、キスをしたり、野球拳もどきなゲームをしていたりと、性に関連することが出てきたものの、結局は何もなく一夜が明ける。

喜怒哀楽はかろうじてあったが、盛り上がりが全くない映画であった。

素晴らしい。
これこそが リアルであり、
映画のあるべき姿ではないだろうか。

パターソンの次に この映画を観れて良かった。
mikoyan358

mikoyan358の感想・評価

4.0
ポーランドの巨匠アンジェイ・ワイダといえば「灰とダイヤモンド」のような共産主義の体制や戦争を痛烈に風刺する極めて硬派な社会派の監督だが、この作品のようなラブストーリーも作っていたのか!ふとしたきっかけで知り合い、ふと男の家に寄り道をして一晩限りの関係を築きそうな男と女の越えそうで越えない微妙な駆け引きを極めてプラトニックに描く。おそらく「自由主義の堕落」の象徴のような派手な恋愛が描けなかった時代、このような形で静かに恋が出来上がる過程を優しく紡ぎ出すワイダの引き出しの多さに改めて驚かされた。
『 灰とダイヤモンドと対になる映画 』

『灰とダイヤモンド』では労働党の要人の暗殺をしていた若者とバーで働く女性の恋が描かれていた。この作品でも享楽的な恋愛を繰り返すプレイボーイの若い医師とバーで出会った女の恋が描かれる。同じような場所で同じ様に運命的な出会いをする両者ですが、その恋の行方は対照的ですよね。

極限の状態で儚く散っていく悲しい恋愛に感動もするけれども、どうせ自分が体験するならば未来あるハッピーエンドな恋がしたいですよね?まさか異論は無いと思いますが、世の中が極限的に危機が迫ってくると悲劇的に散っていくことに美学を感じる人がいるんですよね。怖いことです。
アンジェイはノンポリで無責任だし、赤毛の女の子もなんか刹那的に生きている感じ。なんかふわふわしてて掴みどころがないけれども、平和な世の中ならではの二人だなって思う。

アンジェイが作るスクランブルエッグと、ナイフでもなかなか切れない固そうなパン。すごく不味そうだったけど、なんか食べたくなったw
nagashing

nagashingの感想・評価

3.5
政治的・社会的な文脈からはいくぶん剥離したワイダの異色作だが、当時のポーランドでは、ノンポリの浮わついたスタイルにもまた政治的な態度を認めることができたのかもしれない。
『勝手にしやがれ』を彷彿とさせる若者たちの即興的で抽象的なせりふの応酬、そしてそれが「時代の精神」にのっとった茶番であることに自覚的なシニカルさに主眼が置かれるいっぽう、空虚で軽やかな恋愛ゲームに回収されきらない率直な感情と衝動が顔をのぞかせる。ハッピーエンドを要請する検閲とそれに抵抗するワイダの折衝がもたらした、熱すぎず冷めすぎずの微温的な結末がとてもよい。
スコリモフスキ、ポランスキー、コメダら、ポーランド映画の次世代を担うことになる才人が参加。今回の追悼特集における本作のスチール写真では、端役のポランスキーがなぜか主演みたいに目立っており、まぎらわしいことこのうえない。
Hero

Heroの感想・評価

3.3
迫り来る未知、社会主義体制に抱く恐怖への抵抗としてアメリカ生まれのジャズを聴く。コメダの音楽はもちろん、その演出的意図が秀逸。
ワイダ教授によるポーランド近代史を期待してたのに、描かれるのは男と女の恋の駆け引き。そんなんテキトーな他の奴に任せときゃいいのに。

脚本の助手として付いたスコリモフスキが執筆中にどうしても出演したくなって端役デビュー、今作をキッカケに映画界入り。
日本への愛を語るワイダ。
喋りたがりの奥さんにコメント全部持っていかれる哀しげなワイダ。
………etc。
上映前の特典映像のほうが楽しい。

2017-

《アンジェイ・ワイダ監督追悼特集》
さど

さどの感想・評価

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やり過ぎなほど軽妙な男女の駆け引きに見え隠れする50年前のポーランドの若者の素。
筋書きを決めて「契約」を交わしたり、「マッチ箱ゲーム」でベッドインを躱したり。
ジャズドラマーでもあるアンジェイの夢は宝くじで車を買ってイタリアに行くこと。ローマ五輪に行くこと。彼女は無い物ねだりだとそれを笑う。
朝5時半、夜の終りに誰もいない通りを闊歩する若者たち。「人生は録音されたテープと同じだ」元カノとの会話、ジャズの演奏、擦り切れるまで繰り返しが続く、皮肉にもとれる発言。
時代が変わっても変わらない、彼らの他愛もない青春の言動を映し出したショットが心地良い。
minanana

minananaの感想・評価

5.0
初ワイダがこれ
観てて撮りかたがころっころ変わってほんとに1つの部屋なのか?ってなってた
そして女優さんの魅力が!!光りすぎてる!!!目の動かし方、この人だからこんなに素敵に映るんでしょうか、、、
何事もなかったかのように部屋にちょこんと座ってたり、自分も見ながら翻弄されたかも
ジャズの旋律も詩的でシックで映像をハイソにしてて、文句なしです
これが映画館で観れて良かった
神

神の感想・評価

4.0
ポーランド映画祭2016
ラストのその先を考えて勝手にドキドキした。駆け引きって凄いのな。
あと、アンジェイ・ワイダの手がでかい。上映前のビデオメッセージみて思った。
新宿のポーランド映画祭でみた。
ポーランドに惹かれてたんだけど、やっぱりおもしろかった。

白黒映画、当時の空気感そのままの描写、ポーランド人の演技、恋愛感。
社会主義の匂いがする退廃的なところに、すごく惹かれる。

我慢できない私にしたら、なんだこの駆け引き?と思ってしまうけど、覚えがないとも言えない。

これ見た後買ったパンフを、見つけた素敵な喫茶店で読んでまたさらに幸せ。
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