この夏、初めてスクリーンで観た。何度観ても若き司祭の空振る真面目さ、透明な悪が充満する村での冷遇、損なわれていく健康がひたすらに辛い。キリストの身体と血(パンとワイン)しか殆ど口にしない彼が、不信仰…
>>続きを読む若き司祭がひっそりと村にやってきたとき、胸に響いてきたのは「なんて真っ直ぐな人だろう」という共感。
村人に無視され、体調は悪化するなかで、彼が日記に書いた「僕は何も間違っていない」という言葉が、彼に…
自分の考えが正しいと思うこと、自分の信じること(今作で言うなら思想、宗教)が揺るぎない真実だと思うことは実は、自分自身を保つため(心の拠り所とするという意味で)に重要ではある…がしかし、その思想を他…
>>続きを読む後期の作品に比べると、まだモデル(ブレッソンの言うところの俳優)が多少なりとも演技してる感があり、逆に新鮮でした。
ラース・フォン・トリアー監督の作品で『アンチクライスト』というタイトルの映画があ…
司祭は、キリスト教、つまり、カトリックのメタファーだ。 二つの大戦を経て、それまでの宗教的価値は揺らぎ、司祭が問答を繰り返して揺れ動く姿や少女との交流は、カトリックが自己崩壊しつつあったことを示唆し…
>>続きを読む新任司祭は胃が痛い。
パンを浸したワインしか喉を通らない。
信心深いとは言えない村人達、神父を試す子ども達、息子を亡くして壊れた領主一家の絆。自分の要求を述べようとすると言葉に詰まるような繊細な若…
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