最初で最後のキスの作品情報・感想・評価 - 3ページ目

最初で最後のキス2016年製作の映画)

Un bacio

上映日:2018年06月02日

製作国:

上映時間:106分

あらすじ

不器用な僕らが誰よりも輝いていた日々 イタリア北部・ウーディネ。個性的なロレンツォは、愛情深い里親に引き取られ、トリノからこの町にやって来るが、奇抜な服装で瞬く間に学校で浮いた存在に。 ロレンツォは同じく学校で浮いている他の2人――ある噂から“尻軽女”とのそしりを受ける少女ブルーと、バスケは上手いが“トロい”とバカにされるアントニオと友情を育んでいく。 自分たちを阻害する生徒らに復讐を…

不器用な僕らが誰よりも輝いていた日々 イタリア北部・ウーディネ。個性的なロレンツォは、愛情深い里親に引き取られ、トリノからこの町にやって来るが、奇抜な服装で瞬く間に学校で浮いた存在に。 ロレンツォは同じく学校で浮いている他の2人――ある噂から“尻軽女”とのそしりを受ける少女ブルーと、バスケは上手いが“トロい”とバカにされるアントニオと友情を育んでいく。 自分たちを阻害する生徒らに復讐を試みるが、それを機に少しずつ歯車が狂い始める・・・。

「最初で最後のキス」に投稿された感想・評価

Risako

Risakoの感想・評価

4.0
最後にどんでん返し。
でも、社会の縮図を綺麗にまとめられてる。
あの時こうしてたら、、、って思う。
けど、過去は変えられないものはわかってる。
だから刹那的瞬間であっても、相手を思いやること、自分を大切にすること
を大事だと感じた。
観終わって初めてタイトルの意味がわかった
エンディングのMIKAの『Hurts』が痛い!

途中まではキラキラした青春ムービーだと思ってたから、とんでもないどんでん返し
妄想と現実がごっちゃになって、理解するのにちょっと時間がかかった
ポップなCGやダサいダンスシーンはすごい好き!
男の子2人×女の子の作品は数あれど、これはきっと忘れられない作品になるなー
あのときああしてたら、ってあれこれ考えちゃうわたしはやっぱりタラレバ娘...
Yuki

Yukiの感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます


これは“作り物”の域を超えていると思った。現実にあった事件を基に作られたというが、納得だ。これは、起こりえることだと思ったし、ラストシーンで私は彼らと同じ場所に立っていると錯覚してしまった。音が私をすり抜けていき、私は彼らを一歩下がった場所からぼんやりと眺めていた。

主人公のブルーはカッコいい先輩と付き合っていて、嫉妬もあり男関係で嫌なうわさを流されている。彼女は強いわけじゃなく、関係ないという振りをしているだけだ。自分を理解してくれる彼氏、そして家族がいるからまぁいいやと思っているのだと思う。
ロレンツォは都会の孤児院から、田舎の夫婦のもとへ養子としてやってきた。ゲイで美しい彼は、オシャレと音楽(レディ・ガガ)が大好き。自分をしっかりと持っている子で、とても強い。強く見えるからこその痛ましさも垣間見えるけれど、自分を保つ方法を知っている。それは“空想”することだ。悪口を言われても、自分を称賛しているのだと思い込めばいい。それだけで、世界は180度変わる。彼はそれを劇中に何度か試して、自分の世界に幸福をもたらす。
アントニオはバスケ部の得点源として活躍している選手だけれど、「ノロマ」などと悪口を言われる。嫉妬もあるだろう。そして、彼の不器用さと危うさを周りが察して、漬け込んでいるのだ。アントニオはとてもやさしい。自分以外の人のことを見て、考えて、吐き出せずに自分の傷を増やしていく。思春期なのだから、不安定なのは仕方がない。しかし、抱え込みすぎるのは良い傾向とは思えない。

アニメーションの演出も入ったりと、イタリア色全開な作品。
ブルーとロレンツォが知り合って、友達になって、ロレンツォが気になるアントニオに声をかけて、誰が欠けてもいけない存在になっていく過程がとても喜ばしい。
ダンスは上手いとは言えないけれど、楽しそうで見ているこちらもウキウキする。
でも、画面はずっとグレーだ。どれだけ楽しそうでも、笑顔がはじけていても、画面がすっきりと鮮やかな色を見せることはほとんどないと言える。
結末のやりきれなさが、ここに現れている。

