多発性硬化症という難病の啓発をテーマにした作品。
突然、喫茶店で飲もうとしたコーヒーのカップを落とす。横断歩道を青信号の間に渡りきれなくなる。ついには歩けなくなり車椅子生活に。翔子(文音)は突然おそった身体の不調がどんどん悪化していき、最初は何の病気かわからずに不安な日々を過ごしていたが、脳の精密検査を受け「多発性硬化症」と診断される。
見た目では病気であるとわかってもらいにくく、周囲からの理解も得にくい上に、治療法のない難病「多発性硬化症」に苦しむ人を救おうと、翔子は「MS CHIPS」を立ち上げる。
これは、実際に多発性硬化症の患者で、MS(多発性硬化症)の患者さんを繋ぐサークル「MS CHIPS」の代表を務める中田郷子さんの半生の実話に基づく物語。
映画としては、肝心なところにモノローグを多用し過ぎで、実際に翔子が日常生活でどの程度MSに苦しんでいたのかが伝わらないとか、
MS CHIPSの立ち上げがホームページ画面のアップだけで、その後「私を支えているのはMS CHIPS のみんなとの交流」という台詞があるのに、立ち上げ後の実際の交流が何も描かれていないとか、正直言って再現ドラマの延長程度の演出だったりするのだが、
後半、新薬の承認へ向けての厚労省との闘い、忙しい日々の中で某殺される仲間との時間、などなど、ドラマもヒーロアップしていき、実際の中田郷子さんの生活のハードさ、取り組みの素晴らしさが窺えた。
主演は長渕剛の娘の文音さん、親友役にニッチェの江上敬子も出演している。
2月6日、ユーロスペースで上映予定。