謎多きホームレスの若い女性モナが冬の南仏を放浪し、最期の二ヶ月を記したロードムービー。
客観的に描写される彼女の仕草と行動。
旅の中で出会ったさまざまな人から見た断片的なポートレートから浮かび上がる…
徹底的に社会を拒否するボネールが、定住した共同体のガス抜きの享楽にとどめを刺される皮肉と自由を道連れにする強靭さにヒリヒリすることこの上なく。旅人と浮浪者の境目、異物への恐怖や感応を冷徹に撮るきるヴ…
>>続きを読む冒頭で示される死(体)へと向かう様を淡々とシーケンスを積み上げて描くスタイルはまるでロベール・ブレッソンの『やさしい女』のようだとは褒めすぎか。しかしここでの死はブレッソン作品の様に崇高なものではな…
>>続きを読むずいぶん前に深夜テレビで見て印象に残っていたので鑑賞。
その時に何を感じたのか覚えておらず、また思い出すこともなかった。
パンしていくカメラが何度も主人公を通り過ぎていって関係ない人で止まる。
主…
サンドリーヌ・ボネール演じる汚ない浮浪美少女モナは僕にはまるでヴァン・ゴッホのように見える。冒頭から糸杉が登場したりゴッホの絵葉書が映っているせいもあるだろうが、なにより彼女の無邪気でエゴイスティッ…
>>続きを読む把握したと感じた瞬間に指の間から砂のように零れ落ちていくモナの存在。常に理解の範囲外に。モナに五感で即物的に対峙する。社会に生きる人々は周縁に生きるモナに強烈に憧れる一方で、己の優位を全く意に介さな…
>>続きを読むどこから来たのかはわからないのにどこへ向かうのかは宿命づけられている生々流転。色あせた冬景色と、サンドリーヌ・ボネールをフレーム内に留めようとしない不安定な横移動がそのさすらいの寄るべなさを物語る。…
>>続きを読む(c) 1985 Ciné-Tamaris / films A2