人間の時間の作品情報・感想・評価 - 4ページ目

「人間の時間」に投稿された感想・評価

TsutomuZ

TsutomuZの感想・評価

2.8
火の鳥やアシュラとかでこういうの読んだことある。
なのでさほど衝撃的な内容とは思えず。

なぜ彼女が日本人で日本語喋るのかが一番の謎。

生きるためなら、どこまでタブーを犯すのかの本作と、映画のためならどこまでしてよいのかというキムギドグ自身のセクハラ問題が重なって見える。
汚いファンタジー映画
正義感溢れるきれいな人は早々にドロップアウトし二度と出てこず、あとは倫理観がナチュラルにバグってる人間たちを中心にグチャグチャになっていく
物語上与えられた役割に沿って、しかもそれに半自覚的に動く登場人物
ヤクザのキャラデザが好き
少し長いけど飽きずに楽しめた
でも後味悪く女性の扱いが終わってるので人には勧めない
【一言で言うと】
「欲望に宿る“種”」

[あらすじ]
退役した軍艦が、クルーズ旅行にきたカップル、有名議員とその息子らを乗せて出航する。大海原を航行する船の中には、暴力と欲望が渦巻いていた。そして船は、いつしか異次元へと迷い込む...。

本日2本目の鑑賞作品。

これは...一体どう評価すればいいのだろうか😅
ただ正直言って、個人的にはあまり面白くなかったです😔
観る前はかなり気になってましたが...いざ蓋を開けてみればまぁ色々と酷い映画でした😫

まず何と言っても乗客のほとんどが最初からマトモじゃないのがもうビックリしましたね(^◇^;)
それに日本語なのに何故か韓国語で会話が通じているのも違和感ありまくりでしたし...確かに今作は“寓話”ベースなのでそういった所はあまり気にしたらダメなんですけど、やはり寓話として見ても違和感でしかなかったです(ー ー;)

それから視覚的にもかなりエグいシーンも多々あり、特に食料が無くなった代わりに〇〇を食べるシーンは流石に観ていて気分が悪くなってきました🤢
その他にも船が空中に浮いたことにより剥き出しにされる倫理性の欠如、それに権力にすがる奴や権力を悪用する奴など、人間の極限状態に達したであろう行為や行動などが、かなりリアルに描かれていました。

とにかく2時間苦痛と不快感で満ちた映画でした。
そりゃ確かに人間は罪深くて欲深い生き物だけども...それでも女性をただの性処理道具として使ったり、女性をそういった蔑視の対象にするのは流石にちょっとダメなのでは?🤔と思いましたね。
まぁ...藤井美菜のレイプシーンで少し興奮してしまった自分も自分ですけど(^_^;)

それにオダギリジョーやチャン・グンソクといったキャストが出ているにも関わらず、あまり生かされてなかったりと、全体的にも個人的にも好きになれない映画でした。

ていうか...チャン・グンソク太りましたね〜(^◇^;)

このレビューはネタバレを含みます

おー、漂流物ですなー

異世界漂流物ですが、舞台は空飛ぶ船の上です。
なんかの表紙に天に登ってしまった船

異世界漂流としては、観たいものは全部観れるという感じ
異世界漂流物は長くなっちゃうので、映画でやるにしてはだいぶ厳しいのかな?と思ったのですが、
意外と観たいシーンを抽出したらこれくらいになるなーというのが全部観れます

でもまあ、そこが主題じゃないのはなんとなく伝わります
海の上を走っている序盤の船の段階でだいぶ治安が悪い
一般人が普通に乗るような旅客船にもかかわらず、レイプは横行してるし
次期大統領候補も乗ってるし、ヤクザも乗ってる

食事もみんな甲板でめいめいにトレーに入った配給みたいな食事をとってる
次期大統領が豪華な食事をしてたら不公平だと初っぱなから文句をつける
「なんか高めの代金払ってるのかなー」と流してしまいそうですが
映画のキャラはみんな平等にするべきだとブチギレ

結構突拍子もなく、ぎこちないんですけど、
たぶん、まっすぐにストーリーを語っているのではなく
神話的に表現して、何かを表象してるんじゃないかなと

とりあえず、この船の上に小さな国家を再現したんですかね?
政治家と軍隊と虐げられる民衆

ストーリーは人間→空間→時間→人間 という順番で進むのですけど、
どういう意味があってこのタイトルがついているかは調べないとって感じなのですが、

最初は人間の誕生でかなり秩序のない状態です
危機的な状態に陥って、秩序立てて政治を行うのですが
ここに利権や階級が生まれます
身分の話はかなりたくさん出てきました
それで、不満爆発するのですが、
政治家や権力者たちは邪魔になった民衆を虐殺します
これは人為的にしろ、自然現象にしろ人間の滅亡を示しているんですかね

