ストーンウォールの作品情報・感想・評価 - 34ページ目

「ストーンウォール」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

こういう雰囲気とても好き!
恥ずかしながらこのストーンウォールの反乱がLGBTの在り方に変化を与えたきっかけとなったってことを知らなかった私。
気になってwikiで読んだら映画では史実にかなり演出が加わっているのね。
まぁ、フィクションとして観るには個人的には問題ないかなと思った。
機動隊(アメリカだとなんていうの?)にラインダンスで対抗したり、投げたレンガがぶつかって窓ガラスが割れる瞬間とかはシビれたよね。

私の中でダニーはただレンガ投げただけの遅れてきた反抗期っていう青臭いイメージに落ち着いてしまったけど、
その分、彼を取り巻くストリートの仲間たちが良いキャラクターしてたなぁ。
レイ役の俳優は長編デビュー?なのにあの荒んだ綺麗さを上手く演じていたと思う。
ふつーにイケメンだよね、彼。
コンゴ役の俳優さんもいい存在感だった。
最後の注釈的な部分でエドの転身ぶりにはビックリ!

ってか、この映画ダニーを主役にする必要あった…?
僕にとってストーンウォールという名前は、何よりもゲイ文化としてのハウスミュージックとの関連で記憶されている。ラリー・レヴァンのミックスCD「ライヴ・アット・パラダイス・ガラージ」のライナーノーツは、ストーンウォール暴動こそがゲイ文化を切り開いたという記述から始まっている。だから、この映画で描かれている事件がなければいま僕たちが当たり前のように親しんでいるダンスミュージックの形もありえなかったかもしれない。もちろんダンスカルチャーのみならず、セクシュアリティを問わない公共圏/親密圏というものの発現を切り開いた端緒となるのがこのストーンウォール暴動だということだ。

事件から50年近くが経って、ようやくそのことが映画表現という形で広く知られることとなった。逆に言えば、50年経たなければこのことは語ることができなかったということでもあるのだが、なんにせよこの題材が当たり前に、「ゲイ映画」という括りではなくごくごく「一般的な」映画としてこうして公開されたことをまずは喜びたい・・・ところなのだが。

しかし、しかしだ、残念なことに本作の映画としての完成度はさほど高いものではない。ゲイ・リベレーションの歩みがひとつの歴史劇として提示されるというよりは、ひとりの青年のゲイ・アイデンティティへの葛藤と受容がむしろ物語の主要な力点となり、単なるビルドゥングス・ロマンの域を出ることがないからなのだ。

中だるみというにふさわしい退屈を少なからず感じてしまったことは否定できない。なぜなら、ゲイ解放運動のはじまりという歴史的瞬間と、主人公の心情の変化や成長、もしくは彼(女)らをとりまく人間ドラマというものが、さして有機的な連関を映画の中で持ちえていないようにみえてしまうからなのだ。そうなれば、歴史的な転換点というべきその時代背景はそれこそ文字通り「背景」にすぎず、単なるゲイのラブストーリーがそこにあるだけになってしまい、そうすると1968年であることの意味も薄くなってしまう。なるほど暴動シーンの高揚感や、最終的に1970年のデモに結実してセクシュアル・マイノリティへのエールとエンパワメントを歌い上げるラストシーンはさすがに感動的ではあるのだが、しかし逆に言えばそこだけが「見せ場」になるだけであって、結果として「ゲイ解放運動の歴史的知識の伝達」という啓蒙的な役割しか果たさないのだとしたら、映画として残念であるというほかはない。

同じゲイ・リべレーションを扱った「パレードへようこそ」や、ゲイ映画ではないがケン・ローチの「ジミー、野を駆ける伝説」が、社会運動と人間ドラマとの有機的連関を見事に保ちながら映画的感動を与えてくれたこととの大きな違いがここにはある。イギリスとアメリカの違いなのかもしれないし要因はいろいろあるだろうけれど、「(葛藤しつつも)抵抗する主体」であることをどれだけ意識できているかということ、エメリッヒに欠けているのはたぶんそれである。主人公の政治意識はどうあれ、こうなってしまったからには彼(女)らは政治的存在であるしかないにもかかわらず、このどこまでも中途半端にしか「社会化されない」主人公(たち)の描き方、それがこの映画をひどくぼんやりとした印象しか与えてくれないものにしてしまっているのではないだろうか。上記二本のイギリス映画が、たとえパンクと名指されようと左翼と呼ばれようと一向に意に介さないような清々しさとともに、「ざまあみろ!世界は俺らのものだ」と叫び突き抜けているのに比べるとなんと腰が引けていることか。ストーンウォールだってそういう熱気に満ちていたはずなのに、LGBTということばがあたりまえになった2016年にあって、「あれはこんな感じでした~」とさらっと言うだけなの?それでいいの?と拍子抜け。恥ずかしげもなく「戦う映画」をぶちかますことはそれでもまだ必要だよ。「キャロル」だって「アデル」だってこの映画の100倍は戦っていたと思うもの。
りほこ

