ポルりん

映画 きかんしゃトーマス 探せ!!謎の海賊船と失われた宝物のポルりんのレビュー・感想・評価

1.9
かなりつまらなく退屈ではあるが、乗り物に自我が目覚めた際の危険性など色々と考えさせられる作品。


あらすじ

ふざけすぎたトーマスはゴードンの急行客車を脱線させてしまい、トップハム・ハット卿に叱られ、罰として新しい支線の工事を手伝う事になる。
その途中で大きな穴に落ち、そこで大きな海賊船を目撃した。


20年ぶりに「きかんしゃトーマス」を鑑賞したが、かなりキャラクターの性格が改変されており、特にトーマスの変貌振りには驚いた。

私の記憶にあるトーマスはいたずら好きな所もあるが真面目で努力家なので、個人的にはかなり好感の持てるキャラクターであった。

しかし、劇場版仕様なのかは分からないが、本作のトーマスはゴードンがムカつくという陳腐な理由でゴードンの客車を強奪するといった常軌を逸した行動をするキチガイに変貌している。
おまけにその客車を脱線させるし、全ての責任をゴードンに擦り付けようとするゲスっぷりまで加わっている。
かなり派手な脱線事故なので、世界的なトップニュースになっている筈だ。

これだけの事をしたので、普通なら解体ものなのだがトーマスの処罰は支線の工事を手伝うといった有り得ないほど軽いものであった。
それにも関わらず鬼畜トーマスは、

鬼畜トーマス「僕はトップハム・ハット卿の一番お気に入りなのに・・・。何でこんな目に合うんだ。」

と微塵も反省をせず、それどころか恨み節を吐く始末だ。
更に地面を陥没させ、強盗の手伝いをするといった悪事を働いている。
「きかんしゃトーマス」には意地悪をする貨車などクズなキャラクターが多いのだが、恐らく一番のクズキャラはトーマスではないだろうか・・・。

これだけの悪事を働いたにも関わらず、トップハム・ハット卿の部屋に侵入した強盗を追いかけたというだけで(取り逃がしている)、トップハム・ハット卿は今までの罪をチャラにしてNo.1の座に戻している。

いや、何で今までの罪がチャラになるんだよ ( ゜Д゜)ドルァ!!
どう考えてもおかしいだろ ( ゜Д゜)ヴォケ!!
捕まえたならまだしも、何で取り逃がして評価されるんだよ (゜Д゜)ゴルァ!!

そもそも、トーマスが強盗に財宝の事を教えなかったら、強盗もトップハム・ハット卿の部屋に侵入し盗みを働く事もなかっただろう。
正直私にはトーマスが強盗に犯罪を起こすよう誘導しているようにしか思えなかった。
恐らく確信犯なのであろう・・・。
強盗に犯罪を起こさせ、その強盗を捕まえる事により汚名返上しNo.1の座に返り咲くよう入念に計画された計画犯罪ではないだろうか・・・。

なかなかのクズだが、これだけの所業を許すトップハム・ハット卿には大きな違和感を覚えてしまう。
もう心が広いとかそういうレベルではない。
世の中には対物性愛者といって、建物や物に愛情を抱き性的に惹きつけられる人が存在するが、もしかしてトップハム・ハット卿は対物性愛者なのではないだろうか・・・。
あまり想像したくはないが、ここまで来るとトップハム・ハット卿とトーマスは肉体関係があるとしか思えない。
だから、死者が出るような重大な事故を起こしてもちょっと怒るだけで終わるのではないか・・・。
と、いう事はトップハム・ハット卿はゴードンやジェームスとも肉体関係があるという事になってしまう。
セックスフレンドが多いのは別にいいのだが、少しは遺族の気持ちを汲み取って欲しいものだ。


以上の事もあるが、本作を鑑賞して「きかんしゃトーマス」は子供向けアニメには適さないように思えてくる。
恐らくトーマスなどを反面教師としているのだろうが、事故のレベルが毎回世界的トップニュースレベルである。
一応、その場では謝罪するのだが、次の話では起こした事故の事を完全に忘れており、また似たような重大な事故を引き起こしている。
これで、処罰が厳しいのであればいいのだが、基本的には怒られるだけ終わりだ。
果たしてこれを観た子供はどのように感じるのだろうか・・・。


どちらかと言うと「きかんしゃトーマス」は子供よりも大人向けな作品のような気がする。
はっきり言って本作はクソつまらなく退屈な作品ではあったが、乗り物が自我に目覚めた際の危険性やそれに対する権利の問題、そして権力者の横暴に対する問題点など色々と考えさせられる部分もある。
ポルりん

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