まぶだちの作品情報・感想・評価

まぶだち2000年製作の映画)

製作国:

上映時間:99分

ジャンル:

3.9

「まぶだち」に投稿された感想・評価

m

mの感想・評価

4.8
大人達から見ると手のつけられない厄介な不良に見える子供達も、子供達と同じ目線で見るとそれぞれに優しさや観察眼等の美点や弱さを持っていて、しかしそんな彼らの人としてのささやかな美しさも高圧的な担任教師の一面的な価値観とスパルタ教育によって無情に圧し潰されていく、その胸を掻きむしりたくなるような哀しみと苦味。

かっちりとロジカルに組み立てられた脚本なのに、少年達の芝居は完璧に自然体で、監督の演出力とそれに応えた少年達の力に舌を巻く。
担任教師の人物造形が生々しく優れていて(これは監督の実体験なのではないだろうか?)、演じる俳優にカリスマ性や魅力が一切無いのもまた良い。

カメラワークが素晴らしく、池の周りの道や橋などロケーションも完璧。

VHSでしか見られないのが本当に残念な、古厩監督渾身の傑作。

それにしても、J・MOVIE・WARSって懐かしいですね・・・
kaomatsu

kaomatsuの感想・評価

4.0
ロッテルダム国際映画祭で、国際批評家連盟賞をはじめ多くの賞を獲得したこの作品は、未見でDVDも未発売ゆえ、どうしても観ておきたかった一作。2016年の第38回PFF(ぴあ・フィルムフェスティバル)で招待作品としてリバイバル上映されると知り、国立近代美術館フィルムセンターに足を運ぶ。

こんな先生いたよな、とか、この頃の少年は主体性なんて言われてもめんどくさいだけだよな、とか、いつも同じ仲間と意味のない遊びをやってたよな、とか、女子にはほとんど話しかけなかったよな、とか…他愛もなく不器用な数々の青春群像。古厩智之監督と1年違いで同じ高校出身の私としては、それぞれのシークエンスが ”あるある” ”わかるわかる” の連続だらけ。荒っぽく地味ではあるが、駆け巡る青春のほとばしりがダイレクトに伝わる、私にとっての青春映画の金字塔となった。
たく

たくの感想・評価

4.3
これは傑作。
古厩監督は少年時代の記憶を鮮明に覚えているひとなんだろう。
少年時代の思いをこれだけ喚起される映画はないと思う。
映像の瑞々しさ、地方都市のなんと美しいことか。
岩井俊二監督がリリーシュシュでやはり地方都市の少年少女を描いたが、あのようなカッコつけた感じがなく、題材には合っている。
naoya

naoyaの感想・評価

4.7
素直になれない子供時代、その演出脚本、ひとつひとつが綺麗だった。

自分にもあった、素直になれず謝ればいいのに謝らず意地を張って先生に歯向かって。

男子なら必ず何かを得る作品。
h

hの感想・評価

5.0
圧倒的な大傑作!瑞々しい、その瞬間しかない刹那的な少年時代と、まさにその瞬間しかない美しい天候が結婚して映画を盛り上げる。「名札」という物を重要な物語の起動装置として異化する発想。突如亀裂として入るドキュメンタリータッチ(女生徒が手を叩きながら手を振る遊び等)、そして二回連続で現れる分かれ道のロケーションの巧い使い方、夜の校庭に現れる保護者を包む不気味な照明はまるでカーペンターだ。チョークを投げる、黄色いボールを投げる、石を投げる。投げる行為は必ずある予定調和なリズムを変調させるために挿入され、そのどれもが魅力的だ。芝居のつけ方も素晴らしい。静と動の、静の部分を軽視しない演技指導というのは難しい。例えば駄菓子屋で、顔の横にお菓子を持ってきて硬直するあの演技のオリジナリティだけで監督の才能が窺い知れる。手ぶれを入れるタイミングも完璧だ。そして何より、校庭での懲罰シーンの、美しい後退移動でランニングをとらえたショット!「ロボコン」でのトラックの荷台に乗った長澤まさみを遥かに凌駕する最高に美しい後退移動ショット、ピントが片時もずれない中、強い日光で黄色く変色した校庭を、絶妙に小学生的な手の振り方で少年がランニングをするのだ。オールバックであった彼の髪は乱れ、白いTシャツは汗で染みができている。この差異!この職人芸!このシンプルさ!このポエジー!「ビンタ」という出来事をサスペンスとして使っており、いつ画面外からビンタが飛んでくるか、ということで観客の緊張を持続させる。
青二歳