りほこの感想・評価

3.3
予備知識ゼロで、暇だったから観てみた映画。
最初はふーんて感じでお腹空いてたのもあって、うとうとしながら観ていた(笑)けど、話が進むにつれてストーンウォールの意味、1950年代のアメリカではゲイへの市民権も雇用も禁止、集会を開く権利すらなかった。当時のストーンウォールではギャングと警察が繋がってゲイバーを運営していたほど治安が悪かった。現在もアメリカのホームレスの4割がゲイであり、貧困の彼らが異端者であるという差別や待遇を受けて来たのかが明らかになっていき、どんどん惹きつけられた。結果1970年の同性愛差別解放例までを追った史実に基づく(らしい)この映画によって暴力でしか戦うことのできなかった彼らがデモという平和的解決策に辿りつけたことに感涙!!
映画の雰囲気もスラム街っぽい汚い感じがよかった。ただ主人公イケメンすぎてリアリテイがない上に長かったなぁ(笑)
ぴな

ぴなの感想・評価

3.5
スクリーン2

エメリッヒ監督作なのもあって気になってた1本。

本作は史実と違うということで批判もあったようだけど、史実を基にしたフィクションだし、ゲイとして生きていく中で突き付けられる現実の苦悩は伝わると思う。
ゲイが病気だとか犯罪だという扱いをされていた時代。
(今でもそういう国はある)
いかに理不尽だったか、どんな暴力に晒されていたのか。そして、それを受け入れるしかなかった人たち。
レイの繊細さ、ダニーの家族との隔たり…泣かされた。

エンディングで流れる後日談。エドに何が起きたの??
@ シネマカリテ

予備知識ゼロでの鑑賞。
ゲイが病気であり、人権を認められていない時代。
「自由の国アメリカ」の差別的な時代、
ゲイの人権を解放するムーブメントをバックにした作品。
セクシャルマイノリティーに対する弾圧は、保守的な思想の人たちにとっては理解の範疇にないわけで、どこまでも残酷になれる。

たかだか40〜50年前なんですよね。
驚くことに。

ともかくもフラットに観て、悪くない作品だよなぁ、って感想です。
この映画がダメなのは、史実をひとつの背景にしてしまったことでしょう。史実をねじ曲げた云々以前に、その史実が主題として描かれていない。若者の成長物語でしかないですからね。演出も展開も大味で、なにひとつ心に響きませんでした。駄作。
mnpgf

mnpgfの感想・評価

3.5




暴力でよかったのかな、って見てるときは思った。でも今までずっと黙ってたゲイたちが行動に出たってことに意味があるんだろうけど。優しい人達が暴動に出るこの様子、トランプ当選後のポートランド市民とかぶった。

事実と映画のオリジナルが混ざっててアメリカでは批判も多かったようだけど、エンディングでストリーチルドレンの多くがゲイだとか、いまでもカミングアウトできないとか当時から現在にかけての実状が字幕で説明されてて、当時を忠実に再現というよりゲイの人々の生活の実態を知ってもらうのが目的だったのかなと思った。

主人公と親友とのやりとりにもっと重点おいてくれてもよかった笑

レイ役のひと、本当に女の子に見えた。すごい。
「ストーンウォールの反乱からインスパイアされたフィクション」(パンフレットより)として観るべき映画であることは間違いないが、無駄に史実に基づいているためにどうもカタルシスの生まれにくいストーリーになっていてどっちつかずな印象。どちらにせよ、マットクレイブンはもっと差別的な人間にしてよかったのでは?

しかし、LGBTの人々の苦悩は伝わったし、人権確立運動の歴史に興味を持つには十分だった。

おそらく、前評判を知ってる人からすれば、「あれ?普通に面白い。。」ってなるはず!
恥ずかしながら、ストーンウォールの意味すら知らず、先入観ゼロで見た「ストーンウォール」‥

見終わった後、ステキな映画に出逢ったな、と素直に思えた。
私には愛が溢れた勇気に満ちた優しい映画でした。

キャストが個性的で一人一人、印象に残る。
主演のダニー(イケメン)は苦悩しながらも自分の生き方を、
レイは強さ弱さ優しさを繊細に、情熱的に、
トレバー(活動家のプレイボーイ?)は大人の色気を、
エド(怖い大きいおじさん)はただならぬ不気味さを、
演じあげている。

世間体や体裁の良さを狙ってない、
押し付けがましさもない、
だからなのか、自分の生き方を後押ししてくれるようで帰り道、足取りが軽くなった。

ぜひ先入観なく観てほしい作品。
るき

るきの感想・評価

3.0
filmarks試写会にて鑑賞。
「レイルウェイ 運命の旅路」でコリン・ファースの青年時代を好演していたジェレミー・アーヴァイン主演ということとストーンウォールの反乱を描いた作品というのに興味を持ったのですが、Rotten TomatoesでもIMDbでも極端に低評価でびっくりしたら、そういうことだったのですね...。
いただいたプレスシートにも「ストーンウォール」と冠したことについて否定的なコラムが載っていたり、試写前にスタッフの方が「ボイコット運動が起こるなど賛否両論の作品」と前置きしたのが新鮮というか印象的でした。

シスジェンダーの白人ゲイ青年をヒーローにしたかったのなら、タイトルを「ストーンウォール」にし、実在の人物を登場させたりして(エンディングにわざわざ本人の写真まで載せている)史実をもとにしているように見せたのはまずかったんじゃないかと思います。
数十年後ならともかく、直接事件を知る人がまだ存命ですから。
フィクションにしておけば白人ゲイ青年の成長物語としてそれなりにまとまっていたのに...という気がします。
(ただ、同じように実話をもとにLGBTの権利運動を描いた「パレードへようこそ」の方が数段面白く、両作品の評価の違いには納得です。)