最後は母親と子どもだけが残って新たな人類史がはじまります
最後の地球の映像も歴史の始まりって感じです

結局、また暴力の歴史が始まるって感じの終わり方でしたが。

大きくは人類史を批判してるんでしょうけど
この物語の主人公に日本人を配置することで韓国社会を批判しているようにも見えました

これは日本人だから穿った見方かもしれません
日本でもそうですが、韓国への批判は根拠がないものも多いです
日本人への加害から事態が急変する同作
政治家もヤクザも民衆も、ひいては恐らくインテリ層も日本人を攻撃していました。
日本と韓国の関係はよいとは言えませんが、攻撃的になって相手と接するのはやめようという批判があるのは読みすぎでしょうか
日本人を韓国人だらけの空間に2人だけ配置し、1人はすぐに殺されてしまいます
日本人をわざわざ配置した理由をそのように読んでしまいました

まだまだ完全とまでは言いませんが、
若い方々を中心に、お互いへの悪感情は少しずつ感じさせない交流が始まっているように思う昨今。

この映画のように一度全てをリセットして、新たに始まる歴史が暴力の歴史では意味がないではないとなどと感じ取りました。
yh

yhの感想・評価

3.9
まず、韓国語と日本語で会話が成り立っているのを突っ込みたくなったけど、それ以上に有り得ないことが起こる映画だから寓話と考えればあまり気にならなくなった。
ただ人間の残酷さとか、それとは無関係な自然の無常さとか、すごく今更というか凡庸だし、誇張しすぎだと思った。
藤井美菜も説明的な台詞が多く、そのせいで演技に違和感がありすごくもったいない。

このレビューはネタバレを含みます

舞台設定は一見ファンタジーかと思えるようなものであり、韓国語と日本語が相互に飛び交う状況でありながら特に通訳を介す事なく強引に話が進んで行くので、乱暴な作品なのかと思いきや、実際は社会の縮図そのものと言って過言ではない世界観となっている

強者が弱者から搾取し、その弱者が更なる弱者を虐げる
野望が大きいと欲望も大きくなるという作中の台詞が刺さる

基本的にどの登場人物にも不平不満を抱き、なおかつ搾取する人間の本能に従った行動が真っ直ぐ過ぎる行動で鑑賞者の心を抉り出す

政治家息子の綺麗事言う癖に、ちゃっかりおこぼれにはありつく姿は見ていて本当に吐き気がすると同時に、ある意味で本当に人間らしいと言えるかもしれない

最後の意地悪とも言えるオチも、ある程度予想できてしまった自分が嬉しいやら悲しいやら
Laut01

Laut01の感想・評価

3.7
『コロナ禍で評価があがる映画を観たいあなたへ』
営業開始後、一発目にこの映画を選んでよかった!
色んな立場の人間、国の人間が乗った船が突然迷い込んでしまうというストーリーが、今の急激に変わるコロナ禍と共通するところがあり、人ごとではないディストピアになっていた。

流石、キムギドグ。唯一無二のR18。ただグロイのを売りにするのではなく、強烈な展開と映像にはメッセージが詰まっていた。

パンフに「何事も自然と思えば腹が立たない」という言葉があった。いろいろなところで急激な変化が起きているからこそ、この全ては自然だという考え方には一理あると思った。

韓国では上映できないそう。世界でも上映できる国はわずか。そこに日本が含まれているのは嬉しい反面、Me Tooには疎いのではということも頭に過ぎる。
キムキドグ監督によるパニックホラーでもありSFホラーでもあり寓話ホラーでもあり。

原題は「人間、空間、時間、そして人間」
これがそのまま章立てになっています。


物語は現役を終えた元戦艦に一般客を載せて海洋クルーズへ出港直後から。
そこに乗り合わせた乗客達。
国会議員とその息子、議員に取り入ろうとするヤクザの軍団、新婚旅行の日本人夫婦、娼婦、普通のカップル、半グレ系青年集団、家族連れ、おっちゃん連中、ひとり甲板で紙コップに土を集める老人。

船の設備は元戦艦なだけあって所謂豪華クルーズ船の内装ではなくただゴツい。
でもここで格差が生まれます。
国会議員とその息子は一等客室(といってもソファー、テーブル、ベッド、バス・トイレ付のちょっと広めというくらい)食事も豪華なフルコース。
一般人は狭い客室、食事はアルミ食器に無造作に盛られたご飯、テーブルも用意されない。