ロレンツォを挟んで、ブルーとアントニオが眠ってしまうシーンが好きだ。ロレンツォにとっての一番の幸せは、アントニオのキスだったのかもしれないけれど、すべてを信じて笑って幸せだと言い切れるのはこの場面だったのだと思う。真ん中にいるロレンツォはこの良き日を記録しようと、自分を真ん中にした3ショットを撮る。ロレンツォにとって、きっと初めての経験だった。本音で話すことが出来る友達と遠出をして、笑いあって、その友達が自分に身体を預けてくれるなんて。
この場面で、胸がつぶれそうだった。映画の持つ雰囲気が、ロレンツォの幸せな表情をマッチしていなかったから。
幸せと紐づけるには、彼らは不安定すぎる。彼らの幸せのいびつさと、不器用さに胸がつぶれて、涙が留まることを知らなかった。

物語は、3人が揃って停学になったときに行ったピクニックで大きく様子を変える。ロレンツォがアントニオに対して、恋心をおさめきれなかったのである。情愛を含んで彼に触れたロレンツォをアントニオは激しく拒否した。
アントニオは自分が暴かれるのを、恐れていたのだ。
だから、ロレンツォが誕生日のプレゼントを渡しに来てくれたときも拒絶した。殴って、蹴って、彼を痛めつけた。自分に近づいてほしくないから。
ロレンツォが贈ってくれたプレゼントは一番幸せだったころの3人の写真だった。それを見たアントニオの気持ちは、どのように揺れたのだろうか。
彼はロレンツォの元に訪れて、謝罪をする。そして、キスをする。
タイトル通りのキスだ。

このとき、ブルーは久しぶりに彼氏と顔を合わせていた。カッコよくて、自慢の彼氏。アントニオにくだらないやつだと吐き捨てられた、彼氏と。
そこで、本当の自分の気持ちに気づく。目を背けていたことに向き合って、彼女はようやく目に見える弱さを見せるのだ。
痛々しくて見ていられないが、これで彼女の状況は少し回復へ向かう。少しだけ幸せになれそうな予感がする。
一気にその予感は、地に叩きつけられるのだけれど。

アントニオは、たぶん弱い。彼はいろんなものを背負わされている。兄を亡くした両親の心配、愛、同級生たちからの嘲り、自分のなかにある暴かれたくない部分……すべてがごちゃごちゃと混じって、どこをどうすればいいのかもわからないのだ。不安定すぎる年代に、この重圧は耐えきれないだろう。それに、彼は優しすぎる。自分よりも、周囲の誰かを思いやりすぎて、きっと“楽しい”と純粋に思える瞬間もなかったのではないだろうか。仲間に出会うまでは。
2人と出会ったことで、結果的に悲しい結末へと繋がってしまうのだけれど。
もしも、あのときロレンツォが気持ちを抑えられていたら。ブルーがもっと早く声をかけていたら。アントニオが深呼吸1つ出来ていたら。
たくさんのもしもが積み重なる。
ロレンツォを撃ったアントニオは身体をぎゅっと縮こまらせて、まるでおびえた子どもだ。
彼の成長を妨げてしまったのは何だったのだろうか。
田舎の閉鎖的な雰囲気、両親の愛、自分よりも出来のよかった兄の死。
これといった答えは出ないと思う。でも、絶対に違う結末があったはずなのに。
予告を見たときから、なんとなく予想していた、たどり着いてほしくなかった結末が目の前に映し出された。
彼らが罰として染め上げた真っ白な壁の教室で、ロレンツォは鮮血を流して倒れていた。その対比が美しくも、悲しい。

高校時代、私はこの生活が永遠に続くと思っていた。大学も、社会人としての生活もどこか遠いところにあって、永遠に机の並べられた空間でノートを広げて、どうでもいい話をして、そっと誰にも言えない悩みを重ねていくのだと思っていた。
でも、高校生活は終わり、大学生活も過ぎ去って、働くだけの生活を送っている。
高校生は、きっとこの事実を知らない。アントニオもきっとそうだったのだろう。
学生生活が終われば、もっとたくさんの出会いがある。
出会いのなかには、自分を肯定してくれるものや人との出会いが溢れていて、きっと彼の肩に食い込んでいた重しとも少しずつ別れられていたはずなのだ。
永遠とも思える高校生活のなかで、新しい自分に気づいたアントニオはもろすぎてそれに耐えきれなかった。
自分を貫いて、新しい自分の存在に気づかせてくれたロレンツォの存在を否定した。
全て、タイミングが悪かったとしかいいようがない。

大人たちも、それぞれに不器用でとても人間臭い。説教くさい、映画に出てくる大人が一人もいなかった。
それぞれに自信がない部分もあって、でも自分の子どもを愛していた。ロレンツォを受け入れた夫婦も、彼の些細な変化に気づくくらいには愛していたのだ。

