ストーンウォールの作品情報・感想・評価 - 34ページ目

「ストーンウォール」に投稿された感想・評価

ゲイであるローランド・エメリッヒが
同性愛者の映画を撮るって言うから安心したよ。
彼だって、ディザスタームービー以外も撮りたいよな。

この映画を見て、
李相日の「怒り」を思い出した。

ストーンウォールの反乱は
同性愛者たちの怒りが爆発した瞬間。
その怒りが爆発する過程がもっと丁寧に描いて欲しかった(ちょっと唐突すぎ)けど、
同性愛を親からも認められない社会、
同性愛者は男娼としてしか暮らせない社会、
そんなどうしようもない社会に対して、
ひた隠しに怒りを感じているというところが
「怒り」と一緒だと思った。

だからこそ、最後に因縁の相手に自分の気持ちを伝えるのは、
その「怒り」からの解放。
日本版ポスターの
「ありのままの自分で、誰かを愛したい」
はその背景を踏まえると、
本当にいいコピー。

にしても、ジョナサン・リス・マイヤーズの胡散臭さは最後まですごかった。
浮気仕掛けたところを見られて激怒されたのに、その浮気仕掛けた奴と結局寝たんかいっていう無責任さ笑
事実を元に作られたこの作品には、今とは全く違う、当時のゲイパワーを感じた。
そこには憧れのようなものも感じていた。

当時の社会背景を考えれば、とても生きづらい環境だが、その中で必死に生きている彼らがとても勇敢だし、人間らしく思う。

当時よりはるかにLGBTQ当事者は生きやすい社会になってはいるが、見えなくてもいい存在になってしまっているのが、希望と孤独を感じさせる。

家族のシーンでは、妹がとても勇敢だった。Allyの存在が当事者にとってどれだけ大きいか。

事実を元に作るのであれば、しっかりと伝えることがあるのではないか。公開前から事実を偽作していると上映ボイコットが起こっているほど。映画を見る前までは、別にいいのでは、と思ったが、エンディングであのような演出をするのであれば、人種・セクシュアリティを細かく作品に落とし込むべきだった。

しかし、ゲイパワー、ひしひしと伝わった
Riko

Rikoの感想・評価

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LGBT版DO THE RIGHT THING。
レイ役の人が良かった。可愛い。
脇を固める俳優陣がたいへん豪華、中心となる若手もみんな上手いし、それぞれ魅力的。特にレイ役のジョニーボーシャンがほんとうに可愛くてよかった。
史実に着想を得たフィクションてところで賛否あるみたいだけど、ラストは感動する。
emily

emilyの感想・評価

3.7
 1969年実際に起こった、同性愛者たちの権利運動「ストーンウォールの反乱」と呼ばれる物を基盤に描くそこに至るまでの、実話社会派ドラマになっている。

 ゲイであることが明るみになってしまったダニーは地元に住み続けることができず、親元を離れ一人、ニューヨーク・グリニッジ・ビレッジのクリストファーストリートへ向かい、いろんな人たちと出会う。その一人がレイである。男娼でお金を稼ぐしか手段がなく、皆でざこ寝してなんとか生活している日々だった。政治活動家のトレバーと出会い恋に落ち、しっかり同性愛者であることを認識し、みんなの中に溶け込んでいくダニー。やがて暴動へつながり、体も心も開放していく。

 法律によりその存在すら禁止されていた時代。仕事も行き場もなくとも、自分らしく生きることを選んだ彼らは全く鬱々とした雰囲気がなくどこまでも明るくすがすがしく、ユーモアがある。それぞれが苦しくとも自分の居場所をちゃんと感じてる。時代を感じさせる音楽が瑞々しく寄り添い、彼らの表情や感情描写にしっかりマッチしている。青年たちだけではない、そこにいる大人たちにもしっかりドラマがあり、それぞれの方法が上手く入り乱れ、魅力的な展開を見せてくれる。

 そうしてゲイの人たちは美形ぞろいである。特にレイを演じるジョニー・ボーシャン。なんと本作が長編デビュー作だそうですが、その美しさにくぎ付け。細いラインに、魅惑的な目の動き、ヤキモチやいた時の、絶妙な心理状況、小柄ながらも圧倒的な存在感を放ち、次回作が非常に楽しみな俳優である。
 