待遇格差にキレたオダギリジョーが国会議員に詰め寄る。
「同じ客なのに部屋と食事の差はどういうことですか!」
そこにリュ(ギラい豊川悦司風味)演じるヤクザのボスが間に入り一触即発。
一旦は国会議員が「皆さん申し訳ない」的な演説ぶって場は収まるものの、議員がオダギリジョーの妻・美菜に目を付けたことから悲劇が開始。
彼と美菜さんが睦み合ってるところに半グレ青年達が雪崩込む、オダギリジョーがボコられる→美菜押し倒される→オダギリジョー、待ち伏せしていたリュにナイフで刺され海へ落とされる→美菜はリュにレイプされる→更に国会議員も彼女をレイプ→国会議員の息子チャングンソクも気を失ってる彼女の裸体を見てしまい思わずやっちゃう。睡姦だぞ、お前それ。

そしてそれを一部始終覗いている謎の爺さん。

意識朦朧で目が覚め甲板に出た美菜は、船から見える筈の無いものをみて呆然となる。
海が無くなって船の下には雲が。
どういうことこれ?
どういう訳か軍艦が空中遊泳。遥か下に雲海。

序盤から社会の構図が丸出し。
権力者、それにおもねる者、暴力を振るう者、お金、セックス。
最初からディストピア感が満載、搾取される者はされ続け、性を対価にする者、権力のある者は好き放題に支配を振るい。
暴力沙汰やイカサマが常態で物語は進む。
話の展開は荒く強引です、もう力技、問答無用で「お…おぅ…」と納得させられつつ物語は進む。

謎の異世界の空間であることと脱出が不明なことから、真っ先に残りの食料が掌握され、一般人は少量の食事での我慢を強いられることに。
当然文句は出る、食料庫に忍び込んで盗もうとする奴もいる、ヤクザのひとりを買収して横流ししてもらおうとする奴もいる。
そういう人達は容赦なく制裁。
国会議員、自分の権力に陶酔し段々独裁者じみてくる。父親の非人道的な行動にドン引きの息子チャングンソク。

一方、オダギリジョーの殺害を知った美菜は自殺を図ろうとするも謎の爺さまに止められ、なんとなく彼と行動をともにすることに。
爺さまは何と船倉で、残飯から種を取り出し集めた土で野菜の栽培と卵から雛をかえして生育してた。
「おじいさん、こうなること(変な空間に飛ばされ食料が枯渇すること)を知ってたの?」
当然の質問、しかし爺さまは微笑むだけで答えない。

船の中の時間の流れが不明ですが、ほどなく美菜は妊娠していることを知り再度自殺を図る。
しかし爺さまの身振り手振りの「産みなさい」の圧に負け「子種の候補は4人…自信は無い、でももしかしたらオダギリジョーの子供かも」と考え直し、何が何でも子供を産むことを決意。

さて。甲板で集めた土だけじゃ作物の栽培に足りないのは当たり前…そんな折に、食料の揉め事で殺人が発生。爺さまはその死体を運び、分解し、肉は肉、骨は焼いて砕いて土に。
肉切り包丁で捌いてゆく手際の良さ、そして血のしたたる人肉を貪る美菜。

日常→非日常に放り込まれた場合、ひとはどこまで道徳的でいられるか、モラルを外さずにいられるか、欲望と本能は、正当なのか野蛮なのか、という話だと個人的には思うのですが、割と序盤から暴力的にやりたい放題の展開なので、食料の逼迫と共に荒廃してゆく船内の荒れっぷりが、割と「そりゃそうなるだろ…」って印象で。

やってることはめちゃくちゃ非道。
廊下とか倉庫に罠を仕掛けて、手榴弾で皆殺しとか。
逃げ延びた数名を鉄パイプやナイフで雑に殺害するとか。少ない食料巡って殺戮おっ始めて、結果、残るのは、謎の爺さんと子どもを産むため生存本能マックスになってる美菜と、チャングンソク。
チャングンソクですが、中盤からゲスさが加速するので、そこが興味深かったです 笑
(兵役前はアジアのプリンスと言われたイケメンが…今作では女をレイプし、生き残るために立ち回り、食欲満たされたら性欲丸出しで迫り、肉食わせろーと半狂乱になる役柄です)

