このレビューはネタバレを含みます
事故で子どもを失ったダンサーが残した振り付け。
登場人物たちは、それぞれの立場や場所で、「母」と題されたそのダンス=不在の人間の身体の動きを模倣し、反復する。それらのアクション(だけ)を通じて複数…
作品や言葉が人々に何をもたらすのか。人々の何を癒すのか。芸術の根源的な希望を確認することができたと思う。
この作品は説話的な事象よりもその時間が大切にされており、本当に信用できる監督だと感じた。経…
モダン・ダンスの祖イサドラ・ダンカンが子どもたちを事故で失った後に創作したダンス『母』を中心に4人の女性たちを描いた作品。ダンカンが残した舞踊譜(というものがあることを初めて知った)と著作をもとにひ…
>>続きを読む本当に素晴らしい。
人間にとって肉体は不条理なもので選択できないものだったりする。障がいや老いはもちろん、モデルや美男美女でさえ美しく生まれたことで人生を初めから限定されてしまう。
人間は、一人…
「子どもたち」の中にはダンスを直接受け継ごうとする者だけでなく、それを観るものも当然のように含まれていることにとても感動した。映画として観客を信用していると同時に、創作者として、観客を無視しない意思…
>>続きを読む他者の思いを拾い上げることによって、自らを表現する手段を得ること。それは、他者のみならず自分の感情すら深く埋めなければ耐えきれないような不条理に遭遇する私たちの人生にとってどんなに救いであるか。
ラ…
踊る身体のように繊細に、緻密に、しかし自然に配された、光、色彩、構図、音。ひとつひとつの瞬間を慈しむような、これはいい映画でした。。。
譜面というわずかな手がかり、母娘のような師弟関係、そしてイサド…