ある戦争のネタバレレビュー・内容・結末

「ある戦争」に投稿されたネタバレ・内容・結末

よくできた作品です。
部下を助けるために敵の視認なしに爆撃要請をした隊長が裁判を受ける話。
前半は隊長と部隊のアフガニスタンでの日常と、隊長の妻がデンマークで三人の子供を子育てする様子を並行して描き、爆撃後の後半はデンマークでの裁判の様子を描く。
見方によっては退屈なそれぞれの日常を丁寧に描いたことが後半になって効いてくる。

隊長はなぜ前線に立つようになったのか、またなぜ爆撃要請を強行したのか。アフガニスタンでの過酷な日々を観ていると彼の選択は誤っていたと責めるのは難しい。
一方でその彼の選択で罪のない11人の人間が死んだということ、その中には子供を含まれていたということは紛れもない事実で、隊長はその呵責から法廷での立場を迷う。道徳的には罪を償うべきという考えが頭をよぎっても、現実問題として三人の子供を養ってもいかなければならない。一人で三人の子の面倒を見ている妻は精神的にも体力的にも限界に近い。彼女が「死んだ人のことはどうしようもできないんだから未来のことを考えなさい」といったことを乱暴に叫ぶシーンがあるけれどこれも責める気にはなれない。彼女の日常はあまりに過酷で、これ以上苦しめられるのは耐えられないと思う。

結局隊長は無罪を勝ち取るけれど、果たしてそれが正しかったのかはわからない。彼が無実なら11人が死んだ罪は誰か背負うんだろう?そもそも遠いアフガンで起きたアフガンの人の死亡事件をなぜデンマークで裁くのだろう?なにひとつすっきりしない。世界のある歪みを覗く物語。

妻のパートのうち、子供が薬を誤飲するシークエンス、すごかった。これを映そうと考えた人天才です、物語の解像度が格段にあがりました。

タバコを吸うシーンがめちゃめちゃ多いのも印象的。しかもみんな心を落ち着ける目的で吸っている。それだけこの物語の人々はすり減っている。

ブッチャーがなぜ証言を覆したかはわかんなかった。でもたぶん隊長への尊敬の気持ちからだろうな。しかし証言の後出しじゃんけんがこんなにも影響していいんだろか。そもそも故意ではない民間人の殺害は最長で懲役4年という法の妥当性もさっぱりわからない。
この物語でもっとも置き去りにされているのはアフガンの死者たちだということは確かだと思う。
アイインザスカイを思い出した…難しいよなー正解とかないんだもん。鬱鬱…🤕でもやっぱ家族と会えてよかったねって思っちゃうんだよなー
判決理由、カットすんのかーい
軍事法廷というもう一つの戦争の重苦しいドラマで最後にこれはない。
<❝戦場の正義❞を問う裁判劇の虚しさを描く>

本作のテーマは「戦場において正義はあるか」と言われているが、戦場の大混乱の中で、敵兵を冷静に確認した上で応戦する、一般市民を絶対に巻き添えにしない、これらに完璧を期すことなど果たして可能であろうか。
そのことを裁判で断じることに、この反戦映画の逆説的な意味がある。
戦争に正義や倫理を問う意味はなく、この裁判そのものが茶番であることを示し、予定調和で終結する国のイベントの一環であることを露呈させている。
だから検事の主張は虚しく空回りし、被告は抗弁に苦慮し、思いきり後味の悪い映画になっている。
戦場シーンはドキュメンタリータッチで、終始加害者目線で描かれ、射殺した敵の死体を囲んで談笑するシーンには、制作者のやり切れなさも感じ取れる。
偽証によって得られた無罪と、それに伴う安堵感と罪悪感。だがそれを責める権利は誰にもない。
戦争における正しさを問うことの虚しさ、それを知っていながら法律に則って裁判をしなければならない現実もまた虚しい。
映画にドラマチックな展開はなく、物語は淡々と進み、何のカタルシスもなく終わるので、やや退屈した感は否めない。
だからと言ってメッセージが弱い訳ではなく、ずっしりと重く響く。
※映画のあらすじはブログ『偏愛的映画案内』をご覧ください。
結構よかった。
戦地にいる兵士と戦地から父親の帰りを待つ家族。
前半は戦場シーン中心で後半は法廷が中心の人間ドラマ。
一人の仲間を救うために、子供含め多くの民間人を殺してしまった主人公。
戦地から帰った後の奥さんの
「死んだ子より、生きてる我が子を心配して」という言葉。
ひどいと思うかもしれんが母親としてはこれが本心よな。

監督のインタビューみたけど、なるほどなって思ったわ。
世の中、何が正しいか答えを出すことが出来ない問題ばかり。
だからこそ常日頃から自分という人間を見つめ、何に価値を見出すか考えとくべきだと。
仲間を助けて民間人を殺す、仲間を見捨てる。
結果として隊長がどっちを選択しても苦しんだと思うけど、その選択は間違ってなかったと自分が思える選択をしていかにゃあな。
国に残した家族とか部下を守る姿とか裁判や罪とは全く関係ないことを映像でからめてくるあざとさ。民間人確認しないで空爆しても無罪なのかという驚き。アメリカがアカデミー賞くださったの納得。
途中から法廷ものになったが大した波乱もなく。アフガン舞台の時は起きそうで起きないことを描いてるのは良かったが。狙って単調な感じにしてるなら成功してる。
嘘を背負いながらこれから家族と向き合わなければならない辛さ。無邪気な子供たちを見ると偽りの自分にたいしてより一層苦しくなるだろう。ラストシーンにその全てが詰まってたと思う。
主人公の判決後の微妙な表情。
結果的に仲間の命は助かって、無罪になったからこそ家族との時間もとれるわけだけど、同時に主人公からしたら二回も間違った判断をしてしまった訳で...罪悪感。

戦闘シーンよりも家族との関わりも多くてリアルだった。
部下を救うために結果として民間人を犠牲にしてしまった。
緊迫した戦場で冷静な判断を求めるのがいかに難しい事かが問われている。最近の戦争は民間人を巻き込むゲリラ戦。民間人か、敵兵かの見極めも難しい(アメリカスナイパーでもそういうシーンが)敵を倒すために民間人の犠牲はどこまで許されるのか?法の解釈の立場、立場での判断の違い、誰も責任を取りたがらない故の上への判断委ね、その為の時間の浪費(Eye in the Skyではこの辺りがテーマでした)
町の民間人をタリバンから守る為に派遣された筈が、結果民間人を殺害してしまう。部隊長クラウスの苦悩、無罪だったもののこの苦悩を一生背負って
生きていくのだろう。無罪だからとハッピーエンドではない、考えさせられる映画でした。
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