 当然日々の笑顔の中には、理不尽な警察の暴力行為や取り調べがあり、レイは客にレイプまがいに暴行を受けてしまう。また傷だらけになって泣きじゃくるレイが可愛くて、女の子にしか見えない。

 日々の音楽とお酒、底抜けに明るい彼らを見てるだけでも元気をもらう。何といっても自らが選んだ道、偽って生きるほうが幾分楽だろう。しかし自分が自分であることに誇りを持ち、若い彼らは自分のいるべき場所をしっかり持っていることが素晴らしい。ダニーもそんな彼らに感化されて、自分が自分であることに向き合い始めるのだ。暴動までのヒューマンドラマにはしっかり動きがあり、ダニー演じるジェレミー・アーヴァインの安定感のなかった目にしっかり強さが備わり、前だけを見てる反乱の後の表情が印象的である。何気ない心情をしっかり目線で綴る。それは自分が自分でいることを偽りなく見てきた、真実を知ってる鏡のように語っているのだ。

 瑞々しく印象深いシーンも多い。特に彼らが横一列に肩を組んで並んで、ステップを踏みながら歌うシーンには涙が止まらなかった。失うものが何もなくなった時、自分が自分であることを誇れるようになったとき、人はおのずと強さを持つ。今戦わないと未来なんてないのだ。見栄も名声も周りの目もすべて今が作っていくのだ。それは未来なんてないことが分かってるから、今戦う道を選んだ彼らの底知れぬ強さからの行動である。当然一人ではできなかった。信頼できる仲間がいる。自分の居場所がここにある。それだけが一人をそうしてみんなを強くするのだ。その勇気は当然未来である今につながっている。戦った”今”という彼らの時代があったからこそ、”未来”という今の時代がある。未来を切り開く、新しい年を迎える年末に見れてよかった。
miku

mikuの感想・評価

3.6

このレビューはネタバレを含みます

下調べをしないで観たので、エンドロールにローランド・エメリッヒとあってびっくり。こんな映画も撮るんだ〜と思ったら、彼も同性愛者なんですね。知らなかった!

LGBTの社会運動の話だと聞いて『パレードへようこそ』のような作品かと思ったけど、別ものでした。
自分がゲイと気付いた青年の成長物語。

ストーンウォール事件は全く知らない出来事でした。ただ映画のタイトルにもなっているのに、事件についての内容が薄かった印象。
それについてはパンフレットで映画ライターのよしひろまさみちさんが書かれていて、かなり批判していた。パンフレットで作品の文句いうのって、なかなか見ないですね。笑

ラストにジョーに会いに行くっていうのは、ちょっと女々しいなと…。全体的に一見ノーマルなゲイより女装してるゲイの方が強くてパワフル。自分を信頼し、失うものがないまでに追い詰められた人たちが歴史を変えてきたのでしょうね。

そしてやっぱりロン・パールマンの存在感たるや!!わずかな出演シーンでもお腹いっぱいの圧倒的威圧感に脱帽です!
T

Tの感想・評価

3.5
エンタメでもなく史実の再現でもなく。

否定的意見多数なのに納得。
けろえ

けろえの感想・評価

3.7
ひとりのゲイの青年の成長物語…かな。ストーンウォール自体はおまけみたいな感じ。

このレビューはネタバレを含みます

こういう雰囲気とても好き!
恥ずかしながらこのストーンウォールの反乱がLGBTの在り方に変化を与えたきっかけとなったってことを知らなかった私。
気になってwikiで読んだら映画では史実にかなり演出が加わっているのね。
まぁ、フィクションとして観るには個人的には問題ないかなと思った。
機動隊(アメリカだとなんていうの?)にラインダンスで対抗したり、投げたレンガがぶつかって窓ガラスが割れる瞬間とかはシビれたよね。

私の中でダニーはただレンガ投げただけの遅れてきた反抗期っていう青臭いイメージに落ち着いてしまったけど、
その分、彼を取り巻くストリートの仲間たちが良いキャラクターしてたなぁ。
レイ役の俳優は長編デビュー?なのにあの荒んだ綺麗さを上手く演じていたと思う。
ふつーにイケメンだよね、彼。
コンゴ役の俳優さんもいい存在感だった。
最後の注釈的な部分でエドの転身ぶりにはビックリ!