作中ではこの呼称は使われませんが役柄を見ると分かりやすく美菜→イブ、チャングンソク→アダム、となっており、それでいうと謎の爺さんは神ですかねぇ…楽園(食料の自給自足システム)を作り自己犠牲的な展開で身を消す、我が身の一部はアダムとイブに与えて血肉になり(この「お前が喰えばお前の一部になり俺は生きづつける」という思想は議員の死とチャングンソクの時でも描かれている)子どもに引き継がれてゆくという…。

美菜や他の女性が複数にレイプされ続けるのも、男のための性のはけ口として登場する女性達も、何かこう…性と暴力がセットで描かれるのが何度かあって。
あとラストのオチですか…、女性に対して、蔑視的なものは感じたかなあ…、子種が誰のものだったのか、そして繰り返される暴力、救いがねぇよー。
一方で「母性の強さ」も描いているんですけれど、美菜=イブがいっこうに老いが無いのに対して、子どもは着実に成長しているので、肉の器としての循環装置みたいにも思えてしまい。うーんと思ったり。

カニバリズムが描かれますが、割と新鮮なお肉色でナイフで切り取ってもぐもぐしてます。
鯨肉とか牛肉の塊みたいでさほどグロさは感じない。
後半では食べるものが人肉のみで、
「人肉あきた…鶏を締めて食べよう」なセリフも。
(番いの鶏は卵を産むまで禁食ルール)
チャングンソクが父親の死体を口にして「マズっ!腐ってやがる…」というシーンにひとの食の業の深さを。

あ、そっか、人肉を食べる禁忌を犯せるかってことも命題ですね。遭難時の緊急避難で過去に人食事件起きてることを考えると…異空間とはいえ遭難した船だし。
美菜はお腹の子どものために。
チャングンソクは空腹に耐えかねて。
…うーん、あの軍艦に居ること事態が嫌過ぎるので暴動が起きる前の段階で投身しちゃいますね、自分なら。あはは。
焼くか煮てくれたら食べれそうです。
生ならソルベ風にしてくれれば…いけるかな…笑

食欲と性欲が、一番暴走しやすいというのは分かる気がします。
それが生存本能に立ち帰ると是とされてしまうことにはちょっと違和感は覚えるかも。
弱肉強食の仕組み、優勝劣敗の思考なんですよね。
端的に今の社会の仕組みを寓話的に描いているだけだと言ってしまえばそれまでですが。
YAMASYU

YAMASYUの感想・評価

3.5
ひとつ歯車がズレただけで人間の醜悪な本性が顔を覗かせるのは、最近のニュースなどからみなさん周知の事実ですよね。

カオス状態(人間の時間)はハイライズを思い出させ、人間の起源はマザーを思い出した!
イヴを見てせめて日本人らしくありたいと思った。

テーマが良いだけに壮大さにもうひとつ爆発が欲しかった!
まこ

まこの感想・評価

-
ピエタが好きなら、と勧めていただいて鑑賞。ピエタを観たのは随分前だし、比べるのも違うけど、私にはこちらの方がずっと地獄だった。点数をつけるのが難しい。ひたすら不快で変な映画だなあと思いながら観ていて、それでも徐々に心を掴まれていったので、後半の展開は飽きなかった。まず、冒頭の日本人夫婦の会話内容や演技から、明らかに不自然でおかしい。夫の強すぎる正義感にも違和感。異なる言語で、意思疎通ができているのも謎。物語の全貌がなんとなくつかめてきてから、これらは寓話感を出すため、あえてだったのかなと思った。何より気になったのは、極限状態になる前、平常時から理性のかけらも無い狂人があまりにも多いこと。予想と違う。あとからギドク監督のインタビューは読んだけど、今も蟠っているまま。。それによって欲が暴走して全員が狂っていく様の印象がぼやけてしまうことはなく、物語が進むほど、本当に悍しい光景になってはいくのだけど、最初のチャプターではその醜悪さは控えめにした方が、後半の暴力描写がより際立ったのではないかなあ。とは言え、このパートがやはり一番面白くて、のめり込んだ。鑑賞後に気付いたのだけど、前半の見ていられないほどの不快さが、いつのまにか剥がれ落ちていたのも不思議。ずっと不快シーンは続いているのに。劇中では呼ばれないけど、主演2人の名前はイブとアダムだし、意外とそのまんまでわかりやすい内容。しかし序盤の、あのタイプの胸糞描写は、きっと一生耐性つかない。何を観るよりもきついかも。とにかく、倫理的限界線を超えていた。これを観たあとのごはん、肉が食べられなかった。