青二歳の感想・評価

4.7
DVD化希望。切に希望。何故出ていない。あのぽっちゃり君にまた会いたい。素人の子役を使った映画の中でもかなり好き。教師もいいキャラクター。
ものすごく長い感想を書いたけど、やっぱ全部消した。うまく纏められなかった。中学生という子供でも大人でもない中途半端な時期。乗り越えられた子も、乗り越えられなかった子も。どっちも愛おしい。こんな名作が未だDVD化もされていないのが本当に不思議。
kaz

kazの感想・評価

2.0

このレビューはネタバレを含みます

何の気なしにWOWOWで発見して鑑賞。

熱い友情ものだと思っていたら全然違う。

中学生の繊細さとモヤモヤが描かれる。

しかし、後半の展開が気にくわない。

何故、死なねばならないのか。
死を持ち出さずとも良かったのでは、と思わずにはいられない。

後味が悪いが、印象には残る、そんな作品。

星は2.6とする。

あと、1980年代くらいの作品かと思ったら2000年製作って、違和感。
angryaoi

angryaoiの感想・評価

4.4
女子がまだコミュニティにいない、中学2年の男子小学生たち。「オレ、花火大会に誘おうと思うんだ」とか、そんな甘酸っぱさ皆無のクラス。野球部マッチョもお化粧ガールもいない。超リアルな描写が続く。朝の会で放たれる「図書委員からの連絡です。まだ本を返していない次の人は早く返しましょう。○○くん、△△くん〜〜〜」は、10年ぶりに出会う風景だった。

恐らく名物教師の小林先生はスパルタ教師で、生徒たちを「人間・優等生」「クズ」「人間・劣等生」の3段階に分けている。毎日生活日誌を提出するが、作り話しか書くことができないサダトモ。その嘘を見破られ、「話すに値しない」という烙印を押され、クズの枠に入れられる。体罰も蔓延っている。

こういう”変わった”先生が学年にひとりはいた。
小4の頃、隣のクラスに小川先生(女・50歳)っていう怖い先生がいて、見聞するに、宿題は他のクラスよりも多いし、たとえば忘れ物をしたら4年3組独自の領事裁判権で罰せられるそうだから、クラス替えしても絶対にこの先生のクラスにはなりたくなかった。
ある日、学校に忘れ物をしてしまって、皆が帰った後の、静かで薄暗く冷たい放課後、戦々恐々の中、取りに戻ったことがあって、一応職員室で優しい先生にお断りを入れてクラスまで行ったんですよ。で、4年3組の前を通ったら小川先生がまだ残っていて、咄嗟に「あ!怒られる!」ってこそこそしながら下を向きながら早足で4組に入って荷物を持って復路を目指すと、「夜遅いから、気をつけて帰りなさいね」って廊下まで出て優しく声を掛けてくれて、ほっこり。「人間らしさ持ってるじゃん!みんな嘘つきだな!」って思ったんですよ。
この映画でも、一度だけ、小林先生が凄く人間性を持った言葉を投げかけるシーンがあって(まぁ、そういう状況っていうのもあるんですが…)、泣けるんですよ。そんで、嘘つきサダトモの返しも重ねて泣ける。

エピローグで、この映画の視点は、サダトモの独白だって示されるんですよ。
だから、小林先生の描写もサダトモの主観なわけで、本当は愛情の裏返しで生徒に厳しくも優しい先生だったのかもしれないな、って思うのです。小川先生のように。

サダトモは、チームの主導権を握りたがり、お山の大将で自分の存在意義を保っている。家では寡黙。「お前はこういうことを生活日誌に書けばいいんだよ」とか、好き勝手仲間に言ってくる。自分は先生に「こういう反省文書け」と、似たようなこと言われても、反抗するのに。ある意味先生もサダトモなのかもしれない。
やたら首を突っ込みたがって、上に立ちたがる中学生の出る杭は打たれがち。中学のそういう機微と、上にいて鎮められたあの人のことを思い出す。
ぶん

ぶんの感想・評価

3.8
懐かしい感じがした!
素直な子供たちと固く頑固な怖い先生。どうしていいか分からない繊細な少年たちの心理描写が長崎の自然の中で揺らめきながら描かれている。懐かしくもあり哀しくもあり胸がキューとなった。
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