“もしも”のような結末だったのなら、どれほどよかっただろう。
しかし、彼らがそこに行き着くことはなかった。
これから、高校生活を送る人たち、すでに送り終えた人たちにも見てほしい。そして、これは身近で確実に起こりえるものなのだと知ってほしい。
自分には関係のない“誰か”の物語ではない。
自分に関係のある“彼ら”の物語なのだ。
masayo3ta

masayo3taの感想・評価

3.5
社会の縮図、学校。抑圧と差別がまかり通る。
自分は何も悪くないのに学校のはみ出し者になっていた三人が友達になり、時には行き過ぎながらも弾けるように笑いあって日々を過ごす。その映像がすごくいい。

しかし些細なことから三人の関係が少しおかしくなる。でも大丈夫だろうと、大人は、わたしはそう思いながらみていた。

でも‥

無神経にロレンツォをけしかける愛に無知なブルー、アントニオにせまるロレンツォ、冷たく拒絶し暴力に至るアントニオ、謝りに来たアントニオにキスをするロレンツォ、そしてそのキスに激しく答えてしまったアントニオ
自分もLGBTなのか、という不安を抱き始めたアントニオは‥

若さの持つ一瞬の無神経、残酷、不安。一つのキスが眩しい三人の日々をあっけなく消し去ってしまった。
切ない。

もしもブルーがけしかけなかったら?もしもアントニオが
「いつか僕が男を好きになることがあったら真っ先に君の元へいくよ」といえる知性と余裕があったら?そしてもしも門番が遅刻したアントニオを学校にいれなかったら?
一つ一つは些細なこと。でもそれが衝撃的な結果をもたらした。逆に些細なことがギリギリのところで流れを押しとどめることもあるのだろう。人の世って、特に青春時代はそういうものかもしれない。

映画は家族愛の強いイタリアらしくそれぞれの親が真剣に三人と向き合っていた。でも辛い結末になったことに、いまは親である私はいたく傷つきました。

テンポの良い映画であっという間の二時間でした。
Andersen

Andersenの感想・評価

3.7
単なるキラキラ青春映画だと思ってみたら大間違い。3人がすごく輝いてて素敵な映画だった。最後は本当に衝撃的。
Norika

Norikaの感想・評価

4.3

このレビューはネタバレを含みます

言葉になど、できない、、、どうすればいいんだ、、、

衝撃で、今でも放心状態でサウンドトラック聞いてる。最後のあのシーンは、嘘でしょ、嘘だ早く妄想の種明かしして、本気で祈らずにはいられなかった。

アントニオのあの行動はどう受け止めればいいんだろう。だってアントニオはロレンツェオがゲイのことを知っていたわけだから、ホモフォビアとは違うのでは?それとも、その心が自分に向けられたから、一気に嫌悪感が増してしまったのかな。

『最初で最後のキス』が、こんなにも全てを変えてしまうとは。いや、その前から変わってしまっていたといえばそうだけど。あのキスの時、アントニオは全然感情が入っていないように見えたけど…

どうしてアントニオはロレンツェオにキスしたんだろう。どうしてアントニオはロレンツェオを殺してしまったんだろう。

アントニオは本当に混乱していて、色んなことに直面しすぎていっぱいいっぱいだったのだと思う。アントニオは「のろい」と言われていたけど、知的障害なのではないかという指摘もある。お兄さんと比べられて生きるのも嫌だっただろう。原作では、お兄さんのことを嫌いだ、と言っているらしい。

最後のところ、私は正直今とても混乱している。

最後のシーンのことはさておくとすると、

ともかく、後半までの劇中に溢れ出るエネルギーと、キラキラと輝く3人から目が離せない。ディナーのシーン、街に繰り出して踊るシーン、走るシーン、イヤホンをつけて二人だけで学校で踊るところ、ペンキを塗り直す時の三人だけの魔法の国。

思わずスマイルになってしまう。あまりにキラキラしていたし、あーこれ最高だ、と思いながら観ていた。でも、だからこそ本当にラストが、、、、


「Tシャツ洗わないで置いて。額に飾るから」

「ぼくは死なないよ」

一生忘れられない。

あと、アントニオの

「ぼくなら絶対に4Pなんかさせない」という言葉も。

アントニオはブルーのこと最初から見ていたし、やっぱりブルーのことを好きでいたように思えたけど、ではなぜロレンツェオにキスしたのか…やっぱり最後のところの疑問に行き着く。

ブルーの最後のバイクで泣くシーンも観ていてもうなんかわたしは自分の感情をどうしたらいいか分からなかった。


ロレンツェオの両親のことも考えるとさらに本当に心が痛む。


もう一度観たい。

この映画を日本に持ってきてくれた黒崎さんという方は、飛行機でこの映画に出会ってこの映画のために配給会社を立ち上げて配給権を購入したらしい。そのエピソードも最高にかっこいい。まだ日本に配給されていない作品で素晴らしい作品はどのくらいあるのだろう、と思った。

