原題『にっぽん昆虫記』(1963)
監督 : 今村昌平
脚本 : 今村昌平、長谷部慶次
撮影 : 姫田真佐久
編集 : 丹治睦夫
音楽 : 黛敏郎
出演 : 左幸子、他
東北の農村に生まれ、家族…
大正から昭和にかけての激動の時代を、貧しさと性について、ひとりの女性の人生を通して体感できるストーリー。
この映画はある売春斡旋業を営む女性の人生に脚色を加えてつくられたようで、半フィクションとい…
左幸子の年の増し方がすごいですよ。すごすぎ。この二時間でほんとうに年をとっているように見えます。当時の日本社会と、性の邂逅と別れを、厳粛かつ奔放に、全員クソカスの登場人物たちが描きます。泥をすすって…
>>続きを読む大正から昭和にかけてを生きた女の半生をドライな圧倒的リアリズムで描く。
一人暗部を歩く女の、ほとんど悲劇しか起こらない内容なのに、時折流れる口琴が使用された劇伴のおかげでどこかトラジコメディのように…
女が昆虫のように社会の底辺を這いずり回るように生きていく話。
自分が忌み嫌っていた女将のセリフと全く同じ事を部下に放つ。自分の持つ欲はどこまでも上限を知らず大きく膨らむ。その欲望はいつかは破裂する…
貧しい農家の父無し子から売春組織の元締めにまで成り上がった実在人物の綿密な取材を元に撮られた、大正から昭和にかけての日本裏風俗史ともいえる作品だ。大正7年誰の種だかわからないまま産まれた松木トメ(左…
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