20231015-246
2020年代、東京
原作:短編「ドライブ・マイ・カー」村上春樹(「女のいない男たち」収録)
監督:濱口竜介
美術:徐賢先
愛車サーブ900ターボ(原作では黄色のコンバーテ…
生きるって辛い。
正しく傷つく方法。
人の心は全部は覗けない。
「自分の心と上手に正直に折り合いをつけていくことじゃないでしょうか。本当に他人を見たいと望むなら、自分自身をまっすぐ見つめるしかな…
娘を亡くし、妻を亡くし、緑内障を宣告された主人公、家福。
彼が緩慢に死へと向かっていく物語だ。
そこにチェーホフの「ワーニャ伯父さん」と
妻が語る「好きな人の家に空き巣に入る女子高生の話」が
劇中劇…
さすが、濱口監督への信頼がさらに深まった…
内容の芯は村上春樹だなと思いつつ、台詞や演技の温度感、演出の複層性は見事で、繰り返されるワーニャ叔父さんの場面場面が意味を変え立場を変え映画の中で機能し…
文章を頭の中で音読しているかのような抑揚のないセリフや、散りばめられた比喩的演出のおかげか、頭ではすごく良く理解できた一方で、心が大きく動くことはなかった。感情を抑圧して内省していた彼らの感覚に近い…
>>続きを読む©2021 『ドライブ・マイ・カー』製作委員会