この夏イタリアに行くのがさらに楽しみ。イタリア語も勉強したいな。

監督がインタビューで、「多様性はない。違いだけ」と言っていたのが心に残っている。

あ、あと最後にもう2個!ロレンツェオが笑顔で中指立てるところと、like Antonio でしょ?ってブルーに言われたあとに Non... Si... っていうところが最高に好きだった!
Jerry

Jerryの感想・評価

4.4
人は信じたいものを信じる。的な格言みたいな言葉が浮かんだ

誰しもが幻想と現実との乖離に苦しんでるんだなと改めて思った
LGBT映画、イタリアだけにビミョーにダサダサ感がいい。日本以上に保守的なイタリア、前半のキラキラ感がいかにも楽しいゲイ生活。その分ラストが衝撃的、ゲイの少年の強さ、愛される少年の戸惑い、間に入る聡明で生意気な少女、生き生きしてるティーンズライフは思い切り魅力的で愛らしい分、ラストのショックは大きい。
SNSイジメ、LGBTなどテーマからしていかにも今どきなジュブナイルものだよな…と最初の内は客観的に見ていたものの。

現実シーンの困難が深まるほどに煌びやかな空想シーンとのコントラストが際立って、切なさが増していく。主人公たち3人の関係が深まるほどに、それぞれの気持ちのズレが少しづつ表面化してくる。不穏な空気感が増していき、見ている方の心もザワついてくる。この辺りの描写は実に見事。

逃げ場がなく容赦ない子供たちの世界はどの国も共通だ。そして青春の明るさと若さゆえの勢い。誰にでもあるそんな記憶が少し、くすぐられる。LGBTに特別関心がなくても引き込まれるのは、そうした普遍的な部分がきちんと盛り込まれているせいかも。

なおイタリア映画なので、やはりこの作品でも家族は常に暖かく支えてくれる。どこかに救いがあるイタリア映画らしさが、テーマの重さを和らげて見やすい作品になっていると思う。
キナ

キナの感想・評価

3.4

このレビューはネタバレを含みます

想像以上にポップな演出だけど、起きている事は大分重め。
好きな要素は多いけどブレも気になって素直に思い切り楽しむことはできなかったかも。もう少し強く感情移入したかった。

直情型なロレンツォとブルー。
ハジける二人に合わせるように楽しむアントニオのバランスにどこか危ういものも感じつつ、ワイワイやってるハズレ者3人をニヤつきながら観ていたら、あまりにも唐突なラストに呆気に取られたまま終わってしまった。
事の分岐点・救いの道・正しい進み方を明確に観せてくれるけれど、ロレンツォが死んでしまった直後にその映像は、ただただ辛くやりきれなくて憎らしい。

お洒落なファッションに身を包んでニコッと笑うロレンツォが可愛いけど、辛い事があるたびに頭の中で幸せな現実を創り出す姿が切ない。
死んだ兄を側に置いて会話をするアントニオと、歳上彼氏とその友達からの強かんを自らの希望だったと飄々と話すブルーにも共通していた。
私も人生なかなか上手くいかないくて頭の中にもう一つの現実を持っているので、3人のこの部分にはかなり共感してしまったな。
大なり小なりどんな人にも当てはまることだとは思うけど、ハッキリと映像で表現されるとグッと来るものも大きい。

ファッショナブルで開放的で寛容なイメージのイタリアとは思えないくらい、保守的で排他的な学校の生徒と先生にはつくづく腹立たしく思う。
少々行き過ぎな気のするロレンツォの行動も、それを受けてのアントニオの行動も最後の悲劇も、こんな環境じゃなければ・追い詰めるものがなければ…と考えずにはいられなかった。
ただやはりあそこまで3人ベッタリ仲良し!な関係に、強引に恋愛をねじ込むべきではなかったのかもしれないな…何を言ってもタラレバになるし、現にこの映画の元となる事件があるしで答えなんて無いんだけれども。

音楽に合わせて踊り弾ける、ミュージカルモドキ的なシーンが印象的。
ただ、そのひとつひとつが結構長くしかも多用するので若干押し付けがましく感じてしまい間延びしているように思えたのが残念。
大切なイメージシーンではあるけど、もう少しテンポ良く心に響くようなものであって欲しかった。

胸が張り裂けるようなラストだと思うけど、残念ながらそこまで感情移入できず。
納得がいかなくて色々考え込んでしまう作品だった。
その割に言いたい事が多くて支離滅裂な文章になってしまった気がする…