近松や雨月などの大作を撮ってきた溝口の最後が80分台という事にまず感動する。
京マチ子の強烈な登場、うちはヴィナスやなんてセリフに芝居どうやったらさせられるんだろう。
三益愛子が発狂するシーンの明滅…
『哀れなるものたち』にでてきたような娼館で働く女性たちの状況を、あくまでも淡々と描く。そこには楽しい瞬間もあれば、地獄みたいな時間もある。売春の場面は描かれないことで見やすくはなっているが美化されて…
>>続きを読む溝口健二なのでこちらも観ました。
「八頭身や」
「あはは、そうやろこんなにいい仕事ないもんなぁ」っておでん?を居酒屋でつまんでる今日マチ子のシーンが好き。
若尾文子が、着物にキラッキラしたイヤリ…
舞台美術がすごく素敵でした…
若尾文子が美人すぎて慄きますが、キャスティングが妙すぎます…
たしかに小津安二郎とも黒澤明とも違いますし、女性の群像劇と美術の感じがとにかくとても印象的でした…ビーナス…
このレビューはネタバレを含みます
すぐにヘンリーミラーの「北回帰線」を連想した
赤線の館「夢の里」で働く女達のそれぞれの視点と、当時の風俗街の時空やリアルを描く傑作
群像劇としての登場人物とカメラの距離感としてこれほど見事な映画は…
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