ってか、この映画ダニーを主役にする必要あった…?
僕にとってストーンウォールという名前は、何よりもゲイ文化としてのハウスミュージックとの関連で記憶されている。ラリー・レヴァンのミックスCD「ライヴ・アット・パラダイス・ガラージ」のライナーノーツは、ストーンウォール暴動こそがゲイ文化を切り開いたという記述から始まっている。だから、この映画で描かれている事件がなければいま僕たちが当たり前のように親しんでいるダンスミュージックの形もありえなかったかもしれない。もちろんダンスカルチャーのみならず、セクシュアリティを問わない公共圏/親密圏というものの発現を切り開いた端緒となるのがこのストーンウォール暴動だということだ。

事件から50年近くが経って、ようやくそのことが映画表現という形で広く知られることとなった。逆に言えば、50年経たなければこのことは語ることができなかったということでもあるのだが、なんにせよこの題材が当たり前に、「ゲイ映画」という括りではなくごくごく「一般的な」映画としてこうして公開されたことをまずは喜びたい・・・ところなのだが。

しかし、しかしだ、残念なことに本作の映画としての完成度はさほど高いものではない。ゲイ・リベレーションの歩みがひとつの歴史劇として提示されるというよりは、ひとりの青年のゲイ・アイデンティティへの葛藤と受容がむしろ物語の主要な力点となり、単なるビルドゥングス・ロマンの域を出ることがないからなのだ。

中だるみというにふさわしい退屈を少なからず感じてしまったことは否定できない。なぜなら、ゲイ解放運動のはじまりという歴史的瞬間と、主人公の心情の変化や成長、もしくは彼(女)らをとりまく人間ドラマというものが、さして有機的な連関を映画の中で持ちえていないようにみえてしまうからなのだ。そうなれば、歴史的な転換点というべきその時代背景はそれこそ文字通り「背景」にすぎず、単なるゲイのラブストーリーがそこにあるだけになってしまい、そうすると1968年であることの意味も薄くなってしまう。なるほど暴動シーンの高揚感や、最終的に1970年のデモに結実してセクシュアル・マイノリティへのエールとエンパワメントを歌い上げるラストシーンはさすがに感動的ではあるのだが、しかし逆に言えばそこだけが「見せ場」になるだけであって、結果として「ゲイ解放運動の歴史的知識の伝達」という啓蒙的な役割しか果たさないのだとしたら、映画として残念であるというほかはない。

同じゲイ・リべレーションを扱った「パレードへようこそ」や、ゲイ映画ではないがケン・ローチの「ジミー、野を駆ける伝説」が、社会運動と人間ドラマとの有機的連関を見事に保ちながら映画的感動を与えてくれたこととの大きな違いがここにはある。イギリスとアメリカの違いなのかもしれないし要因はいろいろあるだろうけれど、「(葛藤しつつも)抵抗する主体」であることをどれだけ意識できているかということ、エメリッヒに欠けているのはたぶんそれである。主人公の政治意識はどうあれ、こうなってしまったからには彼(女)らは政治的存在であるしかないにもかかわらず、このどこまでも中途半端にしか「社会化されない」主人公(たち)の描き方、それがこの映画をひどくぼんやりとした印象しか与えてくれないものにしてしまっているのではないだろうか。上記二本のイギリス映画が、たとえパンクと名指されようと左翼と呼ばれようと一向に意に介さないような清々しさとともに、「ざまあみろ!世界は俺らのものだ」と叫び突き抜けているのに比べるとなんと腰が引けていることか。ストーンウォールだってそういう熱気に満ちていたはずなのに、LGBTということばがあたりまえになった2016年にあって、「あれはこんな感じでした~」とさらっと言うだけなの?それでいいの?と拍子抜け。恥ずかしげもなく「戦う映画」をぶちかますことはそれでもまだ必要だよ。「キャロル」だって「アデル」だってこの映画の100倍は戦っていたと思うもの。